【メモ】醒めても悪夢

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特別収容プロトコル:

現在、新たなSCP-XXX-JPを発見・識別する手法は確立されておらず、研究が継続されています
また、対応チームによる活動は、SCP-XXX-JPの置換現象を隠蔽することに注力されます

説明: SCP-XXX-JPは、実在する人物に由来するヒト複製体群です。各実体は、複製対象となった人物（以下、オリジナル）と完全に一致する遺伝子情報・記憶・アイデンティティを有しており、解明されていない不明なタイミングでオリジナルと置き換えられます。現時点において、後述する置換現象を発生させる点を除けば、オリジナルと識別する手段は確立されていません。

SCP-XXX-JPが死亡した場合、もしくは重篤な損傷を負った場合、各実体の肉体は同体積の非生物的物質へと置換されます。しかしながら、上記以外の要因で置換現象が発生した事例も、少数ながら確認されている点には留意ください。以下はSCP-XXX-JP置換現象の発生要因と、置換された物体の1例です。

実体概要	置換概要
███ ██氏（当時74歳） 元漁師	実体は病院のベッドの上で寝かされており、家族に囲まれる中、心停止による死亡が医師によって確認された。その直後、肉体は同体質の海水へと置換された。
███ ██氏（当時36歳） 海外ツアーガイド	実体は横断歩道を歩行していた際中、信号無視の一般自動車に轢かれた。置換現象は自動車との衝突と同時に発生し、その肉体は石英を主とする同体質の砂へと置換された。
███ ██氏（当時31歳） 登山家	実体は結婚式に花婿として参加していた。式は問題なく進行していたが、実体が"誓いの言葉"へと回答を行った直後、不明な要因からその肉体は同体質の濡れた土砂へと置換された。
███ ██氏（当時19歳） 大学生	実体は大学での講義中に居眠りを行っていた。その後、覚醒に伴って驚く声を挙げる様子が目撃された直後、その肉体は同体積の煤と灰へと置換された。

SCP-XXX-JPの存在が財団よって認識・理解され始めたの19██年代からであり、当初は偶発的な肉体置換現象と考えられ、異なったナンバリングとして分類されていました。しかしながら、後発的な関連情報の獲得と、続く議論の結果、現行でのオブジェクトとして再分類されるに至りました。

世界各国のアーカイブに対する広範調査の結果は、SCP-XXX-JPと類似する肉体置換現象が18世紀以前から世界中で発生していた事実を明らかにしました。また、現在までに500体程度のSCP-XXX-JP実例が発見されている一方、その性質のために未発見個体がより多く存在すると推測され、早急な識別手段の確立が求められています。

補遺1:

20██/██/██、水中洞窟内で異常なダイバーの男性（人型実体）が発見される
ダイバーは水中に漂っていたが、生存しており、脳波の反応も確認できた
しかし、その場に固定されたように動かすことが出来ず、サンプルの回収も成功せず

人相解析の結果は、ダイバーは███氏という水中カメラマンの現存男性の10年前の姿を有していることが判明
更なる調査のため、███氏へと発見実体の存在を伏せた上でインタビューを行った

なお、インタビュー時点ではSCP-XXX-JPとの関連性が見出されていなかったことに留意

水中洞窟に行かれたことは？

ええ、1度だけですが、ありますよ、もちろん許可を得た上で

どのくらい前か、覚えていらっしゃいますか？

確か、10年くらい前だったでしょうか、まだ駆け出しの頃で無茶もしていました

その水中撮影時、何か気になることが起きませんでしたか？

気になること、そういわれましたも、あ、そういえば

何かありましたか？

ああいえ、まだ未熟だったこともあり、準備不足のせいで洞窟内で酸素ボンベが尽きましてね
辛くも空気だまりで息を吸うことが出来たのですが、そこで閉じ込められてしまいまして

なるほど、それは大変な経験をされましたね

ええ、その時はもう、恐ろしかったのなんのって

██さん？

いや、私はそういえば、どうやって助かったんだったかなって、私は確か

あの、それはどういう

あっ

[██氏の肉体が海水に置換される]

補遺2:

監視カメラは、インタビューが終了した時刻ちょうどに洞窟内の実体が覚醒するのを撮影した
対象は通常通りの酸欠によって悶える様子を見せた
即座に対応チームが対象の回収を試みたが、治療の甲斐なく窒息死した

今回の事例から、SCP-XXX-JPが死の淵にある遭難者の複製体であるとする説が提言されましたが
ケーススタディーが少なく、最終的な結論は保留されています

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