ニッソ医機 開発ストーリー 「人を人として未来へ繋ぐ。再転移型異形化抑制システム」

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人を人として未来へ繋ぐ。

再転移型異形化抑制システム

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公開日 2047/11/27

神格存在出現事件以降、世界中で多くの人の命、尊厳をおびやかしている病気、異形化。患者の数は年々加速度的に増加しており、感染者の数は既に2400万人を超えています。WPhOが緊急事態宣言を発令するまでに至りました。そこで患者への負担が少なく、そしてより人らしく生きる事のできる治療法として、再転移型異形化抑制が期待を集めています。

ニッソ医機は新しい異形化の抑制方式として、再転移型異形化抑制方式を開発。これまで他の異形化抑制方式が抱えていた弱点を改善し、その結果としてWPhOの健康正常性危機対応計画(WPhO Health Emergencies Programme 略WPHEP)の主要医療機器メーカー採用を果たしました。これからもニッソ医機は再転移型異形化抑制方式の世界的な拡大を目指します。

より多くの人が再転移型治療を受けられる日、そしてより多くの人が人らしく生きる事の出来る日を目指します。


プロジェクトメンバー
葉室 / 医療機器事業本部 / 統括者
桐谷 / 異常医療部 / 開発設計
稲垣 / 基礎研究センタ / 機能開発
茅野 / 技術戦略室 / 性能評価


目次

・原点は「前の様に戻りたい」の一言
・前例も経験も無い領域
・再転移方式で「抑制」を超えていく
・産学官連携でより革新的に
・これからも患者さんの為に


原点は「前の様に戻りたい」の一言

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異形化末期症状一例(植物化末期)

葉室 「前の様に戻りたい」という患者さんの一言から再転移型異形化抑制の研究は始まりました。その患者さんは、右眼球と声帯、口、そして脳の27%以外は全て広葉樹のクスノキに異形化しており、異形化末期の状態でした。そして、行き着く姿こそ違いますが、世界にはそんな異形化に苦しめられている人達が本当に大勢いました。従来の異形化抑制方式では、異形化した部位を切除し、人工の部位と交換する代換人工部位交換型、そして異形化した部分を最初からその形がその人の形だったと概念と認識を改変し、異形化した部分を身体の一部とさせる身体認識改変型を主流としていました。この2つの方式の問題は、多かれ少なかれ異形化した部位が残ってしまったり、分かってしまったりする点、そして異形化していない部位が体の全体の15%を下回るいわゆる末期に入ってしまうと、人間側が異形化した部分に生命活動を依存した状態になってしまう為、その抑制方式は使えなくなってしまって抑制そのものが不可能になる点でした。この部分をニッソ医機は解決できないかと新たに研究を開始する事となったのです。

とはいえ、最初の時点では具体的な案は何もありませんでした。そこでまずは製品企画、設計、研究、開発、営業といった様々な部署が集まってアイデアを出し合うところから始めました。そこで分かった異形化の抑制の中でも特に大きな課題が、遺伝子や循環系等を完全に無視して無規則に転移する患部です。異形化では通常の炎症や癌などの病気にある法則性が全くなく、また遺伝子や血液などからも転移の原因を特定する事が出来ない「転移する」「感染する」という概念だけを持つ転移や感染が存在し、それが概念転移、概念感染という特徴です。この転移や感染が起きることで、発見不可能な微小な患部が出現したり、脈絡無く特定の部位が異形化してしまい急速に末期になってしまうことも問題でした。また、この性質が異形化が完治不可能な原因でもあります。だから今回はその様な課題を踏まえた上で「より患者さんを異形化の前の様な状況に近づけ、その状態を長く維持する」という課題を解決したかった。その為にあらゆる方面からアプローチと徹底した検討を行いました。そして、何度も会議を重ね、無数の提案の中から出てきたのが、のちに世界で「再転移型」と呼ばれることになるアイデアです。

桐谷 これまでの異形化の抑制方式は「悪化させず」「取り除き」「適合させる」という三つの考え方が一般的でした。しかし患者さんを「より以前の様にする」と考えると、やはり異形化した部分を治癒する事が重要だと気づいたのです。ですが異形化は通常の疾患と違い、元々の患者さんの細胞や遺伝子が一切残らず、完全に異なる生体構造に変わってしまうので、従来の医療の様な治癒は不可能でした。そこで「再び変える」事、つまり「再転移」という方法がある事に気がついたのです。そこで異形化していない部分の生体構造を読み取り、一気に異形化した部分と連続的に置き換えていくというアイデアが出てきました。しかし1部の生体構造を読み取っても、その構造が患部と置き換えた場合には多少の誤差が起きるとされていて、特定の部位を異なる部位に置き換えるその方法は今までは困難とされてきたこと。逆転の発想から生まれたこの方法が本当に可能かどうか、様々な面からの検証を行いました。


前例も経験も無い領域

稲垣 開発の最大の課題となったのは、「確実にその人に合った人としての姿に戻す」という再転移そのものの機能設計でした。これまでも異形化抑制の開発者として経験を積んできたニッソ医機ですが、今回はその経験則がまったく通用せず手探りの状態からのスタートでした。

葉室 そんな背景もあって『誰も創った事のない事を創る』為にどの部署も自分の担当以外の部分にも積極的に協力しながらチーム全体で進めていましたね。それでも再転移後の部位の構造の患者さんにそれぞれ合った個別性を持たせる事や、治療後の再転移した部位と元々と部位の神経接続が上手く繋がっていなくて麻痺状態になってしまう可能性がある事など解決すべき課題は本当に多く、何度も研究は挫折しかけました。

稲垣 今までに経験した事の無い研究でしたからね。先駆者からの助言も受けられないような領域だった事もあってそれはもう本当に大変でしたよ。その時は方法も機材も何回も何十回も変更を重ねていて試行錯誤の繰り返しでした。しかし粘り強くニッソ医機の測定技術や高速変異促進器、クローン技術など様々な使える技術は何でも使って何度も実験を重ねたんです。そうする事によって『生体構造を観測し、観測した生体構造を擬似的に情報化して、その生体構造の受精卵からの再成長をシュミレーションし、それを元に異形部に元々の患者さんの生体構造を再転移させていく』という方法がとても高精度で異形化前の状態に戻せる事が分かったんです。本当に患部が綺麗に異形化前状態に戻っていて、「これは凄いかもしれないぞ」と思いましたね。


再転移で「抑制」を超えていく

茅野 大量の提案、膨大な試行、無数の予備検討など色々な過程を経て「再転移」の方向性が固まり、その後は様々なケースの模擬治療試験に集中しました。手や足はもちろん、目や耳、皮膚などの感覚器官、それに心臓等の臓器、そして脳や脊髄などの精神系の中枢の異形化してしまった患部。そして更に異形化の種類も植物化、動物化、無機化、擬似神格化、etc…などなどあらゆる方面の異形化の模擬的な治療試験です。それらの様々なパターンの異形化の抑制方法を今までの方法と「再転移」の方法で同時に行い、両方を比較して「どれだけ人に近いか」を数値や社員のアンケートなどの様々な面から検証しました。そしてそれらの結果を見ていくと明らかに再転移方式の方が異形化前の状態に、つまり人に圧倒的に近かった。それを見て「これなら患者さんの異形化抑制のサポートが出来る」と確信しました。

桐谷 そして、これまでは異形化抑制というのはかなりハードルが高いものでした。なのでニッソ医機は新しく装置を開発すると同時に、全ての患者さんにその1台があれば治療が可能な作りを目指しました。その甲斐もあって、従来の抑制方法の様に患者さんに合わせた代替部位や、専門の特殊医術者の手術を何ヶ月も待たなくて良くなったんです。また設営に必要なコストや条件も可能な限り少なくしています。だから導入が容易で、どんな病院でも装置の導入がしやすくなっています。だからこそあらゆる場所にいるあらゆる病状の患者さんがより治療を受けやすくなっているんです。

葉室 そして、今回ニッソの開発した再転移型異形化抑制方式は、異形化していない部位が体の全体の15%を下回る末期化に入っても、ほんの少しでも、たった0.0001%でも元の体が残っているのならば異形化を抑制していく事が可能ですし、抑制後も今までの方法と違い患者さんの元の状態に非常に近づける事が出来ます。今までの抑制の考え方が「悪化させず」「取り除き」「適合させる」なら、この新しい抑制の考え方は「再生させる」が最も近いんです。今までの「抑制」とは違って、本当に「治癒」に近いと思いますし、患者さんの助けになれると思います。


産学官連携でより革新的に

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提携組織図

葉室 ニッソグループ全体としては、以前から帝都大学と産学提携等で繋がりを持っていました。しかしニッソ医機の異形化抑制の研究チームと、帝都大学の研究チームは最初は全く接点が無かったんです。ですが帝都大学が新たに異形化について本格的に研究を行う予定であるとの情報を聞き、ニッソ医機は即断で資金援助や技術提供、環境整備などの総合的な支援を行う事にしたんです。その結果帝都大学とニッソ医機は共同研究を行う事となったんです。

そして帝都大学との共同研究では「再成長シュミレーション」をどのように制御し、「再転移」の実行をどのように実行すれば患者さんをより良い状態にしてあげられるか、具体的な設計に落とし込む前に意見をひたすら出し合いました。企業と大学の間で、構想段階からこれだけ議論を進められたのはとても有意義な事だったと思います。既に議論の過程で幾つか特許を取れる技術も生まれたりもしていて、共同研究の強みを改めて知りましたね。

国立医療技術研究所(National Institute of Medical Technology 略NIMET)がやっていたのは「異常環境下での仮想環境の制御」という研究でした。この研究は仮想環境そのものに異常な要因がある中でのシュミレーションの制御についての研究で、本来なら有り得ない要因が存在する時にその要因を特定して通常の環境と一致する様にシュミレーションを制御していくというものでした。NIMETは「有り得ない事」に対して確実に動作できる技術を持っていました。

この技術をニッソ医機と帝都大学が利用する事で、異形化抑制が抱えている課題の解決に近づけると考えました。我々が以前からやってきた異形化という「有り得ない事」の抑制についての研究と、NIMETの「異常」に対しての制御についての研究が調和した事によって開発は飛躍的に進み、最終的にはNIMETの技術、帝都大学の技術、我々の技術を統括して世界で最も進んだ異形化抑制の技術を創り出せたと自負しています。


これからも患者さんの為に

茅野 帝都大学との協力、NIMETとの極力、ニッソ医機の内部での様々な部署の協力、そして他のあらゆる人達の様々な助けが研究にかかわりました。本当に多くの方が力を合わせた研究です。ニッソ医機だけでなく、あらゆる所からあらゆる優れた技術を結集したからこそ患者さんの助けになる事ができたのだと思います。だからこそ今回の研究で強く思ったのは、1つの組織だけでは医療課題の課題を多角的に見る事ができずに解決が出来ないという事です。研究する組織の業種に多様性があるからこそ、複合的な難しい課題を異なるアプローチで解決していく事ができます。今回の研究はまさにその1例だったと思います。だからこそ患者さんの為にも、これからも更にニッソ医機は全く異なる組織と様々な連携ができるようなシステムを創り出す事が1つの目標だと考えていて、そんなニッソ医機を目指しています。

桐谷 社外でも高い評価を受け、恩賜特別発明賞、日本特殊産業技術大賞など多くの表彰を頂きました。ですが医療現場は日々一刻と変わり続けていきます。求められる技術もどんどんと変わっていきます。だからこそ、これからも治療現場で生まれる課題や需要を解決し続けていける様に今まで以上に良い製品を作っていきたいです。

稲垣 患者さんからのお礼の手紙が届いたりした時は「やってて良かったな」と思いましたね。色々な所で既に再転移型抑制方式を使って頂いていて、肉塊になりかけて生きる気力を無くしていた女の子が「もう一度生きたい」と言ってくれたり、絵になりかけていた男の子から「元に戻してくれてありがとう」などと言ってくれて、改めて本当に患者さんの為にやってきて良かったなと思います。これからもよりそんな声を届けて頂ける様に、私達も進化し続けていきたいですね。

葉室 この研究は構想段階から既に様々な部署と意見交換をしながら作り上げていて、そして帝都大学やNIMETなどあらゆる垣根も越えたチームワークの結果、どこに出しても納得のいく機能となりました。様々な組織に採用されたり既に実績もあり、世の中の患者さんから求められていた事だと感じる事が出来、喜びも大きかったです。しかし開発が終わると同時に別の研究に取りかかったり、他のプロジェクトが並行していたり、この研究をより良い物にしていく等で、すぐに新しい何かが始まります。これからもより良い物を創る為に今回の研究に参加した社員も、そうでない社員も全員が『誰も創った事のない事』に向けて常に向かい続けています。


お問い合わせ先

ニッソ医機 異常医療部 異形化研究第一部

〒N/A-E178 東京都千代田区丸の内0丁目12番4号
TEL F8-TS43-62A5 FAX F8-TS43-62H7
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