Taleシリーズ/カノンをつくるには?

こんにちは。〈オフィサー、ドクター、ソルジャー、スパイ〉カノン管理者のseafield13seafield13です。

このエッセイにたどりついたあなたは、もしかするとそれなりに経験を積んだメンバーなのかもしれませんね。すると、だんだん普通の記事では物足りなくなってくるはずです。サイトに大きな爪痕を残してみたい……そう考えることもあるでしょう。となると目に入ってくるのは、トップバーにもサイドメニューにも出てくる『カノン-JP』の文字でしょう。

さあ、あなたはカノンが、Taleシリーズが作りたくなってきました。そこでどうするか。まずはTale投稿ガイドが詳しいので参照ください。というか、Taleシリーズとかカノンを作りたいと思ったらガイドをはじめに読んでください。このエッセイはあくまで副読本です。こっちは最悪読まなくたって作れます。

本稿では、Taleシリーズそしてカノンを作るにあたって、具体的にどんなことをすればよいか──ガイドに載っていないようなことを指南していきたいと思います。あらかじめことわっておきたいのは、内容は私の経験に依る部分がだいぶ大きいということです。ルール上わからないことがあれば、すぐにスタッフに相談するのが吉です。


1. Taleシリーズをつくろう

まずはカノンになる前段階、Taleシリーズの基本についておさえておきたいと思います(GoIフォーマットについては、また勝手が違うので本稿では触れません)。カノンとTaleシリーズの違いについては、ガイドを読んだことのある方には明快です。つまり、この二つにはそんなに差がありません。

1-1. Taleシリーズには種類がある

下に、Taleシリーズを大まかに二種類に分けたものを載せました。

① 根幹の設定だけを共有する単発の集合体

② メインのストーリーがあり、第一話・第二話と続いていく連作

二種類あると知ったあなたが気になるのは、「どちらのほうが自分に向いているか?」ということでしょう。ここで注意してほしいのは、この二種類のTaleシリーズは執筆の性質によって難易度が変わってくるということです。上の作品群を見て気づいた方もいるかも知れませんが、これらの作品にはある共通点があります。

①の作品は基本的に多人数で制作されていますが、②は単独の著者によってすべて制作されています。これはあるひとつの示唆をわたしたちに与えてくれます。つまり、「単一のストーリーラインを複数人で進めるのは大変」ということです。いろんな著者を巻き込んだ創作をしたい場合、敷居を下げるなら①の形式をとるべきですし、自分が描きたい大作Taleが単一ページでは収めきれないと感じた場合には②の形式をとる、といった使い分けが考えられます。このふたつに優劣があるわけではないので、その点はよくよくご理解いただきたいと思います。

1-2. 最初にすべきこと

さて、Taleシリーズの特徴についてはここまでにして、では実際につくる段階に必要なことを考えていきましょう。シリーズの原案者となるあなたは、まず最初にすべきとても大切なことがあります

それは、とりあえず一本書くことです。

わざわざセンタリングするぐらいマジで大切なことです。というか、これができたらあなたのTaleシリーズを作る試みは九分通り成功しています。もしかするとすでに構想を練っている方の中には、「それだとしっかりとした世界観がないまま作ることになる」などとお考えになられているかもしれません。

しかし、わたしはあえて断言します。設定が練りきれていないから、という理由で二の足を踏む人はいつまでたってもシリーズが作れません。マジです。そういうことをやっていると、いつの間にか飽きて生まれる前から作品が死んだりします。これはわたし自身にも経験があるので、それ以来わたしは思いついたアイデアはとりあえず形にしてみることを心掛けています。

とりあえず一本書くメリットを以下にまとめてみました。

① 著者自身がアイデアの方向性をはっきりさせることができる
② 客観的な評価を得ることができ、観測気球として機能する
③ ほかの著者の目に留まり、参加者や協力者を得られる可能性がある
④ とりあえず先を越されずに済む

この中で特に大事なのは、①です。執筆者の皆さんなら経験があると思いますが、「最高のアイデアが形にした瞬間すごいショボくなった現象」が、やはりTaleその他の記事でも発生します。このギャップに早めに気が付き、シリーズとしての構想に修正を加えることは大切です。

最初の一作目はシリーズの原風景、根幹を成す設定などに触れたりする場合が多くなります。ですが気負う必要はありません。なぜなら、いつでも内容は改稿できるからです。二作目を書くうえで後付をする必要があったり、矛盾が発生することを恐れてなかなか一歩目を踏み出せないという方もいるかもしれませんが、それは致し方ないことと割り切るのが肝要です。

もし二作目──連作にせよ、ほかの人が乗っかって書いてくれたものにせよ──で矛盾などが発生してしまうようなら、あとから一作目の方をそれに合わせればよいのです。設定は話を作っていく過程で、頻繁に変更が起こるものです。特に多人数であればあるほど、その確率は高まります。矛盾や後付は起こるものとして、一作目を書くことが大切なのです。

1-3 シリーズを盛り上げるために必要なこと

1-3-A. 多人数編

1-3-A-i. リーダーを決めよう

さて、ここからは1-1で挙げた二種類のTaleシリーズで、それぞれに必要なことをについて書いていきます。まずは多人数による制作プロジェクトとなった場合です。ここでは、Taleの書き方うんぬんというよりも、むしろ原案者としてシリーズの発展にどう貢献するかという点に絞っていきます。

プロジェクト制作のメンバー数は、少なければ二人、多ければ十人になることもあります。二人の場合はそこまで気にする必要はないでしょう。お互いにコミュニケーションを取りつつ、尊重していくことができれば円滑に制作は進んでいきます。が、これが十人となると話は変わってきます。なぜなら、たいていの場合プロジェクトは人数が多すぎるとすさまじく動きが鈍くなるからです。

そういった事態に対処するために、何が必要なのか。わたしなりに持っている一つの解としては強力な権限のあるリーダーを作ることです。とくに、原案者や共同創設者などの執筆者がこの地位に就くのが望ましいでしょう。以下にリーダーに必要と思われる権限と、設置の場合のメリットを書き出してみました。

制作プロジェクトリーダーに必要な権限

① 会議を主宰する権限、議案の最終決定権
② プロジェクト参加希望者の承認
③ プロジェクト参加作品の承認
④ プロジェクトにおけるトラブル等の裁定
⑤ 対外的にプロジェクトを代表する権限

リーダーを置くメリット

① 最終決定権を持つ人間がいることで、プロジェクトの停滞を抑止できる
② コントロール役がいることで、方向性に一貫性を持たせることができる
③ 調整役としてプロジェクト内のトラブルに対応できる
④ スタッフ対応の窓口として機能できる

当然ながら、リーダーにはそれなりの責任が求められることになります。とはいえ趣味の創作なので、こちらについてもあまり気負わないことが大切です。補佐役を置いたり、代理を立てたりするのも、プロジェクトの円滑な進行にはたいへん有効です。

1-3-A-ii. プロトタイプが大切

さて、多人数で創作をする大変さはここまでもかなり論じてきましたが、ここでは具体的な場面について考えたいと思います。〈1-1. Taleシリーズには種類がある〉で紹介した①のパターンの場合、各作品に共通の設定構築がとても大切です。原案者が、ほぼすべて執筆に必要な設定を詰め切るのは不可能です。なので、実際に制作する場合には、メンバー内で話し合いつつ設定を詰めていくことになります。

そこで起きがちなのが、「いろんな意見が出過ぎてまとまらない」or「意見が全然出ない」のどちらかの状況です。ここで必要になってくるのが、見出しにあるようにプロトタイプになります。実は、このエッセイを忠実に実行してきた方はもうすでに、ひとつのプロトタイプを得ています。それが「一作目のTale」です。

シリーズに特有の用語や、人物、組織、事件など執筆ガイドにまとめるのが望ましい事柄というのは、たいてい一作目に出てきます。ですから、そこを起点に設定を膨らませていくことができます。もしそれでも意見がまとまらない場合には、リーダー役がある程度のフレームを与えるなどの対策を取るべきです。

たとえば〈ODSS〉カノンでは、設定に関する部分をだいたい三種類に分類しています。ハブにおける「世界観タブ」では時系列を、「用語集タブ」では専門用語を、「登場人物/関係機関タブ」では、人物や組織について──など、一定の書式をあらかじめ作っておく(プロトタイプを作っておく)ことで後からの追加や検討をしやすくしてあります。

プロジェクト制作進行にしても、設定考証にしても、必要なのはある程度の縛りを設けることです。きつすぎてもいけませんが、ゆるすぎても実効性がありません。それは実際にやってみないと適切な温度の分からないことです。繰り返しになりますが、あまり気負いすぎないことがやはり大切です。

設定考証における留意点

① 原案者だけでなんとかしようとするのは不可能
② 設定のプロトタイプを作っておく(手本を示す)
③ 設定の書式についてフレームをつくる(縛りを設ける)

1-3-B. ひとり編

1-3-B-i. 切り方を考えよう

単独制作によるTaleシリーズ、とくに単独のタイムラインに基づく連作ではつねに議論されていることがあります。そのテーマとは作品をどこで区切るとVoteは最大化されるのか?ということです。Taleシリーズは往々にして、通常の単発Taleよりも話が長大になり、読者を疲れさせます。そこで執筆者の方で考えなければならないのは、どこで区切ると読者は続きに手を伸ばしてくれるのか、ということです。

結論から行きましょう。それは一つの話は長くても前後編でまとめることです。三話以上の数にすると、Voteの伸びり方はぐっと鈍くなります。この理論を実践したのが〈ODSS〉の作品群です。いずれの作品も前後編でまとめられています。

悪い例として挙げられるのは、『大怪獣決戦テイルシリーズ』が話を四分割したことでしょう。読者がどのページにvoteをしたらいいかがわからず、評価が分散しています。注意していただきたいのは、たとえ何部作の話であろうと、個々のページは独立したものとして扱われるということです。どこかのページが-3を下回れば、シリーズは歯抜けの作品になってしまいます。

つぎに、区切り方について考えてみましょう。これについては明確に指標があります。つまり、「見せ場を均等に配分すること」と、「クリフハンガー」を意識することです。長編であれば、自然といくつかの山場ができていると思います。そうしたら、あとはその山場山場のうちどこで区切りを入れると「クリフハンガー」になるかを考えれば、効果的な

話の切り方

① ひとつの話はできたら前後編ぐらいにしておく
② 話の区切り方: 見せ場を均等に配分

プロジェクト制作において大事なことのひとつに、プロジェクトに対して継続的にコミットするということが挙げられます。できるだけ長く、作品を見守り、メンバーとの制作を楽しむことができるようにすることこそ、ここで挙げたいかなるティップスよりも重要です。本稿がSCP財団日本支部におけるTaleシリーズ、カノンの隆盛の一助となることを願ってやみません。


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