低品質翻訳の報告について

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SCP-PL-120-Jの低品質翻訳の報告について

報告: http://scp-jp.wikidot.com/forum/t-13863002#post-5593814
記事: http://scp-jp.wikidot.com/scp-pl-120-j

まず、報告で挙げられている点に関してのみに関して言えば問題なしと考えます。理由は以下の通りです。

低品質である理由とされる画像の未掲載ですが、現在では画像の掲載がなされています。
下書き段階で機械翻訳の大規模使用があったというのは事実のようですが、下書きページを見るに、指摘された以降で訳が修正され、投稿時点で既に全面的に改定されています。

一方で報告スレッドで挙げられていない誤訳が存在します。以下に詳細を示します。

原文: SCP-PL-120-J na kartce papieru przygotowanej do sporządzenia raportu
訳文(改定前の旧訳): SCP-PL-120-Jの報告用を作成するために準備された一枚の用紙
訳文(改定後の現行訳): 報告用紙に記載されたSCP-PL-120-J

まずこの文は英語で言うところの「主語+動詞」の完全文ではなく、名詞を形容詞句で後置修飾した文です。よって日本語としては「～なSCP-PL-120-J」と解釈すべきだと思います（すなわち、旧訳は適切でない）。

参考までに、機械翻訳による英訳を以下に示します。この結果もやはり私の考えを裏付けています。
Google翻訳による英訳: SCP-PL-120-J on a sheet of paper prepared for a report
DeepL翻訳による英訳: SCP-PL-120-J on a sheet of paper prepared for the report.

念のため、文法的な面からも考察しました。長いので折りたたみますが、要約すれば機械翻訳による英訳は概ね正しいということです。

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SCP-PL-120-J na kartce papieru przygotowanej do sporządzenia raportuについて逐語的に説明すると以下のようになります。

SCP-PL-120-J: 文字通りのため略。
na: 前置格支配の時は「…の上に」、対格支配の時は「…へ」「…に」の意。kartceは与格または前置格であり、対格ではありえないため、この場合は前者の意味。
kartce: 女性名詞kartka（日本語で「一枚」）の単数与格/前置格。
papieru: 男性名詞papier（日本語で「紙」）の単数生格¹。なおこの文のpapieruは生格なので、「紙の」という意味で、kartceを後置修飾していると思われる。
przygotowanej: 形容詞przygotowanyが格変化したもので、「準備された～」の意。格変化から、修飾している名詞が単数形の女性名詞の生格/与格/前置格のいずれかと分かる。papieruは男性名詞のため、この場合はkartceを修飾していると考えられる。
do: 生格支配の前置詞。多彩な意味があるが、ここではWiktionaryでいう3番目の意味 (for, to (indicates an intended use or purpose, often analyzable as an verbal adjective or attributive noun in English) と思われる。
sporządzenia: sporządzićの動名詞sporządzenieの単数生格。sporządzićは"to draw up", "to compose", "to draft"の意。
raportu: 男性名詞raportの単数生格。生格になっているのはsporządzeniaの格支配の影響？

つまり逐語訳は「報告書を作成することのために準備された紙の一枚の上にいるSCP-PL-120-J」（SCP-PL-120-J on a sheet of paper prepared for drawing up a report）のようになると思われます。機械翻訳による英訳の内容と概ね一致します。

なお現行訳を作成されたwisdom-545氏は『原文直訳は「SCP-PL-120-Jを報告用紙に記載した。」』と説明されていますが、もしsporządzeniaの目的語がSCP-PL-120-Jであるというのであればraportuが浮いてしまい、文法的に見てどのような修飾/被修飾の関係にあるのかが分からなくなります。またsporządzićが名分詞²になっている理由も説明が付きません。そのような訳になるのであれば、sporządzićは分詞ではない単なる過去形動詞になるか受動形容分詞³になるかのいずれかと思われます。

例えば原文が"SCP-PL-120-J sporządzony na kartce papieru przygotowanej do raportu"などであれば、現行訳でも納得できるのですが。

訳としては「報告用に用意された紙の上にいるSCP-PL-120-J」、意訳して「報告書用紙の上にいるSCP-PL-120-J」あたりになると思われます（メタタイトルが『カメレオン』であることからするに、この訳でも文章としては何らおかしくないと思います）。これは旧訳とも現行訳ともかなり意味が異なっています。

この記事は「アイテム番号」等の他に訳しようのない箇所を除き、訳す箇所は"(nie do końca)"、"SCP-PL-120-J na kartce papieru przygotowanej do sporządzenia raportu"、"Dobrze się skurwiel schował — dr ████████"の3文のみです。

ただの誤字脱字程度であればともかく、3文のうち1文が大きく文意を取り違えていることは問題と考えます。

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