ある研究員の報告書
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- portal:2165171 ( 09 Jun 2020 11:32 )

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From. 楢崎研究員 <███████@foundation.or.jp>
To. ██博士 <███████████@foundation.or.jp>
CC. サイト管理者████ <██████████████@foundation.or.jp>
Subject: 新発見未収容SCPについて██博士
お疲れ様です。第1研究課の楢崎です。かねてより私が調査を行っていた人型オブジェクトについて、報告書の草案を作成いたしました。
精神影響特性を持ち、敵対的な挙動も見られる事からKeter級分類の可能性も十分にございます。
早急な確保が必要です。添付の報告書をご確認頂き、確保計画の立案を許可頂ければと思います。以上、よろしくお願い申し上げます。
オブジェクト番号: 未定
オブジェクトクラス: Keter(推定)
特別収容プロトコル: 確保計画立案前につき未記載
説明: SCP-XXXX-JPは頭がパンで構成されている人型実体です。身長は平均的な人間と同程度ですが、頭部が異常に大きく、三頭身ほどの歪な体型をしています。また、掌に指が存在しない、首が存在しない、原理不明の異常な飛行能力を有するなど、複数の非人間的特徴を有します。SCP-XXXX-JPは「正義の味方」を自称しており、表面上財団に敵対的ではありません。しかし、SCP-XXXX-JPの実施する善行には弱者の救済、悪人の制裁といった一般的なものの他に「飢えた者に自身の顔面を食べさせる」という異常な行動が含まれています。
SCP-XXXX-JPの特筆すべき異常性は、その精神影響能力です。一般人、特に子供はSCP-XXXX-JPを「真の正義の味方」と信じ、その異常な外見や行動を許容します。また、SCP-XXXX-JPを批判する人間を拒絶します。児童養護施設周辺にて調査を行った所、殆どの児童がSCP-XXXX-JPに関する否定的な言及に対して泣き喚く、逃げ出すなどのヒステリックな反応をしました。
SCP-XXXX-JP-1はSCP-XXXX-JPに対して否定的な言動を行った者の周囲に現れる、敵対的な人型実体です。SCP-XXXX-JP-1はSCP-XXXX-JPとの関係性を否定しますが、SCP-XXXX-JP又はその信奉者からの呼び出しを受けて出現すると思われます。SCP-XXXX-JP-1は平均的な人間と同等以上の身体能力を有し、集団で現れるため抵抗は困難です。
インタビュー記録・XXXX-01
実施場所: 埼玉県████市 ████デパート屋上
実施経緯: 楢崎研究員がフィールドワーク中、偶然SCP-XXXX-JPに遭遇した。対象は敵対的挙動を見せなかったため、インタビューを敢行。尚、本インタビュー時のSCP-XXXX-JPは地面に対してうつ伏せの体制を保っており、背部に子供用の椅子のようなものを乗せていた。<録音開始>
楢崎研究員: こんにちは、SCP-XXXX-JP。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!
楢崎研究員: あなたは、何故ここにいるのですか。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!お金を入れてね。お金を入れると、僕に乗って遊べるよ。
楢崎研究員: 収入を得るために、ここにいるという事ですか。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!
楢崎研究員: 質問に答えて頂けませんか。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!お金を入れてね。お金を入れると、僕に乗って遊べるよ。
楢崎研究員: …質問を変えます。あなたは、何を目的としてこのような活動をしているのですか。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!
楢崎研究員: 質問に回答してください。SCP-XXXX-JP。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!お金を入れてね。お金を入れると、僕に乗って遊べるよ。
楢崎研究員: SCP-XXXX-JP、あなたが児童に対して精神操作を行っている事を、私は把握しています。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!
楢崎研究員: 私の言っている事が理解できていますか。SCP-XXXX-JP。
SCP-XXXX-JP: ぼく、アンパンマン!お金を入れてね。お金を入れると、僕に乗って遊べるよ。
<録音終了>
補遺: 上記インタビューの実施後に3体のSCP-XXXX-JP-1が出現、楢崎研究員をSCP-XXXX-JPから引き離した。SCP-XXXX-JP-1は楢崎研究員を「不審者」と呼称し、二度と████デパートに近づかない事を強要した。
From. ██博士 <███████████@foundation.or.jp>
To. サイト管理者████ <██████████████@foundation.or.jp>
Subject: 楢崎研究員についてサイト管理者████殿
お疲れ様です。██です。楢崎研究員のメールをご覧になられましたか。
断言しますが、彼は大変優秀な職員でしたし、仕事中に冗談を言うような男でもありません。
ただ、最近はかなり精神的に疲れていたようです。
私の判断で、危険なオブジェクトの担当にしたのが良くなかったかも知れません。
残念です。
From. 楢崎さん <███████████████@docomo.ne.jp>
To. █████ <███████████████@softbank.ne.jp>
Subject: うまくいったと思うたぶん、うまくいったよ。
きっと博士もサイト管理者も、僕が狂ってしまったと思ってる。
これでしばらく療養生活を送る事になるだろう。復帰しても、きっと閑職に回される。
こうするしか無かったんだ。このままこの仕事を続けていたら、本当におかしくなってしまうよ。
毎日のように命の危険に晒されて、Dクラスとはいえ同じ人間が死ぬ所を見せられて…。
辞めたいなら記憶処理を受けて、財団に入ってからの事は全部忘れろだなんてひどすぎる。
君との思い出を持ったまま職務を離れるには、詐病しかなかったんだ。たまには見舞いに来てね。愛してるよ。
行動がおかしくなった時点で、インシデント疑いで精密検査され適切な処置がされると思うので、この程度の詐病は通用しないと思いました。
批評ありがとうございます!
整合性に関する事でしょうが、それは
【1】話の根幹には関わらないがちょっと気になる~【5】話が成立していない
の5段階評価ではいくつですか?
5だと思います。
最後のメールが、発信される前に検閲されるかと。
ちょっと改稿しました。
(メールの送受信者名を変更、最後のメール本文を変更)