7月に保護された男性の身元判明 1942年に「戦死」した日本軍兵士

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国内

7月に保護された男性の身元判明 1942年に「戦死」した日本軍兵士

公開日 2020年8月9日21:30

財団日本支部は8日、7月に岩手県宮古市で保護された20代と見られる男性の身元は1942年に戦死したと推定されていた岸田誠さん(当時23)であることが確認されたと発表した。

岸田さんは7月12日、宮古市沖で海上を漂っていたところを発見した地元の漁船により救助され、漁船の乗組員の通報により駆けつけた救急隊により保護された。
その後病院へ搬送され、意識を取り戻した後は病院関係者や岩手県警の警察官らに対し自分は日本海軍一等兵の岸田誠であると主張。それを受けた岩手県警が財団日本支部へと連絡し、財団による調査の結果岸田さんの主張は裏付けられた。
岸田さんは1942年に南方で海軍の輸送船に乗り込んでいたが、アメリカ軍の攻撃により輸送艦が撃沈され、大多数の乗員と同じく行方不明となった。戦死として処理されていたが、遺体は未発見であった。

「いやまあびっくりだよね。まさか助けた人が本物の昔の軍人さんだったなんてね。」

こう語るのは岸田さんを救助した漁船の船長、魚住さん。

「まずは助けられてよかった、次に変なコスプレした奴だな…その時はこんな風に思ってたけど、まさかコスプレじゃなくて本物だった上、ここまで大事になるとはね。いや正直ここまでびっくりしたのは3年前の東京事変以来だよ、ほんとに。まあせっかく生きてるんだから、今度こそ長生きして、天寿を全うするまで生きていてほしいとこだよね。」

一方、困惑を隠せない人もいる。

「正直なところ、どう反応して、どう対応すればいいのかまるでわからないんです。」

こう語るのは岸田さんのひ孫にあたる加藤誠一郎さんだ。

「確かに曾祖父の事は祖父から聞いていました。私の名付け親は祖父でして、私の名前も、母の名前も曾祖父にちなんで名付けたとも聞いています。ですが、曾祖父が戦死した事になったとき、祖父はまだ4歳。つまり私どころか母が生まれる遥か前でして…もし祖父や曾祖母が生きていたら喜んだでしょうけれども、残念ながら既に2人ともだいぶ前に他界してしまっているんです。曾祖母に至っては亡くなったのは私が生まれる前なので、顔も遺影でしか見たことがないくらいですし。実際のところ、岸田さん…曾祖父も私に会ったとしても困惑するだけなのではないかな、と思うんですよ」

要因は様々だが、何らかの原因で時間跳躍に巻き込まれてしまう事例は存在する。

近年の事例としては、ロシアで2012年に行方不明になったロシア航空宇宙軍所属のTu-160爆撃機が2018年1月に突如再出現し所属していた航空基地へ帰還した事件や、異常実体により誘拐されていた昭和初期の人物が財団により2013年に保護された事件、1943年に失踪したドイツ軍将兵が2011年の愛媛県西条市役所のすぐそばに出現した事件などが挙げられる。
昭和初期の人物の事件のように原因がわかっているものもあるが、そのほとんどは原因不明である。今回の岸田さんの事例についても、財団は未だ原因を突き止められていないようだ。

岸田さんは今後、まずは財団日本支部の施設で現代社会に関する講習を受け、その後一般社会へ復帰する事になるという。


財団は語る

「時間跳躍被害者というのは、かなり困難な立場に立たされるものです。」

財団日本支部社会復帰部の宇佐美淳一郎氏は語る。

「たったの数年で、社会や環境というものは変わってしまうものです。時として、正常な時間の流れの中にいるはずの我々にも目まぐるしく感じてしまうくらいに。時間跳躍被害者はその急流に、予備知識も何もなしに放り出されてしまうのです。もちろん我々も被害者の方を支援すべく活動をしています。例えば、今後岸田さんが受ける予定の現代社会に関する講習などですね。しかしながら、そのような事に関わる私が言うのもなんですが、それらの効果はどうしても限定的なものになります。いくら講習で知識などを身に着けても、それを実際の人生に生かしていくのは簡単ではありません。それに、個人の事情…例えば岸田さんの場合ですと、既に奥さんも息子さんも亡くなられているといった点、これらについては我々にもカバーしきれません。我々も講習だけでなくメンタルケア等のバックアップは行っていますが、やはり最終的には本人の気の持ちようになってしまうのです。」

本来生きていた時代によっては、社会からの偏見に晒されることもある。財団日本支部で働いており、本人も時間跳躍被害者であるエーリッヒ・シュヴァイガー氏は語る。

「私は元々は1943年、ドイツ国防軍の少尉として今で言う第二次世界大戦を戦っていました。そしてそのさなか、未知の原因で2011年の日本国愛媛県に部下13名とともに来てしまいました。最初に対応してくれた愛媛県警と西条市役所の皆さんや、財団日本支部の方々はきちんとした対応をしてくれましたし、それに可能であればドイツへ帰してくれようともしてくれました。我々14人も、最初はみんなドイツへ帰りたいと考えていました。ですが、私は見聞きしてしまったのです。故郷、つまりドイツの人々の声を。『ナチスはドイツにはいらない』『ファシズムを持ち込ませるな』『今のドイツは未来へ進め 過去の亡霊は過去に葬れ』…これらは私がインターネットやテレビニュースで見た実際の意見です。私も、そして部下たちも当時からNSDAPを積極的に支持してはいませんでしたが、そんな事は関係はなかったわけです。そして、ニュルンベルク…私の故郷でもありました…で、我々14名の帰国を拒否するよう政府に求めるデモが起きた、というニュースを聞き、私は、いえ、我々はもうドイツへ帰りたいと思えなくなったのです。ニュースなどを見る限り、もはやドイツには居場所はなさそうでしたし、何より財団による調査の結果、我々を直接知ってる親族は全員この世を去っていた事が確認できましたしね。というわけで、我々は今では全員日本で暮らし、財団日本支部などで働いているわけです。」

それだけではありません、と宇佐美氏は続ける。

「時間跳躍被害者、とりわけ1998年のヴェール消滅以前の時期から現代へ来てしまった人々には、基本的にはヴェールの向こう側にあったものに関する知識はありません。すなわち、彼や彼女はパラテックも財団もGOCも何も知らないわけです。さらに、皆様御存知の通り、1998年以降社会はパラテックなどにより大きく変容しています。被害者にとってはまさしく異世界に連れてこられてしまったようなものでしょう。しかも、自分自身の世界はもはや存在しないという状況で。それにより社会への適応ができなかったり、最悪の場合は過激なカルト宗教団体や夏鳥思想過激派などに感化され、その一員となる場合すらあります。タイムスリップはフィクションなどでは無邪気に語られることが多いものですが、実際には苦難に溢れたものなのです。」


関連キーワード 財団 時間跳躍


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