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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPが実行した集束的選択事象に関する調査は財団調査部による関連地点の現地調査と「黒闇天Ver2.01」を用いた分化時空の観測と並行して実施されます。
SCP-XXX-JPが実行した集束的選択事象と類似する行動は今後発生する可能性のある二次的被害および時空間異常に起因する活動として規制され、それらを同様に実行しようとする人物や集団を発見した際は対象を拘束した上で活動を抑制してください。これに伴い、事案XXX-JPへの関与が疑われている集団の調査と捜索も継続されています。
また、現時空の虚弱性および分化結果の分析を基に現時空の存続における類似実体の関与も調査、研究されます。
説明: SCP-XXX-JP(当時45際)、本名:乎潟 一をがた はじめ、国籍:日本、性別:男性は未来予知および並行時空の観測が可能と推測される人型実体です。
SCP-XXX-JPは自身の行動選択に伴う時空の分化やそれにより発生する未来での現象の観測が可能であり、これを利用して様々な発生事象の誘発が可能であると推測されています。現在、SCP-XXX-JPの異常性の起源に関しては後述する事案XXX-JPの発生によりオブジェクト自体が既に死亡しているため判別できていません。
以下は事案XXX-JPの概要です。
事案XXX-JP
概要: 事案XXX-JPはSCP-XXX-JPによって発生した集束的選択事象2を利用した偶発的事象に起因する自爆現象です。当時、SCP-XXX-JPはSCP-███-JPの影響を受けた暴露者として一時的にサイト内で拘束されましたが、尋問室内にて突如腹痛を訴えた事でセキュリティー担当者が医務室へと移送しました。その直後、SCP-XXX-JPが体内で大量の可燃性ガスを発生させながら爆発。結果、サイト‐81██の一部の収容区画を損壊させる広範囲の被害を与えました。
この事案により21名の職員が負傷、3名が死亡、█種類のオブジェクトによる収容違反にも繋がる被害を発生させました。なお、これの鎮圧には機動部隊2部隊と3名の収容スペシャリストが起用され、事案発生から約12時間後に事態は収束しました。

通常の時空認識

SCP-XXX-JPの時空認識
現在、担当研究部門は「黒闇天Ver2.0」を用いた分化時空の観測と合わせた異常性に関する研究を継続しています。これにより、観測された分化時空および並行時空の総数26,308,716件に対して約83%が事案XXX-JPに関与している事が判明しています。
日本支部理事とO5評議会は事案XXX-JPと称される運命論的事象を利用したテロ行為の報告を受け、協議の結果、SCP-XXX-JPと同様の異常性を有した実体の行動やそれを利用した活動は時空分化の操作および独裁的な時空間の掌握に起因すると結論付けています。この事から、関連事象と同様の異常性を有した実体の収容は現時空間の安定化に必要不可欠なプロトコルとして設定されており速やかな目標の収容と事象の観測が推奨されています。
しかし、2020年現在、SCP-XXX-JPと類似する異常性を有する実体の調査は難航しており、これらも該当オブジェクトの有する異常性による未来観測による影響であると推測されています。
現状、事案XXX-JPの発生には「SCP-XXX-JPの死亡」「並行時空におけるSCP-XXX-JPの妻である北村 ██氏(旧姓:皆川)の生存」の二要素が必要不可欠であったと判明しており、前述した実体と該当人物が現時空へと到達する分岐要素として機能していると予想されています。
補遺1: 以下はSCP-XXX-JPが関与したと思われる小規模事案への関与をまとめた一覧です。
年代 | 行動 | 分析 |
1982年 | SCP-XXX-JP(当時7歳)と北村氏(当時7歳)が接触する | 観測された全ての時空においてSCP-XXX-JPと北村氏の接触事案は観測されています。 |
1983年 | SCP-XXX-JPが北村氏と歩行中、目的地への最短距離を避け遠回りするルートを選択する | この時点からの分化時空を観測した結果、最短距離を選択した時空にて北村氏が暴走した乗用車に引かれて死亡する事案が観測されました。この事からSCP-XXX-JPによる北村氏の死亡事案の回避が行われたと予想されています。 |
1999年 | SCP-XXX-JPが北村氏と特定男子生徒が交際し始めるのを妨害する。その後にSCP-XXX-JPが男子生徒に暴行を加え、高校を退学させられる | 北村氏が特定男子生徒と交際を始めた場合、分化時空のおいて北村氏が特定男子生徒とそれに連なる複数の男子生徒から性的暴行を受けるという事象が観測されました。この事からSCP-XXX-JPはこの事象を察知し妨害を試みたと予想されています。なお、特定男子生徒と交際に関しては北村氏の方から提案した事は留意する点です。 |
2009年 | SCP-XXX-JPが北村氏と共に東京へ上京するという約束を反故にし、逃走する | 本行動選択以外の分化時空は「SCP-XXX-JPと北村氏が東京行きの電車に乗車する」という事象で統一されており、この時点が事案XXX-JPへと直結していく分岐点であると予想されています。なお、本来ならばここから派生する全ての時空においてSCP-XXX-JPは北村氏と婚姻関係を結んでおり、4年後に北村氏が末期癌にて死亡するという事象に集束しています。 |
2019年 | SCP-XXX-JPが警備会社に就職する | この行動選択によってSCP-XXX-JPが2020年にSCP-███‐JPと遭遇する時空へと分岐。これにより対象は異常性に暴露した被害者として財団に保護される現時空の起点に到達しました。また、この行動以外にも細かな行動の選択が行われ、移送場所がサイト‐81██に決定される様に誘導していた事が判明しています。 |
2020年 | SCP-XXX-JPが事案XXX-JPを発生させる | この時点の分化時空にて特筆されるのは事案XXX-JPが発生した現時空でのみ北村氏の生存が確認されている点です。この事から、事案XXX-JPの発生自体がSCP-XXX-JPの行動理念の延長線上であったと推測されています。 |
当時、財団日本支部はSCP-XXX-JPを「爆発現象を誘発させる異常実体」として調査を行っていましたが、現場の残留物や事案以前のSCP-XXX-JPの活動記録、事案発生時のヒューム値の無変動等の調査結果から観測された現象はあくまで偶発的かつ非異常性的現象である事と結論付けられました。
その後、担当研究班の進言により本事案の調査に「黒闇天Ver2.0」の起用が決定し前述した現象が観測されました。
補遺2: 保護当時、SCP-XXX-JPは██県██市に位置するビルに配属された整備員として就職しており、財団調査部はSCP-XXX-JPの経歴調査を行っていました。この調査中、「黒闇天Ver2.0」を用いた調査によりSCP-XXX-JPの異常性が発覚、また意図的にSCP-███‐JPとの接触を図る集束的選択事象が行われていた事が判明しました。これと同時期、調査部はSCP-XXX-JPの活動把握を目的とした調査範囲の拡大行っており、その一環としてSCP-XXX-JPが以前に所属していた警備会社にもエージェントを派遣しました。しかし、該当する警備会社は事案発生後には既に倒産および解体されており、従業員等の情報も大半が抹消されていました。これと合わせ、報告されていたSCP-XXX-JPの履歴書や就業記録等にも不審な改竄を多数発見。SCP-XXX-JPには詳細不明な集団による接触があった可能性が浮上しました。
前述した報告を受け、財団調査部は調査対象を該当会社へと一時的に変更、結果、会社自体が詳細不明な要注意団体のカバー会社であったことが判明し、SCP-XXX-JPがSCP-███‐JPと接触するまでの過程の補助、事案XXX-JP発生に至るまでのルート構築に関与している事が判明しました。この報告を受け、日本支部理事会は事案XXX-JPは要注意団体による財団へのテロ行為であると決定されました。
2020/5/26、組織の残した痕跡やSCP-XXX-JPの過去の活動を基に調査を行い、██県██市内で該当組織が潜伏していたと思われる廃屋を発見しました。内部調査の結果、内部にて財団が所有している「黒闇天Ver2.0」と類似する装置の残骸が回収されました。この事から事案XXX-JPへの関与が確定的であると結論付けられました。内部データを分析した結果、SCP-XXX-JPの行動を常に観測していた形跡が発見され、SCP-XXX-JPがサイト‐81██に至る為の活動や事象、また財団への被害を想定した結果へと到達する選択的事象の選別が行われていました。
現在、財団主導で組織の捜索を行っていますが、関連する情報の全てが抹消および破棄されているため未だに詳細は明らかとなっていません。なお、分化時空の観測を可能にする異常物品(財団所有の分化時空観測観測装置「黒闇天Ver2.0」と類似する機械群)には4名の人間の大脳が接続されており、分析の結果、未来予知および分化時空の観測が可能な異常実体の生体の一部である事が判明しています。
これによりSCP-XXX-JP以外の異常実体が存在する可能性が浮上。現行のプロトコルの設定が行われました。
補遺3: 北村氏は2020年現在、██県██市内の病院にて入院している事が確認されています。
SCP-XXX-JPと北村氏の交友関係は2名が7歳の時から継続しており、双方ともに██県██市に存在した児童保護施設の出身であったことが判明しています。なお、該当する児童保護施設には出資者不明の入金が多数行われており、施設内で保管されていた研究レポートと推察される書類群などから、該当施設は予知能力、未来予測を可能とする人材育成を目的とした実験施設であったと予想されています3。
なお北村氏に関しては、観測された分化時空の状況からSCP-XXX-JPと接触した時点で死亡する事案に到達する存在であったと予想されており、仮にSCP-XXX-JPが事案XXX‐JPへ関与しかつ生存した全ての時空においてもSCP-XXX-JPと北村氏が再会するという事象への帰結が観測されています。
この事から、SCP-XXX-JPと北村氏の接触および北村氏の死亡事案が発生しなかった現時空その物が一種の特殊時空であると可能性が示唆されています。その為、現時空間の虚弱性に関する調査が継続されています。
付与予定タグ: ここに付与する予定のタグ
- portal:1997942 (03 Aug 2018 07:33)
脱字・衍字と思われます。
アイデアとしてはタイムリープものに近いので、「女性も複数の時空を観測できるし、望んでいる世界線も異なる」という点でオリジナリティを出したいところです。しかし、この記事では女性目線のストーリーが最後の追記しか描かれていないので、今一つストーリーのインパクトに欠けるかなと思います。
例えば、女性が自分の死を避ける世界線を望んでいたのであれば、女性から能動的に分岐を発生させようとしている記録があっても良いと思います。現世界線は男性の能動的な行動に依るところが大きそうなのですが、これだと女性が1番望んでいたこの世界線に辿り着いたのはただのラッキーのような気がしてしまい、いまいち最後のメモ落ちに納得感が生まれていないと思います。場合によっては子供がいたような世界線も示唆されているので、何かしら「あえてこの世界線を選んだ」ような記述が欲しいです。
あと、補遺2は蛇足かと思います。ここまでの記述で男性が死ぬか女性が死ぬかの世界線しかないことがわかっており、男性が「最初の選択自体を間違えてしまった」ことは読者も理解できるので、あえてここで男性に語らせる意味はあまりないと思います。
ご指摘ありがとうございます。
該当箇所の修正といただいた意見を基に改稿を行いました。