穴蔵のウサギ達 - SCP-JPサンドボックスⅢ

穴蔵のウサギ達

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文字数: 5998

クレジット

タイトル:
著者: ©︎FattyAcid
作成年: 2021

穴蔵のウサギ達

バッグス・バニーの群れ,
ロジャー・ラビット軍団,
マンガウサギども,
う-033-Prototype-Prototype,
前世でカートゥーンを馬鹿にしたやつが行く地獄

概観

私たち青大将のセーフハウスの1つは中国地方の「穴蔵」と呼ばれる場所に置かれています。穴蔵は日本国内の超常飛び地の中で最大規模を誇り、そこに築かれている社会は、最も広範で最も複雑な超常コミュニティと言えるでしょう。穴蔵は広大で、その全容は未だに把握できていません。差し当たってはセーフハウス周辺の物事について記録していくことにします。

最近の悩みのタネはカートゥーンな見た目をしたウサギです。

イラストレーション

説明

知識

特徴: 外見はカートゥーンアニメに登場するウサギのキャラクターのようです。私の調査した限りでは、完全に同じデザインのキャラクターは歴史上存在しません¹。完全な二足歩行を行います。普通のウサギと比べると非常に高い伸縮性を持ち、ある程度頑丈ですが、カートゥーンキャラクターについての一般的なイメージに反し、完全な不死身ではありません。

性質: 習性は普通のアナウサギのものとそう変わらないようです。巣穴を掘り、小さめの群れで暮らします。巣穴を掘る際には、何処からか²³⁴取り出したヘルメットを着用し、ツルハシやドリルを使っている姿が確認されています⁵⁶⁷。草食で、野菜など放置していると食害を受ける可能性があります。

特定の繁殖期を持たず、年中繁殖可能です⁸。1ヶ月ほどの妊娠期間を経て、1度の出産で5頭程度の子を産みます。非常に個体数の増加が早い生き物です。これは多産であることに加え、前述したように普通のウサギと比べると頑丈で死亡率が低いためだとされています⁹¹⁰。

歴史と関連組織: この奇妙な存在の起源についてのよく知られた定説は、日本生類創研が関与しているというものです¹¹¹²。この説の根拠は、彼らの研究者の1人が作り出した「う-033-Prototype」¹³の性質がこのウサギ達と類似している事です。「う-033-Prototype」は付近の知的存在が投射するウサギに対するイメージの概念的受け皿となり、自身の在り方をそれに応じて変化させる存在だと記録されています。

この説によれば、問題のウサギ集団は「う-033-Prototype」の試作品として作られた個体が逃走して野生化したもので¹⁴、これはつまり、現実のウサギを改造して概念のウサギを作る過程で生じた半現実/半概念のウサギということです。生態は殆ど普通のウサギと同じですが、外見や一部の性質のみ漫画のキャラクターになっていると考えてください¹⁵。また、「う-033-Prototype」との重要な相違点として、穴蔵のウサギ達は一度受容したイメージの反映が固定され、更にそれが子孫にも受け継がれるようで¹⁶¹⁷¹⁸、このため、アニメのウサギの姿のままで繁殖を繰り返しています。

接触: 野生動物に対する接し方に準じます。野菜や果実などの食品や魔法儀式に使う植物性材料など、食害を受けかねないものは建物の中に保管するようにしましょう。戸締りもしっかりすること¹⁹。

穴蔵の他の住人たちの対策から参考にできるものを探したところ、倉庫番たちは自分たちの仕事場の入り口にウサギが入れなくなるような結界を張っていました²⁰。この結界を複製しようと試みましたが、どうやらこれは「動物の概念」に干渉して弾くものであるらしく、Imaginanimalにも効果がありました。ショウのことを考え、この案は取りやめとなりました²¹²²。

他の詳細: このウサギ達に関係するかもしれない、穴蔵での目撃情報のリスト。

ジャッカロープ、アルミラージ、レプス・コルヌトゥス、その他「角付きの兎」と形容される生き物についての目撃情報。無関係。近所の横穴に住む隠棲動物学者が飼っていたもので、円が捕まえて届けました²³²⁴。
うさぎの耳をつけた美少女キャラクターの目撃情報。無関係。人形師の1人が作った等身大フィギュアゴーレムでした。ケーが保護して送り届けました²⁵²⁶。
やたらと上等な紫と黄色のデザインの服を着た、白い二足歩行ウサギの目撃情報。無関係。実際に出くわしたクリスマスの語るところによると、「アリス™・イン・ワンダーワールド™はワンダーテインメント博士とチャールズ・ラトウィッジ・ドジソン²⁷のコラボレーション商標です！」²⁸と発言したらしく、例の工房の玩具の一種かと思われます。