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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの一般家庭への配達を阻止するため、機動部隊ほ-4("クロヤギ郵便局")は全国の郵便物を検閲し、SCP-XXXX-JPを回収してください。回収されたSCP-XXXX-JPは、██博士が内容を確認した後に焼却処分されます。SCP-XXXX-JP曝露者の発生が確認された場合、現地フィールドエージェントによって直ちに身柄を拘束してください。
説明: SCP-XXXX-JPは普通郵便にて日本国内の一般家庭宅に不定期に送付される、赤い便箋です。SCP-XXXX-JPには毛筆で1つの単語だけが書かれています。SCP-XXXX-JPを宛先の人物が読んだ場合、その人物はSCP-XXXX-JPの異常性に曝露します。曝露者はSCP-XXXX-JPに書かれている単語に異常な執着を持つようになり、殺人・暴力等を忌避しない反社会的な思想を抱きます。多くの曝露者は人格が変化しますが、仕事・学業などは円滑に行うため、曝露者の早期特定は困難です。また、郵便局員や財団職員など、SCP-XXXX-JPの宛先でない人物はSCP-XXXX-JPの影響を受けません。SCP-XXXX-JPは異常性の無い一般的な封筒に封入されていますが、差出人の情報は記載が無く、差出人を特定する試みは現在までに成果を得られていません。
19██年█月██日、沖縄県西表島における連続飼い猫殺傷事件の犯人宅より「イリオモテヤマネコ1」と書かれたSCP-XXXX-JPが発見されたケースが、財団が把握するSCP-XXXX-JPの最初の事例です。当初、この事件は財団の興味を引きませんでしたが、同年██月██日、沖縄県国頭村にて漁船12隻が破壊された事件の犯人宅より「アカウミガメ2」と書かれたSCP-XXXX-JPが発見された事で2つの事件の共通点が明らかとなり、現地フィールドエージェントによって異常性が解明されました。
20██年█月██日、███博士によりSCP-XXXX-JP曝露者へのインタビューが行われました。曝露者の主張の典型的な例が記録されているため、SCP-XXXX-JP担当者は必ず録音記録を確認してください。
インタビュー記録: 20██/██/██
対象者: ████氏
インタビュアー: ███博士
概要: ████氏は19██年から20██年にかけて北海道で発生した連続新生児誘拐事件の犯人として逮捕・収監されている。████氏の自宅からは3歳から9歳までの合計6人の児童が発見・保護されたが、全員が日本語会話能力を持たず、当初████氏は教育を放棄していたと判断された。しかし、その後全ての児童がアイヌ語3による会話能力を持つ事が判明。再度の家宅捜索により「アイヌ語」と書かれたSCP-XXXX-JP-1が発見され、████氏の身柄は財団に移された。インタビューは財団言語学チームの███博士が担当。
<録音開始>
███博士: こんにちは。いくつか質問をさせて頂いてもよろしいですか。
████氏 : 構わんよ。
███博士: 何故あなたは、6人もの新生児を誘拐し、アイヌ語による教育を行ったのでしょうか?
████氏 : 何度説明させるつもりだ。文化保護のためだ。
███博士: 文化保護?
████氏 : 知らんのか。アイヌ語という文化は今、消滅の危機に瀕している。明治時代には北海道全域にアイヌ語の話者がいた!それが、[編集済み]の無能どものおかげで、今じゃ母語話者はほとんど0人だ!誰かがやらなければならんのだ。誰かがやらなければ、この世からアイヌ語という文化は無くなるのだ。
███博士: 私も、そういった事実は把握しています。しかし、何故このような非合法かつ暴力的な手段に出る必要があったのでしょうか。あなた以外にも、アイヌ語保存活動を行っている人は沢山いますよ。例えば、多くのNGOがアイヌ語の勉強会を主催しています。そういった活動に参加される選択肢は無かったのですか。
████氏 : 呆れた能天気さだ!お前にとっての言語とは、週に一度の勉強会だけで使うものなのか。違うだろう。他の言語の話者が、保護とお勉強のためだけに学ぶようになった時点で、その言語は滅んだも同然だ。お前たち偽善者も、本当は分かっているだろう。試験管の中でだけ存在する文化に、価値など無い。わしがやった事以外に、本当の意味でアイヌ語を残す手段は無いのだ。お前らはそれを分かっていながら、行動する勇気が無いのだ。だから、わしがやった。誰かがやらなければならんのだ。
<録音終了>
付記1: ████氏は20代の女性であり、SCP-XXXX-JPによって大きく人格・口調が変わっています。
付記2: 「誰かがやらなければならない」という語句は、曝露者の多くが好んで繰り返し使用しています。
補遺1: 20██年以降、国内のほぼ全ての手紙が財団職員によって検閲可能となり、SCP-XXXX-JPが一般家庭に配達される事例は殆ど無くなったと見られています。北海道連続新生児誘拐事件の重要性を鑑みて対策人員が増員された事と、日本国内で手紙を送る習慣が衰退し手紙の数自体が減りつつある事が主な要因です。これを踏まえ、██博士よりSCP-XXXX-JP送付元特定プロジェクトの予算減額が提案されました。
補遺2: 20██年█月██日、財団宛にSCP-XXXX-JPの発送者からと思われる郵便物が届きました。内容は1つの単語では無く通常の手紙となっており、異常性は無い事が確認されています。内容については下記を参照してください。
偽善者どもへ
貴様らには失望した。政治家や警察の無能どもとは違うと、少しでも期待したわしが馬鹿だった。
貴様らのやる事とわしのやる事と、何が違うというのだ。地球と人類のため、大きな目標のためには、人権や法律など多少無視しなければならんのだ。本気で何かを保護するというのは、そういう事だ。財団とやらはそれを分かっていると、少しは期待していた。
だが、貴様らは自分と似たような事をやる者がいるのは気に入らんらしい。貴重な文化や、気の毒な動物たちも見殺しにする気のようだ。残念だ。しかし助けを求める者がいる限り、この活動が終わる事は無い。
今後、貴様らの妨害が同じようにうまく行くと思うな。誰かがやらなければならんのだ。
補遺3: 補遺2を受け、██博士の予算減額提案は撤回されました。
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:2165171 (09 Jun 2020 11:32)
前々から漠然と考えていた事を形にしてみました。
致命的なネタかぶりが無ければ、是非投稿まで持って行きたいと考えております。批評よろしくお願いします。
読ませていただきました。
内容としてはシンプルに強制力を持つ手紙、といったところですね。付随するキャラクターの感情が主体となる記事に思えました。
全体としては手堅くまとまっていると思います。話の流れも破綻なく、感情の流れもスムーズですね。ただ、その分スムーズにいきすぎている印象がありますね。キャラクターの感情が共感しやすく、それが原因であることを簡単に察せられるのが原因だと考えます。過激な方向に走る感情というのは分かりやすいので、もう少し歪に、むしろ冷静さを出させてみたりすると物語的な面白さが出てくるかもしれません。
ただ、Rhapsodyyyyyyさんのスポイラーではむしろそこよりも"財団が保護すべきものとは何か"といった部分に主題が置かれているようですね。そこに繋がる道として割り切るのであればアリだとは思います。その場合はオチの増強が求められるでしょう。
Rhapsodyyyyyyさんがどういった方法を選ぶかは分かりませんが、あまりセリフや言葉としての対応を見せると少し陳腐な方向に行ってしまいそうな予感があります。オブジェクトが感情的に責めてきているため、財団の側は理性的に対応すれば対比となり、記事全体が引き締まるのではないでしょうか。"保護"という言葉が孕むエゴを表現するのもありでしょう。個人的には冷静に財団の役割を理性的に推し進める方が好みです。
また、全体的に少々装飾が過剰です。物語ではありますが、報告書でもありますので主観的、抽象的な表現は避けるべきでしょう。
以上、細かく個人的な意見でしたが記事作成の一助となれば幸いです。
ご批評ありがとうございます。
おっしゃる通りで、登場人物の感情が主題であり、オブジェクトの概要だけでは何にもならない記事だと思っています。
まず、細かい点として指摘いただいた分はすべて修正いたします。確かに便箋だけが異常性を持つのであれば、便箋をSCPとするのがスマートですね。
他の部分ですが、オチは増強できたらしたいとは思いつつも、やはり中盤のインタビュー記録あたりは見せたい部分なので、単なるオチへの道筋にするのは避けたいです。
とすると、その部分の増強が必要なわけですが、私の力だと簡単にはいかない部分があります。差出人のおじさんのキャラクターを変えてみましょうか…。
もう1つ、アイヌ語事件と同等のインパクトを与えられるようなエピソードを思いつけばそれを足すのも良さそうですが、やはり私の発想力だとなかなか難しそうです。
すみませんが中盤の増強に関しては少々考えさせてください。
必要性は感じつつも、良い案が浮かばないのに無理に何かを足す事態は避けなければいけないと思うので…。
また、「滅びつつあるものを本当の意味で守るためには人権を気にしてはいられない」「財団の大いなる力をSCP以外の保護に使えないのか」という2つの主張がこの記事にはあるのですが、
後者を主題として捉えられたという事ですよね。
タイトルとオチが後者なので、そういう形になるとは思うのですが、それでもう1つがぼやける位なら、思い切って前者に絞るか、タイトルを変えて前者に寄せてしまうのもアリかも知れませんね…。
悩みは増えてきますが、いただいた事項を何とかする必要性は感じていますので、一旦週末までに直せるところを直して、週末の定例会に出してみようかと思います。
ありがとうございました。