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江戸から幾人かの鮨相撲衆とともに逃げ出した三郎四郎は今は長崎に潜伏している。
長崎は幕府直轄の天領であり、かつ古くから諸外国との交流が多いため異常存在に対する親和性が高い。
独立した組織である蒐集寮を避けるにはもってこいの地域であるのだ。
さて、今やすっかり蒐集寮から目をつけられてしまった鮨相撲。
一時は江戸も超えて日本各地で行われていたものの、弾圧に重ねる弾圧で鳴りを潜めてしまった。
この物語の主役、三郎四郎はかつて蒐集寮の研儀官という立場であったがたまたま巡り合った鮨相撲にどハマリして今では逆に追われる立場。
そんな中で三郎四郎は考えていた、どうしたら鮨相撲を広められるだろうか。
今のままでは広めるどころか存続すらも怪しい。
来る日も来る日も他の鮨相撲衆と話し合ったがナイスな提案は待てど暮らせどからっきし。
捕まる不安と並んで三郎四郎の悩みの種となっていた。
ある日のこと、三郎四郎は世話になっている長崎奉行の者からの頼まれ事で崇福寺へ出向いていた。
用事も済ませ帰ろうとしたところで運悪く人とぶつかり転けてしまう。
謝罪をしようと相手の顔を見たらなんとびっくり異国の者ではないか。
「あ…すみません、すみません」
「いや、こちらこそ申し訳ない。もう少しよく周りを見るべきだった」
「あ…あー…すみません」
「無理に日本語で言う必要は無いぞ、俺はオランダ語と…少しだけなら英語を知っている。話しやすい言葉を使ってもらって構わない」
「あー…thank you!」
彼の名前はラナルド・マクドナルドといぅて、漂流しているところを発見され捕まったらしい。
偶然にもラナルドは日本に関心があったようで誰かに会うたびに様々なことを聞いてそれを吸収していった。
三郎四郎は面白半分で自分が食べるために持っていた鮨を出した。
初めは戸惑っていたラナルドも三郎四郎に勧められて一口食べた瞬間に思わず笑みがこぼれた。
「外人さんにもウケるなんて嬉しいな。もしこれからも食いたいなら是非来てくれよ。三四鮨って名前でやってんだ」
「さんし…すし?Thank you!」
ラナルドは崇福寺からは出られない身。
自由に三四鮨に食べには行けなかった。
だがそこは三郎四郎の計らいにより定期的にラナルドの食事に自ら鮨を出せるようにした。
そのおかげもあってかラナルドはすっかり鮨にハマっていた。
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アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:2419995 (03 May 2018 09:09)
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