職員情報が承認されました。ようこそ、担当職員様。
日本生類創研内部データベースへのアクセスに一時的に成功した際に取得した、ニューブロッドの近影。
名前: ニューブロッド(Newbrodd)
確認されているその他の呼称: ドクトル・ニューブロッド、ブロッド博士、N博士、先生、"久遠の息吹"
所属: 日本生類創研 関東12-E施設? 特殊生命体研究・創造部門"暁闇の箱庭ガーデン・オブ・デイブレイク"所属
性別: 不明
生年月日: 不明
財団との関係: 敵対
関連人物: AO-03281-JP(現: 蓑蜂研究員)
概要: ニューブロッドは、19██年よりその存在が財団によって確認されている要注意人物です。現時点においては日本生類創研の研究員の一人であること、"久遠の息吹"という異名を持つ人物であることが判明しており、その詳細については未だ多くの不明点を有します。ニューブロッドはどのような状況であっても全身と顔を特殊なスーツで完全に隠しているため、その正確な素顔については未だ判明していません。
ニューブロッドは生物学・遺伝子学・神経学・外科学・脳科学を中心に多くの実績を残す医師でもり、国内外でも非常に注目される人物です。しかし、前述のように素性の一切を秘匿していることもあり、各界では非常に噂の絶えない人物としても知られています。日本生類創研の内部でも非常に特異な人物であると言及されることがあり、組織内でも一部の者を除き積極的に関わりを持っている者はごく少数であると考えられます。
ニューブロッドは日本生類創研において、複数の生命体・種族を合成し新たな命を生み出す実験を繰り返す"暁闇の箱庭ガーデン・オブ・デイブレイク"と呼ばれる研究部門の主任を務めており、自身の部下とともに違法に入手した動物などを用いて異常存在を製造していることが判明しています。これには10代以下の子供なども含まれており、国内での未解決の連続児童失踪事件との関連性が調査されています。
財団が収容しているAO-[編集済]-JP、AO-[編集済]-JP、AO-[編集済]-JP、AO-03281-JPはニューブロッドの生命体合成技術の結果生まれた存在である可能性があります。事実、ニューブロッドは財団によってAO-03281-JPが収容されて以降、財団に対する接触機会が年々増加傾向にあり、AO-03281-JPの即時引き渡しを要求しています。なお、AO-[編集済]-JP、AO-[編集済]-JP、AO-[編集済]-JPについてはニューブロッドの引き渡し要求には含まれておらず、AO-03281-JPのみの回収に固執している様子が窺えます。20██年現在までにニューブロッドが財団施設へ襲撃した回数は延べ2███回にのぼります。
これらのことから、AO-03281-JPに対しニューブロッドの存在を示唆させることは、AO-03281-JPの精神状態に大きな影響を及ぼす恐れがあるため、可能な限り控えるべきです。
インタビュー記録AO-03281-JP:
インタビュー対象: AO-03281-JP
インタビュアー: 小此木博士
付記: 当該ファイルはPoI-002192-JP"ニューブロッド"の詳細調査のために行われたインタビューの記録です。当時のAO-03281-JPは財団による雇用以前の記録であることに留意してください。
<記録開始, 00:00.00>
小此木博士: それでは、インタビューを始めますが、大丈夫ですか、AO-03281-JP?
AO-03281-JP: わ、ワガハイはそんな名前じゃないぞ! ワガハイにも立派な名前があって、それは……。
小此木博士: それは?
AO-03281-JP: ……いや、やっぱりいいぞ。その名前で受け入れるぞ。
小此木博士: 分かりました。では、AO-03281-JP、単刀直入に聞きますが、あなたとニューブロッドの関係性を教えてくれませんか。
AO-03281-JP: [沈黙]…そんなことを聞いて、一体何になるというんだ? ワガハイ、あいつについてはあんまり言いたくないぞ。
小此木博士: これは貴方を保護する上でも必要なことです。お答えください。
AO-03281-JP: …[少し考え込む素振りを見せる]…うーん、わかったぞ。あんたたちは悪い人だとは思わないし、知ってる範囲なら言うぞ。
小此木博士: ありがとうございます。では、お願いします。
AO-03281-JP: っていっても、説明できることはあんまりないぞ。あんたたちに回収して貰うまで、ワガハイ、あいつの仕事を手伝ってたってことくらいしか。
小此木博士: 手伝っていた?
AO-03281-JP: そうだぞ! ワガハイは日本しょーるい……えっと、なんて言うんだっけ? 創研? ってところで生み出されたらしくて、他にもワガハイと似たようなのがいっぱいいて。あっ、もちろんワガハイとおんなじような感じの子たちだぞ! その子たちもワガハイも、ニューブロッドっていう名前のあいつが、ワガハイを生み出したって言ってたぞ。
小此木博士: それと手伝っていたことの関係性は。
AO-03281-JP: 簡単な話だぞ。あいつはワガハイのことをとっても大事にしてくれてたんだぞ。それに、ニューブロッド……あいつはワガハイの生みの親、つまりパパみたいなものだから、手伝いたいってワガハイは思っただけだぞ。創研じゃワガハイみたいなのは見るだけで気味悪がるヤツも多かったけど、あいつとあいつの知り合い? たちはそんなコトしなかったから……。
小此木博士: その割にはあいつ呼ばわりなんですね。
AO-03281-JP: [沈黙]
小此木博士: AO-03281-JP?
AO-03281-JP: えっ、ああ! ごめんなさいなんだぞ……ちょっと、嫌なことを思い出してて。
小此木博士: 嫌なこと?
AO-03281-JP: その、えっと……あいつは、ワガハイのことを「史上最高の我が子だ」っていつも言ってくれてて、ワガハイ、それが嬉しくって、あいつの手伝いを一杯こなしてたんだぞ。けど……。
小此木博士: けど?
AO-03281-JP: ある時、ワガハイはあいつに呼び出されたんだぞ。
小此木博士: 呼び出された。
AO-03281-JP: うん。それで、あいつはワガハイに言ったんだぞ。「ワガハイに、最後のお仕事をしてもらいたい」って。
小此木博士: その、お仕事、というのは?
AO-03281-JP: わからないぞ。でも明らかにヘンな感じだったぞ。思えば、ワガハイがよく話してた子がいつの間にかいなくなってて、その子たちは最後に見たのはあいつと話してた時で……。モニュカも、ペディルも、それにフェルニタだって、仲が良かったのに、あいつに呼び出されてから、いなくなってて……。
小此木博士: AO-03281-JP、大丈夫ですか?
AO-03281-JP: [俯いてすすり泣く]…ワガハイ、見たんだぞ。みんな、みんな……バラバラになってたんだぞ。
小此木博士: バラバラ?
AO-03281-JP: ワガハイの仲の良かった子は、みんなバラバラになってて……手も、足もなくて。ヘンなパイプでがんじがらめになってて、それで、それで…[嗚咽]。
小此木博士: なるほど、分かりました。少しお待ちいただけますか…[小此木博士は外の職員と情報交換をしている、1分後にインタビュー再会]…ええと、それでは話題を変えましょう。あなたはそこからどう逃げたのですか。我々に保護されるまでの過程をお教えください。
AO-03281-JP: う、うぅ……わからないぞ。直感的にワガハイもあんな風になるんじゃないかって思って、だから、ワガハイ、あいつを振り払って、建物の外へ必死に逃げようとしてたところに、ちょうどあんたたちがいたんだぞ。だから、助けてって、ワガハイはここで死にたくないって言って、守って貰ったんだぞ。ワガハイが知ってるのはこれくらいだぞ。
小此木博士: ふむ。[小声で]突入部隊からの報告とは一致するか。これも偶然の結果か……。ええと、はい、分かりました。では、今日のインタビューはここまでにしましょう。随分と疲弊しているようですし。
AO-03281-JP: う、うん。わかったぞ。……あ、そ、それとなんだぞ!
小此木博士: なんでしょう?
AO-03281-JP: あ、あいつは……ニューブロッドは、絶対ここにはこないんだよな? ワガハイ、もうあそこには戻りたくないぞ。できればずっとここにいたいぞ。
小此木博士: ええ、安心してください。ここにいる限りは安全です。我々が責任を持って保護いたします。
AO-03281-JP: 本当か!! わかったぞ、ワガハイはあんたたちを信用するぞ!
<記録終了, 21:26.31>
インタビュー終了報告: 本人の証言および、ニューブロッドの行動からの状況証拠的な観点から、AO-03281-JPは日本生類創研にて何らかの実験を行う上で重要な存在であることが示唆されています。AO-03281-JPには追加のインタビューと、日本生類創研の所有施設へのさらなる追加調査が予定されています。 インタビューはAO-03281-JPの精神状態に異常を来すため無期限の延期となりました。
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