残夜

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アイテム番号: SCP-2502-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容手順: SCP-2502-JPは恒常医療収容房に収容されます。この地点から半径50m以内はセキュリティクリアランスレベル3/2502-JPをもつ職員を除いて侵入が禁止されており、また該当職員であっても一度に10分以上、累計で3時間以上の滞在は禁止されています。SCP-2502-JPには常時昏睡剤が投与され続け、耐性がついた場合は別の薬剤に切り替えられます。

SCP-2502-JP-Aはそれ自身を含む半径3km以内の民間人の立ち入りが禁止されています。SCP-2502-JP-Aは補強工事が行われ、調査目的で内部の環境は保たれます。

SCP-2502-JP-Bは標準人型収容房に収容されます。UTC基準で午前10時から午後5時までの収容房外での自由行動が許可されています。要望に関しては標準仕様の即した範囲で許可されます。

説明: SCP-2502-JPは高齢のコーカソイド男性です。SCP-2502-JPは心身ともにひどく衰弱しており、常に極度の緊張状態にあります。またSCP-2502-JPは自身の状態について明確に自覚しており、それも相まってより衰弱しています。SCP-2502-JPは以下に示す異常性を有しており、これがSCP-2502-JPに対して深刻な影響を及ぼしています。

  • SCP-2502-JPは確認した範囲内で最も基本的な死因のタナトーマ1が消失しています。またSCP-2502-JPに注入したタナトーマはその直後から消失します。これによりSCP-2502-JPは事実上の不死であり、あらゆる損傷を負いません。
  • SCP-2502-JPは極度の不眠症を患っており、発見時から一度も眠りについたことがありません。SCP-2502-JPを眠らせようとする試みはすべて失敗しました。 しかし睡眠欲は消失していないため、SCP-2502-JPはこれにより多大な精神的、肉体的苦痛を負っています。不眠の原因は調査中です。
  • SCP-2502-JPは夢界が存在しません。本来夢界が存在する領域に他の夢界やオネイロイが接触するとその地点から消失します。このためSCP-2502-JP付近の人物の夢界は徐々に消失することになります。この消失は影響者自身にとっては睡眠時の破壊的な内容の夢として認識が可能です。具体的には何らかの生物が殺害される、地形や構造物が崩壊するといった夢であり、累計睡眠時間が長くなるほどに内容が過激なものになります。

SCP-2502-JPはアメリカ合衆国マサチューセッツ州の████████川で流されているところを地元民に通報されたことをきっかけに発見されました。発見時のSCP-2502-JPは呼吸器系にまで水が入り、また全身に外傷や骨折2が見られたものの、搬送先の病院で突如としてすべての損傷が回復したことをきっかけに財団が捕捉、その後確保しました。また確保前までに同病院の入院患者、また仮眠中の病院勤務者が一様に破壊的な内容の夢を見たことを主張しました。SCP-2502-JPへのインタビューはSCP-2502-JPが極度の不安感3を抱いておりコミュニケーションが取れる状況では無かったため、中止されました。

補遺2502-JP-A: SCP-2502-JPの起源調査を目的として、SCP-2502-JPの記憶のイメージ抽出が行われました。

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イメージ抽出から描画されたSCP-2502-JPの記憶。

イメージ抽出の結果、下記の特徴をもつ画像が多く描画されました。

  • 木々に囲まれた切妻屋根の家。
  • 開口部の多い部屋と青から黒のグラデーションのある不明な実体。

これらがSCP-2502-JPが元々生活していた環境であるとされ改めて調査が行われた結果、████████川の上流付近に類似する家屋を発見しました。しかし画像と比較してひどく老朽化していたため、SCP-2502-JPのもつ記憶は過去のものであると推測されます。この家屋をSCP-2502-JP-Aに指定します。

SCP-2502-JP-Aは18██年に建てられた木造家屋です。SCP-2502-JP-Aを構成する素材、建造方法に異常な点はありません。SCP-2502-JP-Aの建て主はジョバンニ・マストロヤンニという人物であり、当該人物は19██年に死亡した記録があります。当時の資料からSCP-2502-JPと同一人物であると断定されました。SCP-2502-JP-A内には異常な人型実体が発見されました。これをSCP-2502-JP-Bに指定します。

SCP-2502-JP-Bは表面が青と黒のグラデーションになっており、多数の光点が確認できる人型実体です。SCP-2502-JP-Bは必要な器官を持たないにも関わらず、周囲の環境を認知可能です。SCP-2502-JP-Bは知性を有しており英語とマオリ語で会話が可能です。SCP-2502-JP-Bは1日に一定期間消失します。時期により時間は異なり、消失時間はUTC基準で最速午後6時、最遅午後7時30分、再出現時間は最速午前5時、最遅午前9時です。再出現条件は消失地点と同一です。

インタビュー記録2502-JP-5


インタビュアー: エマヌエレ・アントニオーニ研究員
対象: SCP-2502-JP-B
付記: SCP-2502-JP-B自身の保護を条件に財団に協力している。


<記録開始>

[重要度の低い部分を省略]

アントニオーニ: こちらの人物についてご存知ですか。

[SCP-2502-JPの写真を見せる。]

SCP-2502-JP-B: ……まあ、ええ、はい。

アントニオーニ: どういったご関係でしょうか。

SCP-2502-JP-B: その人は私の父です。

アントニオーニ: それは血縁上ということでしょうか。

SCP-2502-JP-B: そうです。ああ、確かに分かりにくいかもしれませんが、私も昔は普通の人間だったんです。れっきとした父の子ですよ。

アントニオーニ: あなたが今の体になった経緯について教えていただけますか。

SCP-2502-JP-B: 昔のことなのであまり正確には覚えてませんが、それでもいいのなら。

アントニオーニ: 構いません、お願いします。

SCP-2502-JP-B: 私には2人の姉がいました。母もいましたが二十歳になる前に出ていきました。まあ、あんな父を見れば誰だって逃げたくはなりますが。あの頃の私はそんなことも思いつかなかったですね、父の教育があったので。

アントニオーニ: 教育とはどういったものだったのでしょうか。

SCP-2502-JP-B: 私達はずっと神に愛されるようになれと言われ続けました。有り体に言えば神様と結婚しろってことですね。父が何を目的にしていたかはよく分かりませんが、あまり私達自身のためでは無さそうというのはなんとなく分かりました……話を戻します。姉が何をされていたかは分かりませんが、私は森の神タネ4の下に行くようにと言われ続けました。幼い頃からずっとだったので、自分でもそれが当然だと思っていました。ただそう言われるだけではなく、マオリのことや花嫁としての作法の教育は徹底してました。私が今もマオリ語を話せるのはそれです。こうしていく内に私は神様の奥さんになるんだなってことに対して自分でも強く思うようになったんです。このあたりは姉も同じようだったと思います。

アントニオーニ: そうですか……その教育の中であなたの体に変化が生じたのですか。

SCP-2502-JP-B: ええ、私達は常日頃から同じ服……正確に言えば多分同じ布で作った服を着させられました。今の私の肌みたいな、暗い、夜のようなドレスです。これを着ると魂だけで動けるようになるんです。父には寝ている間は肉体をドレスに馴染ませるために魂を離脱させるように言われていました。言い付け通りにすると段々と黒くなって、私とドレスの境界が曖昧になってきました。そうして何年か経った時に私は今の体になりました。もちろん私だけじゃなく、姉も同じように黒くなっていました。

アントニオーニ: その2人のお姉さんの所在はご存知でしょうか。

SCP-2502-JP-B: 姉は……嫁ぎました。おそらく、神に。なのでもういません。

アントニオーニ: 神に嫁ぐと消失する、ということですか。

SCP-2502-JP-B: おそらくはそうです。最初はオウセ5姉さん、次にニフタ6姉さんでした。消える前は父に呼ばれて普段は入れない屋根裏部屋に入ります。そこで何をしているかは分かりませんが、出てきた父は何か満足そうだったように思えます。

アントニオーニ: となると、あなたは神に嫁いでいないのですか。

SCP-2502-JP-B: 私はそうなる前に父がああなったので。

アントニオーニ: そのあたりについての事を教えてください。

SCP-2502-JP-B: おかしくなったのはニフタ姉さんが嫁いだ少し後からでした。父が眠れないとしきりにぼやくようになりました。たまにはそういうこともあるとは思いましたが、それが何ヶ月も続くとなるとさすがにおかしいだろうというのは分かりました。ただその時は私もこの体で外に出たら騒ぎになります。なので医者には連れていくことが出来なかったので私が出来ることをしなければと思い看病をしていました。ただその後も父の不眠症が治ることはなく、心を病んでいきました。私も同じように段々と今の境遇について疑問をもつようになって……端的に言えば、嫌気がさしてきたんです。この生活に。先ほど聞いて驚きましたがこんな生活を100年以上おくっていればそうはなるなってのは分かりますよね。

アントニオーニ: 我々が発見したSCP-2502-JPは川に流されている状況でした。これは責任を問うものではありません、あなたがやったことなのですか。

SCP-2502-JP-B: 疑ってますね。まあこんな話をすれば当然でしょう。でも父が川に流れたのは偶然です。川沿いを散歩していた時に車いすを滑らしてしまったんです。私もつかれていたので。でもまあ、確かに私はそれで何もしませんでした。もしかしたらこれで解放されるかなと。私もそうですが父も死んで楽になればそれでいいと本気で思いました。でも、生き残ったんですね。

アントニオーニ: ええ、まあ。それでは本日のインタビューはこれまでにします。ありがとうござ―

SCP-2502-JP-B: あ、ちょっと待ってください。1つ思い出したことがあるんですよ。いいですか。

アントニオーニ: それは是非、お願いします。

SCP-2502-JP-B: 父はおかしくなる前ぐらいから何かに怯えていたようだったんですよ。えと確か……奪わないで、とか言っていたと思います。ってこれくらいですけどね。

アントニオーニ: いえ、ありがとうございます。参考になります。

<記録終了>

SCP-2502-JP-Bの証言からSCP-2502-JPが現在の異常性を有した原因として、結婚の形式をとった自身の子供を利用した宗教的儀式によるものであると推測されます。その際の子供の名前、そしてSCP-2502-JPの異常性からギリシャ神話に登場するニュクス7が関連するとされますが、詳細な手段については調査中です。



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