ODSS in the case 「荒地」

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書きたい事:マクリーンの過去 2001年から概ね2011年までの軌跡をダイジェスト風に描く。

やりたい事:マクリーンの過去にアングルトンの過去とエリオットの詩のイメージをダブらせる

物語の黒幕とその目的

黒幕はジャック・バード。

マクリーンの友人であり、国防総省に所属している。
バードはデューイ・クラリッジが築き上げた民間スパイ網を手に入れ、更にマイケル・ファーロングを用いてCIA退職者と特殊部隊退職者の多くを取り込み、全国的なスパイ網を完成させようとしていた。
理由はアメリカ版「人類の制憲権」に対する抵抗運動である。物語のオチはここになる

トリックに「トップシークレット・アメリカ」の要素を使う

トップシークレット・アメリカとは、収集した情報の多くを機密指定する事により、その精査が遅れ、情報が古くなり、結果的に対テロ施策が大きく遅れを取ってしまうと言う現象である。

諜報組織の子機関・孫機関、あるいは民間への諜報員の流出によって肥大化したスパイネットワークにより取得すr情報量が増えるが、その取り扱いによってアメリカは対テロ戦争に大きな遅れを取った。

この物語の黒幕はこの構造を利用し、自らは有用な情報をいち早く手に入れ、それを機密ファイルに放り込む事によって、国家の情報機関よりもスピーディに自らの目的を達成する事ができる。

正規のスロットに登録されていないオブジェクトと

SCP-4004をオチに使用する。

SCP-4004

ノウスフィア操作により、一つの物事の認識操作を行うオブジェクト。

非正規オブジェクト「死者たちの腕」

1990年の湾岸戦争時、アメリカ軍は塹壕に篭るイラク軍兵士をブルドーザーで「生き埋め」にした。
その折り重なった650人ぶんの死者の怨念が篭った腕。

SCP-4004は死者の想念を受け入れるが、これを持ってSCP-4004の前に立つ事により、固定観念や事前情報などを覆すミーム効果を持っている。イラク戦争時にMC&Dがイラク国境地帯を発掘して入手した。
その取引の見返りとなるものは、イラクでの行動を黙認する事であった。

黒幕はこれを使い、SCP-4004に対して「アメリカと言う国家の終焉」を宣言しつつ、そのために自らが抱えるスパイネットワークの不可視化をさせようとしていた。

登場人物


主要キャスト

※マクリーンとマクリーンをハメた愉快な仲間たち

グレアム・マクリーン

CIA所属 SAD(特別行動部)に配属された、ケースオフィサーであり、対テロ戦争を戦う。
アフガニスタンのジョー・ブレイカー作戦、ビンラディンの捜索などを行う。
イラク戦争後はイラク国内を捜索するが、果は上がらず、彼はそこで母国と、そして友からの裏切りを受ける。
裏切りののちにシリアへと送られ、拷問を受ける。その後、アメリカのブラック・サイトを転々とする。
ポーランドのスタレ・キエクティ収容所で財団エージェントと接触、財団職員となる。

ジャック・バード

国防総省情報組織ISA所属。マクリーンとは長年の知己である。
国防総省の情報作戦に於ける「シェア」を拡大すべく、マクリーンを罠にかける。
彼の最終的な目的は、オブジェクト群を効率利用してアメリカの国益を最大限に拡張する事である。
そのために国内的な抵抗組織を作り、財団を無力化しようと考えていた。

ガルシア・サイモン

SAD所属の作戦部長。中東に於ける財団との連携を行う窓口の役目を果たしていた。
アブグレイブ海軍刑務所でオブジェクトの取引のため、局員に蛮行を行わせる。
バードに女性関係の弱みを握られており、実質的にバードの傀儡となっている。

デイビッド・グレイ

CACI International Inc情報・軍事部門から派遣されてきた男。
元CIAエージェントであり、拷問術に長ける。

ジョナサン・ドゥ

MC&D営業担当 アブグレイブ内部のオブジェクトを引き取りに来る。
偽装身分は民間軍事会社「ウォー・トラッカー」

厳父オールドマン

CIAのネットワーク上に現れた、非国家アクター。
CIAの機密情報に容易くアクセスし、常にCIAエージェントの裏をかく。
なお、厳父は財団の情報ネットワークにもアクセスしており、オブジェクトの情報をも得ていた。
主犯格はCIA高官と見られているが、その足取りを一切掴ませない。
その正体はジャック・バードである。


脇役の悪人たち

〝D〟ことデューイ・クラリッジ

元CIA運用担当官。
1980年代にイラン・コントラ事件に深く関与し、また1986年にCTCを設立した。
1990年代にCIAを退職、その後エクリプス・グループと呼ばれる民間諜報機関を設立した。
2010年まで米国政府から報酬を受け取っていた。
なお、彼は後述のマイケル・ファーロングとの提携を行なっていた。

マイケル・ファーロング

CIA退職者を組織化し、民間人によるスパイ活動を行う「ビジネス」を提案する。
ジョー・バードの「シェア拡張計画」のビジネスパートナーでもある。
親父さんオールドマンの仇名で呼ばれる。
2010年の時点で失脚、なお彼は厳父オールドマンとしての容疑がかかっていた。

コーファー・ブラック

CTC局長。アフガニスタン及び全世界規模での、アメリカの対テロ戦争を指揮した。
彼はエリック・プリンスの後援者としても知られている。

エリック・プリンス

自称〝十字軍騎士〟。
元ネイビーシールズ、民間軍事会社ブラックウォーター創設者。
イラクでオペレーターが民間人を射殺するも、責任を取らずにアメリカを去る。
MC&Dとはイラクのオペレーターを通じて取引を重ねていた。


ゲスト

コールマン

パキスタンに於いてムザーム(抵抗の意)と呼称された民兵集団を率いていた。
主任務はイスラエルに対する武力行使を伴う抵抗活動だが、アル・カーイダとの繋がりを持っていた。
イラク占領時代はイラク国内で活動しており、マクリーンを暗殺しようとするが、失敗。

「海神の槍」作戦以降米軍に捕縛され、ポーランドのブラックサイトに収容。
そこを訪れたマクリーンに、雇用される。


プロット

2001 ヴァージニア州 CIA本局

マクリーンは、CIAの中東担当官として職務に当たっていた。
彼の担当は中東の情報を仕分ける事であり、彼はその事に不満を覚える。

1996年のクリントン政権以来、CIAの人員の多くが解雇されていた。
その結果、中東圏に存在していた現地エージェントも手放さねばならず、マクリーンはこれを、米国の危機管理体制に対する重大なセキュリティ・ホールだと考えていた。

事実、2000年には米駆逐艦コールに対する自爆テロがイスラム原理主義者の手によって実行された。

マクリーンは新たな現地エージェントを新規開拓する必要があると考えていた。アメリカが中東でなんらかの作戦を行う前に、戦争になる前にそれを行う必要があった。マクリーンには自信があった、彼は驚異的な映像記憶の持ち主であったし、独自のヒューマン・ダイナミクス理論を持っていた。

彼は自身をイラン大使館付きのケースオフィサーに志願するが、ガルシア・サイモンから「情勢的に難しい」という理由で断られてしまう。

マクリーンは同期のバードとランチを取りつつ、愚痴をこぼす。
バードは気晴らしに、趣味のタロットで自分たちの未来を占う。

出たカードは「塔」の正位置だった。
もう一度占う、同じく出た結果は「塔」

その後、二人に9.11発生の知らせが舞い込む。

2001年9月12日マクリーンはCIAの訓練施設「ファーム」に送られ、本格的な軍事訓練を受ける。
そして、ガルシア・サイモンとともにSADに配属された。

マクリーンはアフガニスタンに於けるHUMINT作戦「ジョーブレイカー」への参加を志願するが、それは却下される。二週間の訓練ののち、マクリーンは「ジョー・ブレイカー」が成功したことを告げられる。

訓練を終えたマクリーンは、奇妙な命令を受けた。

SADは密かに、準軍事組織を早足で作り出そうとしていた。
そのためのリクルートを、マクリーンが行うべしとの命令だった。

マクリーンはCIAは海兵隊をはじめとした特殊部隊の退役者からなるコミュニティにアクセスを始めていたが、そこで奇妙な噂をききつける。コミュニティに奇妙な軍人風の男が現れ、退職者達をリクルートしようとしているという噂だ。その男の足取りは未だに掴めていない。

さらに、この男について調べようとすると機密の壁がたちふさがる事にも、マクリーンは気づいていた。

彼は密かに、退職したCIA局員から、かつて彼らが保持していた資産アセットについての情報を得ていた。しかし、マクリーンはその情報を収集する事が徐々に難しくなっている事に気づいていた。

退職した職員達の何割かは硬く口を閉ざした。

彼らの多くは民間企業に再就職しており、それは軍事・諜報部門を抱えた民間軍事会社だった。

元職員達は口々に「〝D〟に口止めされている」と語った。
それは、元運用担当官であるデューイ・クラリッジに他ならなかった。

そして、CIA退職者のコミュニティにも変化の兆しが現れていた。

彼らの中には連絡が取れない者も多く存在していた。
同僚達は口々に「国防総省がCIA退職者を集めて何かをしている」と噂していた。

「この戦争は、今までアメリカが体験したものとは大きく違っているのではないか」

違和感を抱えるマクリーンに辞令が降りる。
それは、CIAパキスタン支局への転任を伝えるものだった。

マクリーンはパキスタンで、かつての退職者が保持していた僅かな資産アセットを活用しつつ、地道な足場固めを行なっていた。既にアフガニスタンでの戦いは終結し、ウサマビンラディンの足取りは依然として不明のままだった。そこでマクリーンは、アセットの一人である女性を訪ねる。しかし彼女は既に殺害された後だった、そこを民兵が急襲する。リーダーの一人は白人であり、その事に驚くマクリーン。

辛くも民兵からの手を逃れたマクリーンは、彼らをの全容を調べる。
不自然な事に、情報提供者は国防総省だった。
抵抗ムザーム」は、コールマンをリーダーとした民兵集団である。
彼らは1ヶ月前、イラクとクゥェートの国境地帯で何かを発掘していたところを親衛隊に攻撃されていた。
その目的は不明。国防総省からの情報により、彼らがアジトとしていると思しき場所の座標が判明する

マクリーンは兵力を伴いハーラン砂漠へと急行する。彼がそこで見たものは、二つの太陽が上る奇妙な領域だった。民兵達はそこをアジトとしていたのだ。

マクリーンは知らなかったが、そこは未解明領域 UE-731552と呼ばれる場所だった。
民兵の多くはそこにキャンプを張り、子供や老人達と共に暮らしていた。

攻撃を躊躇うマクリーン、だが民兵達はそういった非戦闘員を盾にしつつ攻撃を加えてくる。
マクリーンの隣にいた隊員が倒れ、マクリーンは攻撃を実行する。

その結果、多くの非戦闘員は死亡・拘留され、リーダーのコールマンも同じく捕らえられる。

コールマンは言う「お前ら、国防総省の人間じゃないのか?」

怪訝に思うマクリーンがコールマンに質問しようとした瞬間、所属不明の部隊が奇襲攻撃を仕掛けてくる。
装備の質から見て一線級の部隊であり、マクリーンはそれをJSOC所属部隊であると看破する。
制圧されるマクリーン、そこへ本国で別れたはずのジャック・バードが現れる。

彼は国防総省のインテリジェンスコミュニティ、ISA所属のエージェントだった。
ISAは次々にキャンプの住民を拘束し、トラックへと放り込んでいく。

その顔ぶれの中には、マクリーンが訪問したCIA退職者の多くがいた。
マクリーンはそこで、CIA退職者のリクルートを行なっていたのが国防総省であると直感する。

バードは「混線」が起きてしまった事を謝罪し、マクリーンを釈放する。

バードはコールマンを預かると言い出す、マクリーンはそれに反対できず、バードを見送る。

支局へ帰還したマクリーンは、民間人を虐殺したかどでガルシアに詰問される。
そして、再び本国へと送り返されるのだった。

2003年 シリア

本国へ呼び戻されたマクリーンを待ち受けていたのは、国家間秘密輸送任務だった。
テロリストと思しき人間を国境や空港で拘束し、そのまま同盟国のブラックサイトへと輸送する。
そこでマクリーンはCIAの強化尋問テクニックを仕込まれる。

拘禁と拷問、暗闇の中でそればかりを繰り返す日々が続く。

ビンラディンの足取りは不明であり、対テロ戦争はいつ終わるとも知れぬ暗黒の淵にさしかかっていた。
アメリカ軍はイラクへと侵攻し、短期間でイラク首都を占領した。

マクリーンにさらなる転任の辞令が届く。

イラク内部のテロリストの搜索命令である。

マクリーンはその暗黒の淵で、人ならざる怪異を目撃する。
そこで彼は、世界の裏側に潜む超常存在に気づくが、彼はそれを自らの狂気の産物だと結論づける。

また、マクリーンはそこでも「召集された退役者たち」を見つける事になる。
ブラックウォーターをはじめとした民間軍事会社は、容赦無く民間人に発砲し、問題を起こしていた。
民間軍事会社は連合暫定当局命令第17号により、イラクの法律の範囲外に置かれていたためだ。

マクリーンはブラックウォーターのキャンプを訪れ、そこでCEOのエリック・プリンスと後援者のコーファー・ブラックと会見を行う。そこでマクリーンは、国防総省がどこまでCIAに触手を伸ばしているのかを確認する。

彼は言う
兵士ソルジャー間諜スパイの境界線は既にない」と。
「知りたいなら、厳父オールドマンに尋ねればいい。君はきっと、彼には会えないだろうが」と。

マクリーンは、ブラックウォーターがテロ拘留者をどこかに送っている証拠をプリンスに突きつける。
そして、その人員の送り先を訪ねるが、プリンスはさらに答える「彼らもまたCPA17の下にある、知らないのか?」と。

米国大使館へ戻ったマクリーンに更なる任務が告げられる。
アブグレイブ捕虜収容所で、捕虜の尋問に当たるようにと。

そこでマクリーンは、この世の地獄を垣間見る事になる。

だが、マクリーンはそこに出入りする業者に不信感を抱いていた。
なぜなら、周囲の警備を請け負っていたものの中には、民間軍事会社を装ったJSOCの部隊が居たからだ。

「この刑務所はCIAだけではなく、ISAの管理下にもある。だが、彼らは何をしている?」

刑務所から、毎晩何人かが連れ出され、地下にに生き埋めにされていると言うまことしやかな噂もあった。

さらにマクリーンは、CIAエージェント達の間で交わされる奇妙な噂を聞いた。
「厳父が見ている、厳父が聞いている」

厳父オールドマン

その男はCIAのネットワーク上に現れた非国家主体であり、ビンラディンと同様に危険視されている。
おそらくその男はCIAの上部ネットワークにアクセスできる立場の人間だと思われた。
この男が意図的に情報をテロ組織に横流しし、そのためにアメリカ側はテロリストを逃しているのだと。

マクリーンは、エージェントたちの間に相互不信が育っている事に気づいて居た。
誰かが裏切っている、誰かが自分をスパイしている、誰かが誰かを売っている……

マクリーンは、刑務所でISA側が何かを待っている事を掴んだ、
この刑務所でなんらかの取引が行われる予定なのだ。

マクリーンは辛抱強く待ち、取引の現場を抑えようとする。

そこでマクリーンは、3人の男を見た。
一人は、アメリカ政府からマークされているMC&Dの男。
そして今一人は刑務所の管理企業であるCACIの一員ジョナサン・グレイ。
そして最後の一人は、ジャック・バードだった。

しかし、マクリーンの行動は露見しており、彼はそこでCACIのジョナサン・グレイに拘留される。

かつて自らが行なってきた強化尋問技術を自ら受けることとなるマクリーン。
彼は薄れゆく意識の中、かつて自らは何であったのかを思い出そうとしていた。

マクリーンは本国へは送還されず、各国のブラックサイトを「転送」され続けた。

そこで彼は「厳父オールドマン」について尋問を受ける。

アブグレイブで行われていた事は秘密作戦であり、その中で奇妙な動きをしたマクリーンは
「厳父」のネットワーク下に存在する人間だと目されていたのだ。

否認を続けるマクリーンは日々拷問を受け、サイトの間を転送され続けた。
生死を彷徨いつつ、マクリーンはポーランドのサイトで奇妙な男の訪問を受ける。

全身を黒いスニーキングスーツで覆い、ガスマスクをつけた男だった。

マクリーンは彼にどこの所属かを尋ねるが、男は「どこでもない」と答える。

男は言う。

「強いて言えば人類に所属している」と、
「死にたくなければ、ついて来るべきだ」と。

選択の余地を失ったマクリーンは、そこで男に救出される。
マクリーンが財団エージェントとなった瞬間であった。

2011年 11月8日

マクリーンは元海兵隊員のアパートを訪問する。
そこで、マクリーンは819-JPと遭遇する。

マクリーンは言う「彼らをどこへ配属するのか」と
SCP-819-JPは言う「彼しか行う事のできぬ任地へ」
元海兵隊員は819-JPに従おうとするがマクリーンはそれを遮る。

マクリーンはそこで「この男の言う場所は単なる荒地にすぎない、君はそれでもいいのか」
マクリーンはそう言い、海兵隊員を昏倒させる。819-JPは姿を消していた。

ビンラディンは既に死んでいる。
イラク戦争は治安部隊が撤退の兆しをみせ、ブッシュ・ウォーカー・ジュニアの戦争も終わろうとしていた。

マクリーンは街を歩く、ありとあらゆる街の片隅に、彼を知る人が居た。
マクリーンは、退役軍人のコミュニティを具に歩く。

多くの人が彼を知っている、退役軍人たちは噂する「親父殿がいる時は良かった」と。
マクリーンは言う。「彼はちょっとした詐欺師に近い人間だった。それをアテにするのは間違いだ」と。

「親父殿」とは、〝D〟このデューイ・クラリッジが支援を行なっていたマイケル・ファーロングの事だ。
マクリーンは財団エージェントとしてリクルートされてから、財団に敵対的なアメリカ国内のネットワークをしらみつぶしにあたり、その全てを容赦無く殲滅していた。

その氷山の一角とも言うべき存在が、マイケル・ファーロングの情報・軍事を取り扱う民間諜報組織だった。
しかし、ファーロングはすでに失脚し、その力を失っていた。マクリーンの工作の賜物である。

そしてマクリーンは、〝D〟の自宅を訪ねる。
仕事の、最後の取りまとめ、「厳父」を捉える最後の総仕上げをするためだ。

マクリーンはデューイを締め上げ、階段から投げ落とす。
デューイは「彼」が、明日アーリントン墓地に向かう事をマクリーンに告げた。

アーリントン墓地地下サイトを向かう地下道で、ISA高官に上り詰めたジャック・バードはマクリーンと出会う。
そこでマクリーンは、バードが所属するISAがCIAにまでスパイ網を伸ばしていた証拠を突きつける。

それは、かつての上司であるガルシア・サイモン、マクリーンを拷問したグレイ、アブグレイブ収容所に取引に来ていたMC&Dのジョナサン・ドゥらの拷問を行う映像だった。

そこで、彼らは口々にバードが高度な機密にアクセスしている事を証言した。マクリーンは言う「君がイラクの国内情報から治安組織の目を掻い潜って行動できたのは、君に強力なバックアップがついていたからだ」と指摘する。

イラクでCIAの退職者を伴った部隊を編成できたのは、ひとえにデューイ・ファーロング両名の強力なバックアップがあったからであり、バードはそれを密かに取り込み、自らの命令で動かせる巨大なスパイネットワークに仕立て上げた。

「それだけではない、君は諜報機関の膨張と情報取り扱い機密事項を逆用し、報告すべき情報を機密のデータバンクに放り込んだ上で、自分だけがアクセスできるように工作した。それは時に書類であり電子情報だ。最初に手をつけたのは君だが、それを高官たちが確認するのには恐ろしい時間がかかる。その時間ギャップを利用し、君は高度な機密情報のライブラリを独自に作成し、かつそれを基に、さらに高度な機密情報へとアクセスすることができた。トップ・シークレット・アメリカの弊害を君は容易に突いたと言うわけだ」

「つまり、厳父は君だ」

マクリーンはそこで、バードに拳銃を向ける。

「君がアブグレイブで何を取引して居たのかを知っている。あのオブジェクトの異常性を発現させるために、刑務所を地獄にする必要があったのだろう?あれは掘り出されたばかりで同族を必要としていたからな。囚人を生き埋めにして居たのは事実だろう?私は実際、その罪を被ったのだからな……」

「君はその成果物を手にし、そしてついに、SCP-4004へのアクセス権を手にした。おめでとう、君はかのウォーカー・ブッシュと同じ栄光が与えられたのだ。この先で待つ財団のセキュリティ要員も君の子飼いだろう?あとは、その死者どもの腕を用いて、ノウスフィアを書き換えるだけだ」

バードは言う「ここで俺を殺したとしても、お前は早晩死ぬ。」

マクリーンは言う「私は死なないよ。君の持っていた民間のスパイ網は大きく改変された。連絡がつくべき人間から連絡がつかないことが何度かあったと思うが、それは私の言うことをきく人員に置き換えられたからだ。かの広大なスパイ網は、既に私の手中にある。聞けば、日本にもその触手を伸ばしていたようだね。有効に使わせてもらおう」

バードは言う「お前はそれで良いのか?お前も気づいているだろう?財団がこの国を深く蝕んでいる事に。全てはは財団に対抗し、彼らを無力化するためにやった事だ。お前は後悔するぞ、私の仲間は他にもいる。ここで私を殺すよりも、私にふさわしい地位を約束しろ。そうすれば、お前よりも充分有用な仕事を」

マクリーンは言う「君にそこまでのリソースを割くメリットはない、君はもはやただの、処理対象だ」
マクリーンは引き金を引く、バードの頭が撃ち抜かれる。

「厳父」は死んだ。
だがマクリーンは思う、そのネットワークを密かに引き継いだ自分はなんなのか。
もはや自分こそが、オールドマンなのではないのか。

かつての職場を捨て、友を殺し、ただ墓地へ続く穴倉にいる自分は何者だったのか。

エピローグ

2011年 11月10日

マクリーンはシリアのブラック・サイトを訪れ、コールマンをリクルートする。

ブラックサイトを出たマクリーンは、そこで果てなきシリアの荒野の向こうに
荒野を彷徨う若き日の自分を幻視する。

終わり


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