結ばずや 楽しい夢

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クレジット

タイトル: SCP-XXX-JP - 結ばずや 楽しい夢
著者: ©︎amamiel
作成年: 2020

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 全てのオンライン動画配信サイトは財団Webクローラーによって監視され、投稿されたSCP-XXX-JPを含むコンテンツは即座に削除されます。コンテンツの投稿者及び視聴者の所在地は自動的に追跡され、現場へと派遣された対応チームによる尋問・勾留・記憶処理が適宜実行されます。

説明: SCP-XXX-JPは20██/██/██に動画共有サイトYouTubeへと投稿された、"For Deeper Dreaming (loophole)"と題された動画です。この動画は1枚のフリーイラストを背景に、変イ長調の反復音が1時間半に亘って再生され続けるという内容のみで構成されます。また、動画の説明欄には"不眠症に苦しむ貴方が深い夢見へと至るためのヘミシング（BrainDrainより発掘, OW非公式）"との記載が確認できます。

SCP-XXX-JPを繰り返し視聴した中でも、特に不眠症が診断される人物の一部（以下、被験者）は、自身のREM睡眠中に経験する夢見において、正体不明の老婆が頻繁に登場する現象に見舞われるようになります。例として、ある被験者は夢の中での恋人との性行為中、窓の外に老婆の姿を目撃した他、別のある被験者は夢の中での映画鑑賞中、関連性のない老婆のワンシーンが差し込まれているのを目撃しました。

上記の老婆はSCP-XXX-JP-αと別途指定されており、夢の中では共通して洋装を着たヨーロッパ系の高貴な人物として描写・報告されます。しかしながら、被験者の大半はSCP-XXX-JP-αの顔の特徴について詳細に思い出すことができず、説明の多くには曖昧かつ抽象的な表現が用いられる点に留意する必要があります。

SCP-XXX-JP-αを一定回数以上目撃していた場合、解明されていない不明なタイミングで睡眠中の被験者は、夢中の老婆と概ね一致する外見の人型実体（以下、SCP-XXX-JP-β）による襲撃を受けます。この襲撃による被害は共通して、鈍器による頭部への繰り返される殴打という形で現れ、結果として被験者の大半は死亡するか、助かったとしても永続的な昏睡状態へと陥ります。

なお、襲撃中のSCP-XXX-JP-βは第三者に直接目撃されるか、あるいは被験者が覚醒・死亡した後に、一切の痕跡を残すことなくその場から消失します。また、襲撃の様子を記録された音声・映像からは、発生源不明な変イ長調音の混入や、残された音声・映像自体の著しい劣化や湾曲等が頻繁に出現します。

付録: 以下は、SCP-XXX-JP-βによる襲撃現象を記録した映像群の中でも、比較的良好な内容からの抜粋です。

抜粋ログXXX-JP-04

被験者: D-81XXX04

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《00:00》 数台の映像機器にスノーノイズが発生し始め、音声機器は不明な原因による機能していない。

《00:15》 数台の映像機器が機能を停止する。直後、死角となったベッドの影から、SCP-XXX-JP-βが出現する。その外見は報告されていたSCP-XXX-JP-αのものと一致するが、顔は不鮮明で一部確認できない。

《00:39》 SCP-XXX-JP-βは、ベッドで眠る被験者の顔をしばらく覗き込んでいる。また、右手にはレンガブロックが握られていることが確認できる。

《01:08》 不意にSCP-XXX-JP-βは手に持っていたレンガブロックを振り上げ、被験者の頭部を殴打し始める。

《01:57》 殴打を繰り返す中、SCP-XXX-JP-βの口元が動き続けていることが確認できる。しかしながら、音声機器の不具合のために、発生源不明な変イ長調音のみが出力され続けている。

《03:34》 緩慢な動作ながらも殴打の回数は15度に達し、被験者は既に死亡していることが分かる。

《03:51》 SCP-XXX-JP-βは殴打を中止し、再び被験者の顔を覗き込む。

《04:11》 SCP-XXX-JP-βがその場から消失し、全ての記録機器は正常な機能を取り戻す。

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終了記録: 実験後、映像の数少ない鮮明箇所に映されていた観葉植物に確認できた、ヒト発声に由来した空気振動の様子を解析することで、音声データへと変換する試みが為されました。その結果、実験室内で不明な人物による"シューベルトの子守歌"のドイツ語原詩が歌われていた事実を明らかにしました。この点を加味した上で、SCP-XXX-JPとの関連性について現在も調査中です。

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+ 気になっている点

現状、下記のような点が気になっています。

• 背景をどの程度伝えられているか、また、伝わらずとも面白いと記事になっているか。
• 背景が伝え切れておらず、想像させるにも情報が足りない場合、どのような情報が欲しいか。
• 文章的・表現的に違和感や誤りはないか。
• そもそも、記事全体として面白いと言える内容であるか。

背景について: オブジェクト自体としては、動画説明でもある通り「不眠症に苦しむ貴方が深い夢見へと至るため」の異常性を持っています。つまり、かなり乱暴な手段ではありますが、不眠症に苦しむ被験者を深い眠りへと導くというのがSCP-XXX-JP-α及び-βの目的・性質となります。（子守唄を歌っているのもそのためですね）

被験者が動画を見る
↓
SCP-XXX-JP-αが夢の中に出現するようになる
（眠らせる対象を見つけて夢の中までやって来た）
↓
目撃を繰り返す内に、SCP-XXX-JP-αが被験者に気付く
↓
結果として、現実に現れて目的を達する

というのが全体的な流れとなります。

ただし、元々の投稿者は上記のような暴力的な結果による永眠を与えるオブジェクトだと知らずに、本当に安眠機能がある動画だと信じ込んで投稿を行っていました。その背景想定としては、OWで「オネイロイ ハブ」にリンクが張られているようにその界隈が絡んでくるというものがあるのですが、今回の場合はオネイロイ要素がノイズになる可能性があると考え、メインとなる内容や異常性とは絡めていません。（場合によってはリンクを消してもと考えています）

上記の点を踏まえて、全体的にはシンプルな構成を目指していますが、そのために情報不足であったり、薄味になってしまっていないか等が気になってもいます。

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  批評コメント批評コメント

  
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  H0H0 07 Nov 2020 07:22

  このまま投稿されたらDVします。

  • 流れが陳腐である
  • 情報が散らかっている

  流れが陳腐である

  死を眠りと表現することにあやかった創作は沢山あります。同様に、ある目的を果たそうとしたが、過剰であったため不利益を被るというストーリーはSCPでは非常に陳腐なものです。この記事ではそこにもう一捻りが無いため、どこかで見たことがあるような記事に終始していると感じました。

  情報が散らかっている

  amamielさんが心配されている通り、軽く読んだままでは永遠の眠りと不眠症を一発で結びつけることができませんでした。

  その要因として、情報が散らかっている点があると思います。例えば、今回のストーリーラインにオネイロイ的な要素は面白さの点で寄与していません。むしろ、オネイロイ面で整合性を保つための「繰り返し夢の中に老婆が出てくる」点が本題の“不眠症を解消しようとする結果死んでしまう”という要素から目をそらす原因になっていると思います。

  一度、要素を整理して取捨選択するべきだと感じています。

  amamiel 07 Nov 2020 13:41

  H0H0 さん、コメントをありがとうございます。

  なるほど、展開やモチーフとする表現・組み合わせ自体が既視感を覚える内容となっていましたか。またそれに加えて、読み手へと伝えたいオブジェクトの目的が上手く書けていなかった他、自分で思っていた以上に、オブジェクトに纏わる要素自体も無駄に多くなってしまっている状態であったようですね。

  内容的にも、ご指摘いただきましたように要素を整理した上で、改めてアイデアを練り直してみようと思います。

  改めまして、ご意見をありがとうございます。
  改稿を進めて行こうと思います。

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