異常な町で、この領域内で睡眠を行った者は即座に血と泥の混合物に置換される
財団発見時点で町民全員は失踪しており、町中からは泥と血の混合物が発見された
これは、領域内で睡眠を行った人物に引き起こされる異常性に由来するものと推定される
(検査の結果、実際に町の住民の血液であることが判明した)
また、町の中央には崩落した塔状の建造物が存在している他、
ほとんどの建造物は解体されて当該の塔を建築するために消費されていた
(塔は崩落していない方が、読み手にオチを想起させなくてよいかも)
(塔が崩落したのではなく、小さな町程度の技術ではそれ以上高くできなくなった)
最後の町民が残した手記が回収され、町が滅ぶ数日間の記録が記されていた
なお、町自体は数日前から連絡が取れなくなっており、それを基に財団が調査をした結果発覚
しかし、音信不通となったのが数日程度であったにもかかわらず、日記の内容は
町が孤立してから数週間もの期間の出来事を綴り続けていた点には留意すべきである
日記によると、ある日を境に泥に沈む行く町の夢を町民全員が経験するようになった
また、夢中で泥に埋もれていた場所で睡眠を行っていた者は全てが奇妙な死を遂げていた
さらに、町の外へ出ようとしたものも境界線上で泥と血の混合物に即座に置換された
(これについては、一度でも夢で泥沼を見た者が対象となるのだが、
財団介入時では眠れば即座に死亡するような状況で、実質無意味な幽閉性質になっている)
どうやら、現実の経過時間に比例して、夢中における泥の水位も高くなっていき、
現実で睡眠を行った時点で「現実の睡眠位置が、夢中での泥の到達地点より下回っていた」場合に
現実で泥と血の混合物となって消滅してしまうようだった(正確には、夢中で泥に完全に埋まった場合)
(泥沼に足を付けると、まるで底なし沼のように抜け出せず、そのまま沈んでいってしまう)
そのため、町から逃げることも出来なくなった町人たちは
寝ないようにしながら、築いた塔を永遠と上に延長し続ける羽目になってしまう
しかし、最終的に塔は倒壊し、住民たちは全てが泥と血に置換された
なお、塔は煉瓦やアスファルトなど、石材を積み上げて行く塊状構造となっており、
町の他の建物を破壊して材料を捻出していたと思われる
眠る者は塔の上に上り、それ以外の者は塔の下で作業を続けた
しかし、塔はある時に崩れてしまい、夢中での泥の水位は遥か頭上となっていたため
最早死を待つのみとなってしまい、そのことを手記に書いて〆ている
(手記は遺書として、塔の根元の箱に収められていた)
(筆記者が自殺したのか、最後まで残ったのか、堕逸出を目指したのか、どうなったのかは明かされていない)
手記の流れ
異常現象に見舞われて、自らの死を予見したことで遺書として書き始められる
全ての始まりはある夜の悪夢の経験からだった
自分は夜中に目覚める寝床から起きるが、著化kン的にここは現実ではないと気付く
そして何気なしに外へ出かけると、池の水が泥沼に変わっていることに気が付く
更に、その泥は徐々に水位を上げ、池から溢れ出そうとしていた
木の枝を突っ込むが、一度泥の中に入れた枝は抜けなくなって、手を離すとそのままゆっくり沈んでいった
こんな奇妙な夢を、町の皆が体験していたようで話は持ちきりだった
次の日も同じ夢を見た、またもや夜外に出て池に向かうが、そこで見たのは
機能の夢よりも池から大量の泥が溢れ出ており、周辺の低地に建てられていた建物は
1階部分がほぼ埋もれてしまっているほどだった
そして目を醒ますが、ここからが異常な状態となる
夢の中で見た泥に沈んだ建物から、住民が消え去っていたのだ
いや、正確には血の混じった泥溜まりが住人が寝床としていた場所に残されているのみだった
これについて、ある者は悪ふざけや伝染病と言ったり、またある者は池の中に悪魔が潜んでいるなど言い出す
埒が明かず、よその町に助けを求めに以降となったのだが、町を出てすぐのことだった
自分の前を歩いていた者が一瞬のうちに泥の塊となって消えてしまった
それ以上、誰も先に進もうとする者はいなかったし、同じく別の方角から町を抜けようとする者もいなかった
(あるいは、それを誰かが伝えて来て、見に行くという形でも)
その日の夜、夢で泥沼に沈みつつある場所に住んでいる者の多くは高台で一夜を過ごすことを望んだ
だが、異常を信じていない、じいさんばあさんはそのまま残ったし、
○○は兄弟を殺した悪魔を待ち伏せると言って、泥沼に沈んでいた住居で一晩を過ごすと言ってきかなかった
その夜も夢を見る、泥沼は昨日よりも水位を10cmほど上げていた
そして、嫌な予感がした通り、○○が居たらしき場所には血混じりの泥溜まりの中、
○○が携帯していたらしき刃物が転がっていた
もはや、夢の中で泥に沈んだ者が、現実で死ぬという事実を疑う者はほとんどいなくなった
それはつまり、夢の中で最後に見た泥沼の水位より、低い場所で睡眠を取ってはダメという事を意味していた
あの後、色々と調べられたようだが
動物には影響がないようで、数匹の犬に文を持たせ、町の外へと放つことしかできなかった
俺たちは助けを待つほかないが、そもそも助けが来たところで何になるのだろう
おそらく、何人かはそう思ったに違いないが、今はただ希望にすがるほかなかった
そして今日、皆は町の中で一番の高台に集まり、そこで眠った
そしてやはり夢の中、徐々に水位を増して、こちらへと押し寄せてくる泥沼をの姿を見た
今の進行であれば、おそらくは10日程度で高台へと到達することだろう
俺たちには選択が迫られていた
次の日、町長はみんなを集め、塔を建築することを発表した
材料は町の中の他の建物を壊して集められることとなった
自分の家を壊すことは嫌だが、そうも言っていられなかった
それ以外には、普段通りに畑で食物を育てる普段通りの生活であった
久しぶりに書く、最近は忙しくて
塔は材木を組み合わせて作られ、頂上部には不安定だが一度に十数人が眠れる場所が準備された
だが、それは町の全員が眠るための数としては不十分だった
なので、塔の頂上で眠る者と、塔を増築する者と、農作業を行うもの、それぞれが8時間で交代することとなった
つまり、俺の場合は1日の内、8時間を塔の上で眠り、残り16時間を塔の増築作業や食事などに当てている
無論、塔が出来た後も、常に危険と隣り合わせだ
塔の下での作業中、居眠りをした数人が即座に泥に置き換わってしまったし、
何人かは不安定な塔の上で上手く眠れず、血と泥が塔の上から降り注ぐのを何度か見た
あと、何人かはいつの間にかいなくなっていた、たぶん自殺したのか
もしくは奇跡に掛けて町の外へと出ようとしたのかもしれない
(その試みが実を結んでくれていたのなら、どれほど喜ばしいか)
気付けば、今いつの間にか町民の数は50を切っていた
しかし、初めての夢を見た日からもうどれほど経ったのだろうか?
おかしな生活をしているせいで、もはや時間感覚が狂っている
助けが来ないどころか、(元々人が来ない場所であったにしろ)この町に訪れる者も全くいない
まるで、この町だけが世界から孤立してしまったかのようにも思える
もしくは、この町以外、全て泥の底に沈んだとか? 嫌な考えばかりが過ぎる
また、泥の水位が上がる速度は最初に比べればゆっくりとなったものの、未だに留まることが無い
夢の中では、もはや塔以外の全て、地平線の先までもが泥沼で覆われてしまった
食料は皮肉なことに十分人数分が残されているが、問題はそっちじゃないだろう
俺たちはいつまで塔の増設を続けなければならない? 塔の高さは無限じゃない
きっと最後は旧約聖書のバベルの塔よろしく崩れ落ちてみんな死ぬだろうと思っていた
だけど、実際はそんな衝撃的な幕切れではなく、材料がなくなってこれ以上塔を伸ばせないというオチだ
塔は高くなりすぎて、人力で頂上まで材料を運び、それを組み立てる作業もままならなくなっていて、
明らかに夢の中を泥沼が上がって来る速度に間に合わなくなったのだ
最後まで残ったのは30人、俺たちは岐路に立たされていた
途方に暮れる中、○○が席を外すがなかなか戻ってこない
探しに行くと、見慣れた血の混じった泥溜まり、そしてその真上には木の枝に揺れる首吊り縄が垂れ下がっていた
これを見て、俺たちは全が終わりだと悟った、今更、塔を増設することはできない
俺たちは次に眠った時、一瞬にして夢の泥沼に沈み込んで死ぬのだろう
○○は塔の上に残ることを選んだ、○○は安らかに死ぬことを選んだ、また○○は一か八か、町の外へ出ることを選んだ
正直言えば、俺は自分がどうすべきなのか分からない
多分、どの道、俺は死ぬのだろう、いや本当に死ねるのだろうか?
眠ると同時に夢の中、泥に囚われ、永遠に泥底で藻掻き続けることになるのではないだろうか?
そんな不安がよぎる、この遺書は置いていく
誰かが見つけてくれれば、何か変わるというわけではないのだろう
それでも、俺たちがこの現実で泥に沈まずにいた事実を、誰か知って欲しい
どうか俺が泥沼に囚われことのないよう、救われるように祈ってくれ
ああ、これはおのれに対する慰みだ、意味のない内容だ
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%99%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%A1%94
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B8%E3%83%83%E3%82%B0%E3%83%A9%E3%83%88
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テーマ: Quagmire(泥沼、抜け出せない苦境)
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任意A任意B任意C- portal:2125181 (31 May 2018 16:09)
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