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【警告】
セキュリティクリアランスレベル4: コードXXX 未所持者によるアクセスは、速やかに断絶されます。
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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはその性質から完全収容に至っていません。SCP-XXX-JPに関する全ての情報は、漏洩時に甚大な社会的混乱を引き起こすと予想されるため、永続的に秘匿される必要があります。半年間の調査ののちSCP-XXX-JP収容任務に適格であると判断された職員にのみ、セキュリティクリアランスレベル4: コードXXXが付与され、SCP-XXX-JPに関する情報へのアクセスが可能となります。
現在、全国の警察・医療機関に勤務するフィールドエージェント94名が新たなSCP-XXX-JPの発現を監視しています。SCP-XXX-JP-pがSCP-XXX-JPを発症した場合、回収部隊XXX-ぬ-β(“ヒポクラテスのおつかい”)が現場へ急行し、SCP-XXX-JP-pに精密検査を行った上でクラスA記憶処理を施してください。SCP-XXX-JPの目撃者がいる場合は全員にクラスA記憶処理を施した上で、適切なカバーストーリーを流布してください。また、レントゲン撮影や外科手術、解剖実験などにおいて偶発的にSCP-XXX-JPの情報が漏洩した場合は、情報処理班XXX-ら-σ(“ホワイトデー”)が即座に展開し、発覚から4時間以内に各情報媒体に対して包括的な処理を実行してください。
財団の定期検診等において、SCP-XXX-JPを発症した財団職員が発見された場合は、ガブラ・マーゴ術式に基づく外科抜頭措置が行われます。説明: SCP-XXX-JPは人体に発現する異常な生理学的サイクルです。その過程には歯の生え変わりのプロセスとの類似点が散見されますが、関連性は不明です。SCP-XXX-JPはその進行度に応じてステージXXX-Ⅰ: 頭胚形成期、ステージXXX-Ⅱ: 頭胚成長期、ステージXXX-Ⅲ: 頭部遷移期の3段階に大別され、加えてそのサイクルの途中でステージXXX-n/a: 頭詰ずづまり期が約23%の確率で発現します。1つのサイクルが終了してから次のサイクルが始まるまでの期間は個人によって異なります。これまでの症例では最短で1年後、最長で10年後です。
SCP-XXX-JPを発症した患者はSCP-XXX-JP-pに指定されます。世界██の国と地域において、3歳~92歳までの年齢層で発症が確認されています。日本では20██年の発見以降発症率が微増傾向にあり、現在は人口比にして0.001% 0.003% 0.007% 0.012%の人間がSCP-XXX-JP-pであると推測されています。
以下はSCP-XXX-JPの症状概観です。太字部分の固有名称は、すべて財団医療センター病理研究部によって定義されました。
ステージXXX-Ⅰ: 頭胚形成期
12月頃、SCP-XXX-JP-pの咽頭部において、SCP-XXX-JP-p自身の頭部を1/20000のスケールで模した器官が形成され始めます。この極小再帰的頭部状器官を頭胚ずはいと呼称します。頭胚は頭蓋骨、脳、延髄、眼球、表情筋、口腔、鼻腔、皮膚の順で約半年かけて形成され、ステージXXX-Ⅲの直前にはSCP-XXX-JP-pの頭部の1/20の大きさにまで達します。
ステージXXX-Ⅰ~IIの間、頭胚側の脳は脊髄を介してSCP-XXX-JP-pの脳と神経的接続が保たれており、SCP-XXX-JP-pの脳が受容した感覚情報や保持している記憶情報、そしてニューロンの結合・配置情報といった各情報が、頭胚側の脳にもそのまま移植されます。
ステージXXX-Ⅰ初期には、SCP-XXX-JP-pが頭胚形成に伴う喉部の違和感を訴えます1が、大抵の場合は冬場の乾燥に因るものだと誤認するため、SCP-XXX-JPの発症を自覚することはありません。
ステージXXX-Ⅱ: 頭胚成長期
3~4月に入りSCP-XXX-JPがステージXXX-Ⅱに移行すると、頭胚の成長は安定します。それに伴って、喉部で増殖した破頭はとう細胞が準活性化し、喉周辺の神経を麻痺させます。このため、SCP-XXX-JP-pがステージXXX-Ⅰにおいて感じていた喉部の違和感は完全に解消されます。
成長中の頭胚は通常のレントゲン写真や外科手術による視認が困難な場所に固着しているため、SCP-XXX-JPが財団外の個人や組織によって偶発的に発見される可能性は非常に低いです。発見された場合の処置については特別収容プロトコルを参照してください。
SCP-XXX-JP-pが生存した状態で、ステージXXX-Ⅲ移行前の頭胚を摘出する試みは全て失敗しています。
ステージXXX-Ⅲ: 頭部遷移期
7~8月になると、SCP-XXX-JPは最終段階であるステージXXX-Ⅲに移行します。ステージXXX-Ⅲは午前1~3時の間、かつSCP-XXX-JP-pの脳がノンレム睡眠に移行している際にのみ行われます。
以下SCP-XXX-JP-pの頭部を旧頭部、頭胚が成長した頭部を新頭部と呼称します。ステージXXX-Ⅲのあいだ新頭部が休眠状態にある一方で、旧頭部側の意識は頭液ずえき (後述)への還元が完了するまで明瞭に残存しています。
まず、破頭細胞が活性化して頸部の細胞を食べ尽くすことで、SCP-XXX-JP-pの胴体から旧頭部を分離します。所要時間は約3分です。最初の2分間ほどは、分離による刺激で覚醒したSCP-XXX-JP-pの旧頭部が、その激甚な痛みを知覚し続けます。それに伴いSCP-XXX-JP-pは叫ぶような挙動を試みますが、頸部の著しい破損のためその発声は不明瞭な風切り音となり、隣室にいる他者などからは寝息や寝言の類として誤認されます。そして2分が経過すると、喉奥から新頭部が旧頭部を押し上げて生えてくるのに従い、周辺の神経組織が圧死して、SCP-XXX-JP-pは徐々に痛みを感じなくなります。
また破頭細胞から分泌されるホルモンの働きにより、血中のヘモグロビンのうち外気と触れたものが即時分解されるため、この際に流出する血は赤色ではなく無色となります。このようにステージXXX-Ⅲにおいて血液や体細胞が分解・還元されて生じる液体を、頭液と総称します。頭液には極めて気化しやすいという性質があるため、SCP-XXX-JP-pが目を覚ますまでにその大部分が気化します。故に、ステージXXX-ⅢではSCP-XXX-JP-pの出血量の多さにも関わらず周囲に血痕がほとんど残りません。
新頭部の肥大化と抜け落ちた旧頭部の分解は同時に進行します。所要時間は約5分です。ステージXXX-Ⅲの際、前述の通り新頭部側の脳は休眠状態にありますが、SCP-XXX-JP-pが就寝した時点までの全記憶を引き継いでいます。よってSCP-XXX-JP-pは起床後も頭部遷移に気づかないまま、次回のSCP-XXX-JP発現まで通常と同じ生活を営みます。
一方で旧頭部は速やかに頭液に還元され、自然分解されます。起床した際に少量の頭液が残っている場合がありますが、SCP-XXX-JPは大抵夏場ゆえの寝汗と誤認します。脳波検査により、旧頭部側の脳はその総質量のうち30%が頭液に還元されるまでは明瞭に活動していることが確認されています。SCP-XXX-JP-pの人格と記憶は新頭部に受け継がれていますが、SCP-XXX-JP-pの意識は新頭部に移植されることなく、この段階で不可逆的に途絶します。
ステージXXX-n/a: 頭詰まり期
ステージXXX-n/aは、何らかの原因でステージXXX-IIの終盤に破頭細胞が活性化不能となり、その結果ステージXXX-Ⅲへの移行が不可能になった段階を指します。頭胚の成長も途中で止まり、旧頭部が残存し続けるため、この症状は頭詰まりと呼称されます。本来なら遷移しているはずの旧頭部を用い続けていると、SCP-XXX-JP-pの脳神経組織が劣化し、視力・聴力の低下や嗅覚・味覚障害、記憶・認知障害などが現れてきます。
ステージXXX-n/aに対しては、「既存の旧頭部を外科手術によって胴体から分離することで、破頭細胞の再活性化を促し遷移を再開させる」という治療法が有効です。この場合旧頭部は頭液に還元されないため、別途に破砕処理を行う必要があります。財団職員のSCP-XXX-JP-pに対して行われるガブラ・マーゴ術式は、この治療法を踏まえたものです。補遺1: 以下はSCP-XXX-JPの前主任研究員█氏の日記の抜粋です。一部の記述には打ち消し線が引かれていました。
推定タグ
scp-jp keter 医療 語り
・文章は読みやすく、内容は面白いか
・内容が既存のSCPと被らないか
・誤字脱字から内容まで、直すべきところはどこか
・蛇足な箇所がないか
などについてのご意見、アドバイスをぜひ伺いたいです。
よろしくお願いします。
- portal:2248261 ( 01 Mar 2020 02:32 )

拝読しました。
めちゃくちゃ胡乱なリーフレットの文面の時点でかなり好みですが、補遺の駄目押しも上手く効いていて面白いです。現状のままでサイトに投稿して良いと思います。
一点、説明部の
>そして最終的に、SCP-XXX-JP-Aはそのような人間を殺害し、もれなくその首を切断します
の部分は、「殺害し切断」でなく「切断し殺害」の方が自然かと思います。また、この文は後の情報のネタバレ感があるので削除しても良いかもしれません。ただ現状でも展開の起伏は十分ですし、記述の正確さを優先してそのままで良いかなとも思います。
ご指摘ありがとうございます。
該当部を訂正しました。
いかんせんSCP-XXX-JPの内容が長めなので、最後まで読む興味を保たせるために先に結末を提示し、その上で「なぜ首なのか」という疑問を残すことでSCP-XXX-JPの全文に目を通してもらおう、という考えでこの順番にしていました。とりあえずはこの順番のままでいこうと思います。
メタタイトルを「頭、大丈夫?」から「ずづまり」に変更しました。引き続きご批評お願いします。
拝読しました。
内容
「頭詰まり」という現象はビジュアル的にも奇妙ですし、ホラーらしくていいなと思います。更に、自己同一性の揺らぎから来る不安という点からも掘り下げができそうです。しかし、それに付随するストーリーの部分が「頭詰まり」という現象の良さを殺している感じがします。
現状のストーリーは汎用性の高い"要注意団体の陰謀"をメインにしたものです。これはその要注意団体の魅力や葛藤を使って面白くするものであり、異常性のクリーピーさを押すようなものには不向きです。この場合、現象に理由や原因が付いてしまって怪奇性が失われちゃうのももったいなく感じます。この現象を実際に起きる形にして記事の展開をジメっとしたホラーへ発展させていくと、よりこの記事の個性が出るんじゃないかなと思います。
上でHasuma_S氏がおっしゃっていることとほぼ同じになるのですが、私は現状を酷く勿体無いと思います。
というのも、頭詰まりという異常のビジュアル的、同一性への不安的な面白さは、かなりいいものだと思います。しかし率直にいって、関わってくる謎の組織やバッグストーリーが、すべてを台無しにしてしまっているように思えました。
私からの提案として、まずは謎の組織要素を全部消してしまうことを挙げます。その代わり、歯のように生え変わる頭という一部の人間に起こる異常現象があり、それ自体がSCP-xxx-JPであるという設定にしてしまい、展開として頭詰まりに相当する不調が生じているため財団がそれを捕捉するに至った、というものはいかがでしょうか。
とにかくビジュアルや頭が生え変わることによる不安感のようなものがこの記事のメインなので、それをよりダイレクトに伝え、メイン以外の余分な要素は全て削ぎ落としてしまうくらいの勢いでいいと思います。
お2人とも、ご指摘ありがとうございます。まとめて回答したいと思います。
①は確かにおっしゃる通りの効果は期待できそうです。ただ一方で「実は本当のこと」と言うオチはありきたりな感じがするのと、チラシが説明のためのご都合主義的な要素に見えてしまう可能性は否めないかと思います。伏線などを仕込んで、ここら辺をうまくカバーできると記事のクオリティは上がっていくかと思います。
k-calさん、ご指摘ありがとうございます。お二人のご意見を受けて、大幅に内容を変更しました。
旧verは要注意団体の存在やコールセンター周りの設定など「らしい」要素を盛り過ぎて散漫になってしまったので、新verではひたすら逃げ場のない、閉塞した雰囲気を貫くことを目指しました。
引き続き様々な視点からのご批評をお待ちしています。
あと3日程で投稿しようと思っています。
それまでの間、様々な視点からのご批評をお待ちしています。
SCP-2488-JP 「ズヅマリ」として投稿しました。ここまでご批評くださった皆さん、本当にありがとうございました。