とよほ「鉄塔が歩いた日」

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書きたいこと:遠野妖怪自治区の公共事業(災害発生時)の状況を書く
書きたいこと2:鉄塔が歩く話を書く

起:遠野に大雨・大風が発生寒戸地区の山間の地域で大規模な土砂崩れが発生する
承:寒戸地区大藪郷の携帯電話基地局から区役所へ一報が届く
転:区長からの指令により災害の初期対応が行われ 幸い死者はゼロで済む
結:如月を中心とした復興チームにより地形の作り直しと再建作業が行われ 作業は完了する 

序:メリーさんが電話が通じない事に気づき、区長に連絡する。一方その頃、妖狐である松沢鈴は山間の地域に住んでおり、災害の発生にいち早く対応。地域の住民の避難を行う、また、運よく生残っていた郷唯一の電話基地局で、区長への緊急連絡に成功する。

破:連絡を受け、災害対策タスクフォースが緊急招集される。被害状況の報告と、災害への対応方法が指示される。問題は倒壊した送電用の鉄塔である。送電線は下寒戸と鹿倉山の教会近くに存在し、その5基ほどが山崩れで倒壊していた。区長は鉄塔の解体と、たたら場での新たな鉄塔の急造を如月に依頼する。また、地域の送電網の回復のため、電柱の急造も発注、すぐさま作業が行われる。如月の棟梁たちの尽力により、鉄塔と電柱は完成する。

しかし問題は、それをどのように運ぶのか、であった。
鉄塔も電信柱も、横倒しになったまま。
鬼である如月の棟梁たちの力を持ってしても、あれを運び切って設置し、電線を通すのは至難の技だ。

だが、そこへ一人の老人がやって来る。軍服に身を包んだ、幾つなのかもわからぬ老人だ。

老人は叫ぶ

「貴様ら!何をしておるか!起床!」

号令一下の元、電信柱たちは手足を生やして起き上がる。

「装具を整えよ!整列!せいれえつ!」

そして、軋みを立てつつ、巨大な鉄塔が起き上がった。

急:如月・妖怪の再建チームによって、道路の補修・地形の再構築、食料・水の手配は迅速に行われていた。
しかし、問題は電気と通信網の回復であった。大藪郷の少年健太は、炊き出しの豚汁に舌鼓を打ちながら、ふとした疑問が頭に浮かんだ。昨日の昼間に、一人の子供が郷の家々を回っていたのだ。彼が言うには、これからチョツトひと騒ぎがあるから、できるだけ危なくない場所に行ってやり過ごして欲しいとのことだった。

そして、実際そうなったのだった。
それからもう一つの疑問があった。

如月の棟梁の一人が「そろそろ電気がくる」と言ったのを耳にしたのだ。

健太は物怖じせず、鬼である棟梁に尋ねた。

「電気って、鉄塔も電信柱も電線もみんな切れちゃったんだよ、どこから電気が来るの?」

健太はかつて鉄塔があった場所を指差す。
棟梁は山の稜線を指差しつつ言う「ほうれ、電気屋が来るぞ。やかましいから耳をふさいどけ」

地響きと共に、山の稜線から何かが見えた。それはなんと、鉄塔が地響きを鳴らして歩いて来る様であった。
そしてまた、遠くから何かが聞こえて来る。あれは、歌だ。

どってて どってて どっててどう

電信柱の軍隊は 速さ世界にたぐいなし

どってて どってて どっててどう

電信柱の軍隊は 規律世界に並びなし

何十、いや、何百もの電信柱が、隊列を組んで歩いて来る。
そして、その足元を、不審な軍服姿の老人が一緒に歩いている。

「やあ、坊ちゃん。電気がきたぞ、約束どおりだよ!文明の灯火は絶えることがないのだ!」

健太は老人と言葉を交わす、そして握手をしようとして、如月の棟梁に止めらる。
棟梁は健太にゴム手袋を渡すと、健太はゴム手袋越しに、老人と握手をする。

老人は別れを告げると、電信柱の隊列と共に歩み去っていく。

炊き出しの場は、やにわに祭りめいた活況を呈しつつあった。
そこへ、昨日の昼間の子供がやってくる。何十人もの同じ年頃の子供を連れて。
皆、健太と年頃は同じで、見たことがない顔だった。

その子供は郷の人たちに頭を下げ、ひとしきり迷惑をかけた事を謝った。
そして一陣の風が吹くと、子供は姿を消していたのだった。

終わり


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