速報: ハンガリーでクーデターか 国軍とみられる部隊が首都を制圧
[ウィーン 20日 ヴォルフ] 現地時間20日10時頃、ハンガリーの首都・ブダペシュトの大統領官邸、国会議事堂など政府中枢を構成する施設が国軍とみられる部隊によって包囲、制圧された。
大統領官邸のあるシャンドール宮殿にはヤーノシュ大統領とその家族ほか、複数の与党政治家がいたとみられる。
分析: 誰がブダペシュトでクーデターを起こしたのか?
2020年8月21日
この東ヨーロッパでもっとも古い都の街道が戦車によって蹂躙されるのは、ハンガリー動乱以来64年ぶりのことだ。当時はソ連軍のT-54戦車がブダペシュトの石畳を潰しながら進撃していたが、今回はハンガリー国防軍のレオパルト2戦車がその役割を演じたようだ。
クーデターの経過
国軍の一部部隊が蹶起した8月20日は聖イシュトヴァーンの日、そしてハンガリーの建国記念日として知られており、ヤーノシュ・マリカ大統領やラースロー・ラヨシュ首相をはじめとした複数の与党政治家がテレビ演説のため官邸内にいた。演説が開始されるのとほとんど同時刻に、突如として戦車と歩兵の部隊が大統領官邸や国会議事堂へ突入した。目撃した市民によれば、兵士たちの所属を示す識別章の類は隠されていたという。
ブダペシュト市内はクーデター部隊によって制圧され、完全に外部から遮断された。市内にはブリュッセルにいた外相を除くすべての閣僚が滞在していたため、ハンガリー政府首脳部はほとんどがクーデター部隊の支配下にある状態となった。
国営放送によるテレビ番組は、そのままクーデター部隊の主張を放送する機会となった。覆面をした人物は自らを「聖イシュトヴァーンの使い」と名乗り、まずは建国記念の日を祝福した。その後は民族主義的な発言を繰り返し、「現在のハンガリー国家は堕落している」「すべて国民は王冠への忠誠を思い出さなくてはならない」といった内容を主張したが、新政府の樹立など具体的な要求はみられなかった。
午後には事態を把握した軍総司令部の命を受け、同国第2の都市・デブレツェンから出撃した第5歩兵旅団がブダペシュトを包囲した。特殊部隊が大統領救出のため首都へ潜入したという報道も出たが、それ以降主だった動きはなく、クーデター勢力と軍によるにらみ合いが続いた。
夜頃には参謀総長とブリュッセルにいた外相が連名で声明を発表し、クーデターは「同国西部・タタに駐屯する第25歩兵旅団と首都の憲兵団の一部民族主義者によるもの」と非難し、軍に対しては「冷静さを保ち、反逆者から国民を守るための行動を起こすように」求めた。
市民の声
ブダペシュトはクーデター部隊によって通信封鎖が行われているが、ヴォルフは独自のチャンネルで市民に取材を行った。ヴィドール氏(仮名)は市内でシステムエンジニアとして働いており、クーデター当日も自宅で仕事をしていたという。
「テレビが突然映らなくなり、しばらくして外から怒号や銃声が聞こえてきた」恐怖を覚えたヴィドール氏はすぐに荷物をまとめて市外へ逃れようとしたが、すでに市外へ通じる道は検問によって封鎖されていた。「わたしたちは人質にされている」国軍やNATOによる武力介入があれば市内で戦闘が起こる可能性があり、市民は不安に駆られている。
各国・専門家の反応
各国はこの突然の事件に戸惑っている。ヴォルフの取材に対し、コンラード・エルランドソン北大西洋条約機構(NATO)事務総長は「非常に困惑しており、いま情報を収集しているところだ」と述べるにとどめたが、今後の対応については「すでに軍事委員会で部隊派遣含め検討している」と強調した。
隣国オーストリアのフロレンツ・ボーレンダー首相は現地の大使館と連絡を取り「状況を注視している」としたうえで「暴力によってハンガリーの民主主義が損なわれることがあってはならない」とクーデター勢力に対して撤兵を呼び掛けた。
ホワイトハウスのバンクス報道官もクーデターの首謀者に対して非難の声明を発しており、「われわれはハンガリーの民主的に選ばれた政府を支持する」とした。アメリカ政府としてこのクーデターの詳細について把握しているかを問われると「まったく突然のことであり、困惑している」と明らかにした。
これらの反応から導き出される結論は、各国にとってこの事態は寝耳に水であったということだ。ハンガリー国内の報道機関も沈黙しており、ブダペシュト在住のジャーナリストたちは「前兆らしきものはまったくなかった」と語る。オーストリア人ジャーナリストのベルンハルト・フランク氏もそのひとりだ。「ヴェール崩壊以降のハンガリーは右傾化してきていたが、それは欧州の他の国でも見られていた傾向だ」
正常性維持機関は知っていたのか
ハンガリー国内に拠点を持つ正常性維持機関は、今回の事件に際して抑制的なメッセージを発している。"財団" 中欧支部のシュナイダー首席報道官はクーデターに際し「両者の間で平和的な話し合いが持たれることを望む」と述べ、事前に事態を把握していたかという質問に対しては「諜報機関の能力に関する質問には答えられない」と回答を控えた。
一方で、クーデター部隊はブダペシュト市内の財団所有施設を制圧の対象から外しているという証言があり、事前に何らかの「取引」があったのではないかという噂が立っている。この件についても、財団は「根拠のない噂には答えられない」として明確な回答を拒否した。
世界オカルト連合は、国連安全保障理事会と共同でクーデター部隊の即事撤兵とブダペシュトの封鎖解除を求める声明文を発表している。そのうえで、世界オカルト連合の武力はあくまで脅威存在対処に使用されるものであるとして、介入等の可能性は否定した。
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