クレジット
タイトル: SCP-XXX-JP - 「乎潟 一」という男
著者:
yanyan1
作成年: 2023
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの実行した選択的事象は財団調査部による現地調査と「黒闇天Ver2.0」を用いたSCP-XXX-JPの分化時空の観測が並行して行われます。現在、1999/12/5に発生した大規模自己崩壊現象によりサイト‐81██の約43%の建物が喪失しています。被災したサイトの復興作業は現在も継続中です。
SCP-XXX-JPが実行した選択的事象と類似する活動は今後発生する可能性のある大規模自己崩壊現象に起因する活動として規制され、それらを同様に実行しようとする人物や団体を発見した際は対象を拘束した上で活動を抑制してください。
現在、対象のオブジェクトクラスは担当研究班による分析から、今後発生する可能性ある選択的事象に伴う被害および災害の完全な抑制に関する収容難易度を踏まえKeterに指定しています。今後の収容体制に関する議論は定期的に行われ随時更新されます。
説明: SCP-XXX-JP(当時45際)、本名:乎潟 一をがた はじめ、国籍:日本、性別:男性は未来予知および別時空の観測が可能と推測される人型実体です。
SCP-XXX-JPは自身の行動選択に伴う時空の分化やそれにより発生する未来での現象の観測が可能であり、これを利用した様々な現象を誘発させることが可能と推測されています。対象の特性は先天性の異常か後天性の異常かは判明していませんが、準要注意団体の関与の可能性などから後者の説が有力とされています。しかい、SCP-XXX-JPの詳細な異常特性に関しては後述する事案により存在が消失しているため特定には至っていません。
現在「黒闇天Ver2.0」を用いた分化時空の観測と合わせて対象の異常性に関する研究が継続されています。
補遺1: 以下は1999/12/5のサイト‐81██にて発生した事案XXX-JPの概要です。
事案XXX-JP
概要: 事案XXX-JPはSCP-XXX-JPによって発生した集束的選択事象を利用した「大規模自己崩壊現象」です。当時、SCP-XXX-JPはSCP-███-JPの影響を受けた暴露者として一時的に拘束され、尋問室内で突如腹痛を訴えた事でセキュリティー担当者が医務室へと移送しました。しかし、その途中で対象が大規模自己崩壊現象発生させ、サイト‐81██に重大な被害を与えました。
この事案による被害は存在抹消者███名、過去改変事象被害者██名、死者███名、重軽傷者███名と推定され、█種類のオブジェクトによる収容違反にも起因しました。これにより日本理事会は緊急事態宣言を発令しました。事案鎮圧部隊には12の機動部隊と10の収容スペシャリスト部隊が起用され、事案発生から約12時間後に事態は収束しました。
SCP-XXX-JPによる大規模自己崩壊現象は前述した異常性を利用した集束的選択事象による帰結現象として観測されています。当時、財団日本支部が「黒闇天Ver2.0」で観測した別時空(ここでは選択的事象による分化時空とする)ではSCP-XXX-JPは異常性を持たない一般人として存在している事が判明し、この事からもSCP-XXX-JPが発生させた大規模自己崩壊現象の発生プロセスには人為的な干渉があったとみて財団調査部による捜査が行われました。
また、担当研究班はSCP-XXX-JPの経歴に本報告書で明記されている現象に起因する発生プロセスが含まれていると予想し、現地での聞き込み調査と「黒闇天Ver2.0」を用いた分化時空および現時空上でのSCP-XXX-JPの活動観測と並行して行われました。
現在、これらの調査記録は今後の財団に対する組織攻撃対策事項への組み込みが検討されています。
補遺2: 第1回の分化時空観測を行った際は確認された時空(約4650個)にて北村 ██氏(旧姓:皆川)(以下、SCP-XXX-JP-1とする)と婚姻関係にあったことが観測されました。しかし、現時空での記録上ではSCP-XXX-JPは事案発生時点まで未婚であり、それに準ずる異性の存在も確認されていません。これによりSCP-XXX-JPの大規模自己崩壊現象プロセスにはSCP-XXX-JP-1との婚姻関係が起因しているとみて調査が行われました。
以下の記録は、当時の調査で判明したSCP-XXX-JPによる選択的事象に伴う時空分化が観測された時点での追加記録です。先頭に記載年月日が明記され、本報告書の追加記録として保管されています。
2000/4/12追加記録: 事案当時のSCP-XXX-JPが行った行動に伴う分化時空の割合が産出されました。
なお、事案当時のSCP-XXX-JPは██県██市に位置するビルに配属された整備員として就職しており、これも選択的事象の一因であると判明しています。
産出統計
・警備会社に勤務…71%
・未婚状態…12%
・事案発生の前日にシフトが夜勤へ変更される…8%
・夜食に日清のカップヌードルを選択…7%
・食事の際にステンレス製のフォークを選択…2%(この内、事案XXX-JPが発生した時空が現時空であると判明)
この報告を受け、財団調査部は該当する警備会社とSCP-XXX-JPが夜食を購入したスーパーマーケットにエージェントを派遣しました。結果、警備会社の男性職員1名とスーパーマーケットにてバイト勤務だった男性1名が財団が確認している準要注意団体の構成員であったことが判明し、事案発生時点で既に退職している事が確認されました。その後の動向は捜査中です。
この事からSCP-XXX-JPの大規模自己崩壊現象は第三者により決定された事象である可能性が浮上しました。
2000/5/11追加記録: SCP-XXX-JP-1への分化時空観測を行いました。
産出統計
・SCP-XXX-JPと婚姻関係にありかつ死亡…95%
・SCP-XXX-JPと非婚姻関係にありかつ死亡…3%
・SCP-XXX-JPと非婚姻関係にありかつ生存…2%
・SCP-XXX-JPと婚姻関係にありかつ生存…0%
現時空ではSCP-XXX-JP-1の生存が確認されましたがSCP-XXX-JPと婚姻関係にある分化時空においては全ての時空で末期癌による死亡が確認されました。この事からSCP-XXX-JP-1の死亡の有無がSCP-XXX-JPの大規模自己崩壊現象に関連している可能性が浮上しました。
2000/5/26追加記録: 先の調査で判明した該当準要注意団体への捜査の結果、組織が潜伏していたとみられる廃屋が██県██市内で発見されました。その際、財団が所有している「黒闇天Ver2.0」と類似する装置の残骸が回収され、この事から該当準要注意団体は財団と同様に分化時空の観測を行っていたことが明らかとなりました。これに伴い、財団調査部が該当準要注意団体の構成員1名の拘束に成功しました。
準要注意団体「運命(さだめ)の教団」
概要: 準要注意団体「運命(さだめ)の教団」は運命論的事象への崇拝を行っている宗教組織です。発足は1999年代初頭で、最初期のメンバーである3名の脳科学者により組織されました。当初は人間の能力開発(特に未来予知に関する研究)を目的とした人体実験用の人員確保を行うための疑似的な宗教組織でしたが、狂信化した信徒によるクーデターの発生に伴ってメンバーの3名は死亡、組織は独立しました。その後の組織は科学的な見地と宗教学的側面を吸収しながら勢力を拡大していったと記録されています。組織は「運命は絶対であり、それを手中に収める自分達こそが世界を導くに相応しい者達である」というスローガンを掲げており、財団本支部も準要注意団体としてマークしていました。しかし、当時は異常物品等の所有は確認されておらず、一般的なカルト教団であるという認識のみでした。
尋問の結果、事案の目的は「運命論の証明と組織としての影響力を提示するデモンストレーション」であったという証言が得られ、これに合わせて更なる潜伏場所の特定が行われています。
また、該当団体は事案発生の10年以上前からSCP-XXX-JPに接触しており、SCP-XXX-JPの行動を誘導する事で事案を誘発させた事が発覚しました。
この報告に伴い、財団の行った分化時空観測においてSCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-1と婚姻する切っ掛けとなった「SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1の出身地に該当する██県██市の██駅にて東京行きの電車に乗車する」というイベントも観測され、現時空でのみこのイベントが発生しなかった事が判明しました。
この観測結果と合わせ、該当準要注意団体がSCP-XXX-JPに接触し、その上でSCP-XXX-JPに対してSCP-XXX-JP-1が死亡する予見事象を提示する事で誘導しかつSCP-XXX-JP-1との乗車を拒否させていた事が判明しました。これにより事案発生へ繋がる分化時空への選択が確定したと推測されます。
2000/5/27追加記録: 拘束した構成員への尋問の結果、SCP-XXX-JPが自身の分化時空での発生事象を認識していた事が確定しました。その為、SCP-XXX-JPを改めてオブジェクト指定した上で「分化時空の観測が可能である人型実体」へと概要を更新しました。
2000/6/1追加記録: 財団調査班による該当準要注意団体の本部の特定が完了しました。これに伴い機動部隊を動員した施設強襲作戦を決行し計██名の構成員の拘束に成功しました。
本報告書への追加記録時点で組織は解体され、分化時空の観測を可能にする異常物品(財団所有の分化時空観測観測装置「黒闇天Ver2.0」と類似する機械群)を押収しました。なお、装置には4名の人間の大脳が接続されており、分析の結果、未来予知および分化時空の観測が可能な異常実体の生体の一部である事が判明しました。
SCP-XXX-JPの異常性が確定したため、対象への分化時空の観測作業の継続が決定しました。本記録以降はSCP-XXX-JPの出生時までの調査が行われます。
2000/6/8追加記録: SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1の交友関係は2名が7歳の時から継続しており、双方ともに██県██市に存在した児童保護施設の出身であったことが判明しました。また、これと同時に児童保護施設は本事案に関係した準要注意団体が運営する施設であった事も判明し、予知能力、未来予測を可能とする人材育成の実験施設であったと判明しました。この事から準要注意団体が有する観測装置の材料や本事案に利用されたSCP-XXX-JP等の人材の確保ルートが明らかとなりました。追記記録時点で財団調査部による特定調査と検閲が行われています。
SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1の幼少期に発生した分化時空を観測した結果、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1に発生しうる事故や死亡事案を未然に防ぐ為の選択的事象を発生させていた事が判明しました。なお、これらの行動が行われた時空でのみSCP-XXX-JP-1の生存が確認され、現時空以外の全時空ではSCP-XXX-JP-1の死亡が観測されています。
これらの行動からもSCP-XXX-JPは幼少期より分化時空を独自で観測する異常性を有していた事は明らかであり、それにより大規模自己崩壊現象の発生自体もSCP-XXX-JPによる選択的事象の延長線上であった可能性が浮上しました。
2000/6/30追加記録: SCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1が初めて接触した1961/8/11に「SCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-1に四葉のクローバーを譲渡する」事象が観測されました。なお、この行動が観測された時空からSCP-XXX-JP-1が死亡する分化時空へと終束している事実が判明し、この選択的事象を行わなかった分化時空ではSCP-XXX-JPとSCP-XXX-JP-1は双方ともに接触する事は無く生存が確認されました。
同時期、SCP-XXX-JPが大規模自己崩壊現象を発生させた際に所持していたと思われる物品の復元が完了しました。なお、物品は遺書と思われる便箋のみでありそれ以外は発見されていません。
発見文書
どうやら僕は最初の選択自体を間違えてしまった様だ。
以上を以てSCP-XXX-JPの分化時空の観測作業を一時終了します。新たな選択的事象による分化が判明した際は追加記録作業を行ってください。
2022/3/4追加記録: ██県██市内の病院にてSCP-XXX-JP-1の死亡が確認されました。この際、SCP-XXX-JP-1の動向を監視していたエージェントの証言からSCP-XXX-JP-1の近くに幼少期のSCP-XXX-JPと類似した人型実体が出現し、直ぐに消失するという事案が発生しました。
その際に「四葉のクローバー」と思われる物品がSCP-XXX-JP-1の手元から回収されました。現在、対象物品の異常性は検出されていません。
以下はSCP-XXX-JP-1が所持していた手記の抜粋です。なお、一部の内容からSCP-XXX-JP-1もSCP-XXX-JPと同様に分化時空の観測を行っていた可能性が浮上しました。これに際して準要注意団体の構成員へインタビューを行いましたが、詳細は未だ明らかとなっていません。
手記抜粋
私はやっとあの男から開放される。自らを死に向わせる存在と添い遂げたいなど、誰が思うのだろうか。あの駅が最後の分岐点だった。
私達は初めから始まってすらなかった。
息子や孫たちにはこの意味など一切分からないだろうけれど、私はこの世界が一番幸せだった。その筈だ。
運命は変えられる。幾万の私を犠牲にしても、私はただ生きていたかった。
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