SCP-3000-JP - 虚無の幻影

現在このページの批評は中断しています。

評価: 0+x
blank.png

アイテム番号: SCP-3000-JP

収容クラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-3000-JPの発生トリガーに指定される座席およびその隣席は、東海旅客鉄道および西日本旅客鉄道と財団の間で交わされた契約により、財団が占有しています。SCP-3000-JPの収容担当者は毎日の東京発、博多着の新幹線の最終便に搭乗し、SCP-3000-JPの隣席に着席して民間人による意図せぬSCP-3000-JPの活性化を防いでください。許可された実験を除いてSCP-3000-JPを活性化する試みは禁止されています。

hakataeki

博多駅近影

説明: SCP-3000-JPは東海旅客鉄道(JR東海)が運営する東海道新幹線、および西日本旅客鉄道(JR西日本)が運営する山陽新幹線の新幹線において発生する異常現象です。SCP-3000-JPの発生トリガーとなる車両または座席は状況により変動します。SCP-3000-JPは、次の条件を満たす車両および座席に人間が着座した状態にあるとき、段階的に異常性を発揮します。

  • 始発駅が東京であり、終着駅が博多である。
  • 当日の最終便である。
  • 先頭車両の最後部列の左の窓側の座席である。

第1の異常性として、SCP-3000-JPに該当する座席に人間が着座していた場合、着座者の存在は周囲の人物からの認知が困難になります。SCP-3000-JPの着座者は物理的には通常どおり存在しているにもかかわらず、特に強く意識しなければその状態を他者から認識されず、また記憶増強剤の利用なしには着座者の状態を記憶することができません。これはSCP-3000-JPが着座者に反ミーム特性を付与しているものと考えられていますが、SCP-3000-JP自体には反ミーム特性はありません。またSCP-3000-JPの着座者自身も周囲および自身への認識が希薄となり、着座者はSCP-3000-JPの影響が終了するまで、SCP-3000-JPを離れようとしなくなります。

第2の異常性として、SCP-3000-JPは着座者の周囲に軽度の異常現象を引き起こすことがありますが、周囲の人物はこの異常現象を認識できません。SCP-3000-JPが引き起こした異常現象の影響の大部分またはすべては、SCP-3000-JPの不活性化後に元の状態へと復元されます。

第3の異常性として、SCP-3000-JPに長時間着座していた人物は、着座中の特定されていない段階において消失します。消失のプロセスは解明されておらず、音声または映像は再現不可能な手法による着座者の退出や、瞬間的な消失を記録します。消失した人物および手回り品の追跡は成功していません。消失を防ぐ方法は発見されていませんが、着座から1時間未満の間、および、着座状態からの強制的な離席後に消失現象が発生した事例はありません。

SCP-3000-JPに着座した被験者の状態を音声または映像に記録することは可能ですが、その記録にはSCP-3000-JPの影響が現れるため、内容の分析には記録された音声または映像をAIにより文書化する必要があります。

実験記録 1:

被験者: 収容担当者(モロイ研究員)

実験方法: 被験者は収容プロトコルに従い、SCP-3000-JPの隣席に座ってSCP-3000-JPを撮影し続けます。

<記録開始>

18:51 東京駅。収容担当者は車両に乗り込み、SCP-3000-JPに向けてカメラを固定しました。

23:51 博多駅。収容担当者はカメラを停止して取り外し、下車しました。

<記録終了>

終了報告書: 本実験を含むSCP-3000-JPに着席している人物がいない状態での実験は、いずれも異常性が発現しませんでした。

実験記録 2:

被験者: D-8139

実験方法: 被験者はSCP-3000-JPの活性化条件を満たすよう着座します。収容担当者はSCP-3000-JPの隣席に座り、被験者とSCP-3000-JPの様子をビデオカメラで撮影します。

<記録開始>

18:50 東京駅。被験者と収容担当者が車両に乗り込む。被験者はリュックサックを右手で保持している。収容担当者に促され、被験者はリュックサックを足元に置いてSCP-3000-JPに着座する。カメラの映像が短時間ぶれる。 収容担当者はカメラを固定したことを報告する。被験者は窓の外を見ている。車両が動き出す。駅のホームに数多くの民間人がいる様子が撮影される。

18:59 品川駅。ドアの開閉音に続き、足音や雑多な会話などによるノイズ的音声が多数記録される。詳細は別紙参照。以後、停車時に発生する同様の記載は省略する。被験者は周囲の人物の様子に反応せず、窓の外を見ている。

19:10 新横浜駅。

19:32 紙の束がバサバサという音を記録した直後、収容担当者が小さく声を上げる。収容担当者はマイクに向かって「すみません、同乗者がいることを忘れていました」と小声で報告する。被験者は窓の外を見ている。

19:57 ビニール袋を破く音、ビニール袋をガサガサと揉むような音が記録される。

20:31 名古屋駅。

20:42 車内アナウンスの音声が「おもいで、おもいで」と告げる。被験者はシートに寄りかかって窓の外を見ていたが、突如跳ね起きるように姿勢を正す。被験者は両の掌を窓につけ、外を凝視している。被験者は鳴咽しはじめ、以後停車するまで続く。収容担当者と乗客の様子に変化はない。

21:07 京都駅。

21:11 車内アナウンスの音声が「みらい、みらい」と告げる。被験者は鳴咽をやめ、窓の外を凝視している。被験者は首を左右に振り、車窓から見える景色を追うような様子を見せる。表情は微笑んでいるが、涙を流し続けている。

21:21 新大阪駅。

21:36 新神戸駅。

21:49 車内アナウンスの音声が「わかれ、わかれ」と告げる。被験者は窓の外に向かって会釈をする。被験者が口を開いて何かを話そうとしてやめる。被験者は正面を見据え、断続的にうなずく。被験者が口を開いて何かを話そうとしてやめる。被験者は落涙し、以後停車まで顔を上げない。

22:09 岡山駅。

22:15 車内アナウンスの音声が「あのとき、あのとき」と告げる。被験者は狼狽している様子を示す。被験者は不明な手段で窓を開ける。車内は無風である。被験者が窓から体を乗り出し、何かを掴もうとするように手を伸ばす。被験者の腕が架線の支柱に衝突し、体がグンと後ろにぶれる。被験者が体を車内に戻す。被験者は右手で窓を閉め、姿勢を正してため息をつく。被験者の左腕は肘から先が失われており、血液がシートと床に広がる。
乗客の様子に変化はない。

22:45 広島駅。

23:01 車内アナウンスにより数秒間のノイズが再生される。被験者は支給されたリュックサックを片手であさり、ペットボトルの飲料を取り出す。被験者はペットボトルを苦労しながら開封し、内容物(緑茶)を一口飲む。被験者はペットボトルをリュックサックに戻す。被験者は鼻歌で「きらきらぼし」を歌っている。

23:22 新関門トンネルに入る。被験者は不明な手段で窓を開ける。車内は無風である。被験者は上半身から這い出すようにして窓の外へと逸脱する。被験者の逸脱から4秒後、車両内の照明が明滅する。被験者の血液は完全に除去され、窓は閉まっている。以後、被験者は映像に現れない。

23:36 小倉駅。カメラは空席を映している。

23:51 博多駅。車両が停止する。収容担当者はカメラを座席から取り外し、レンズをカバーで覆って車両から退出する。収容担当者が宿泊施設に移動し、チェックインを行う音声が記録される。収容担当者が宿泊室に移動し、以後しばらく流水音が記録される。床をこするような足音と、湿った物体の落下音、窓を開閉する音が記録される。収容担当者の個人端末の呼び出し音が鳴る。浴室のドアが開く音に続き、収容担当者が慌てた様子で個人端末に応答する音が記録される。カメラのカバーが取り除かれ、収容担当者の顔が一瞬映り込む。

<記録終了>

終了報告書: 収容担当者は記憶補強材を投与されていたにも関わらず、実験の途中から被験者の存在を忘れていました。被験者の現在の所在は不明です。新関門トンネル内の調査では、被験者の痕跡を発見することができませんでした。実験終了後、雇用契約に基づき、被験者の遺族にはカバーストーリーに沿った慰労金が支給されました。

実験記録 3:

被験者: D-8154

実験方法: 被験者はSCP-3000-JPの活性化条件を満たすよう着座します。収容担当者はSCP-3000-JPの隣席に座り、被験者とSCP-3000-JPの様子をビデオカメラで撮影します。

<記録開始>

18:50 東京駅。被験者と収容担当者が車両に乗り込む。被験者はリュックサックを右手で保持している。収容担当者に促され、被験者はリュックサックを抱えてSCP-3000-JPに着座する。カメラの映像が短時間ぶれる。収容担当者はカメラを固定したことを報告する。車両が動き出す。駅のホームに数多くの民間人がいる様子が撮影される。

18:59 品川駅。ドアの開閉音に続き、足音や雑多な会話などによるノイズ的音声が多数記録される。詳細は別紙参照。以後、停車時に発生する同様の記載は省略する。

19:10 新横浜駅。ドアの開閉音の後、被験者の座席の足元から1匹のウサギが出現し、被験者はそれを抱き上げる。被験者はリュックサックを天袋へしまい、ウサギを膝に乗せる。

20:31 名古屋駅。被験者の足元から、数匹のウサギが出現する。被験者の膝の上はウサギで埋まる。被験者は少しの間狼狽するが、再びシートに寄りかかり、外を見始める。

21:01 被験者のシートの周囲からウサギが多数出現する。被験者はすぐにウサギに覆いつくされ、被験者は身動きができなくなる。収容担当者は自席にはみ出したウサギを被験者の席へ押し戻す。

21:07 京都駅。被験者は暑そうにしている。

21:15 被験者は異常に発汗し、のどの渇きを訴える。リュックサックを取ろうとするが、ウサギに押さえつけられて手が届かない。被験者はウサギを1匹捕まえると、素手で皮を裂き、血液を摂取する。ウサギは抵抗しない。被験者は血液を摂取し終えると、ウサギを床に捨てる。

21:21 新大阪駅。

21:36 新神戸駅。

21:59 被験者は異常に発汗している。被験者は素手でウサギの皮を裂き、血液と肉を摂取する。被験者は嘔吐する。被験者は窓の外に何かを発見し、驚きの言葉、謝罪、鳴咽を繰り返し始める。

22:09 岡山駅。

22:18 被験者は窓の外に何かを発見し、笑う。直後に再び泣き始める。

22:45 広島駅

22:59 被験者が完全にウサギに埋もれ、映像に映らなくなる。被験者がつぶやく言葉はウサギに遮られて判別できない。

23:21 新関門トンネルに入る。

23:36 小倉駅。ドアの開放直後、被験者を覆っていたウサギが一斉に座席を離れ車両から退出する。座席に被験者の姿はなく、以後被験者はカメラに映らない。

23:51 博多駅。収容担当者はカメラを取り外し操作する。

<記録終了>

終了報告書: 被験者の現在の所在は不明です。実験終了後、雇用契約に基づき、被験者の遺族にはカバーストーリーに沿った慰労金が支給されました。

実験記録 4:

被験者: D-8157

実験方法: 被験者はSCP-3000-JPに着座し、岡山駅まで移動する。機動部隊員は岡山駅で待機し、車両の停止後ただちに被験者と実験機材を車内から回収する。回収後、被験者にインタビューを行う。

<インタビュー記録開始>

乗車中のことは、詳しくは覚えていません。ぼーっとしていたわけじゃないと言いたいところだけど、実際、それに近い状態だったんだと思う。インフルエンザに罹ったときのように、意識を集中することができなかった。それは…降りてからもしばらく続いていた。覚えているのは、列車がしばらく走った後…どの駅のあたりかは覚えていないけど、外に見知った景色が見えた気がしたところから。

私、窓の外に、あの子を見たんです。私の子供。私が…失ってしまった子供を。もう二度と会えないはずだったあの子が、窓の外にいたんです。見間違えるはずはありません。あれは、確かにあの子でした。

あの子は、苦しんでいました。いえ、今も苦しんでいるのかもしれません。私は、それを体験させられたんだと思います。私があの子を理解するには、あれしか方法がなかったんだと思います。でも、あの苦しみの中で、私は…安堵していました。罪を償ったような…悲しみを分かち合ったような…そういった、安心感があの苦痛にはありました。

最後にあの子は言いました。あの赤い星の下、最後の駅で待ってるって。でも、私、行けなかった。あなたたちが私を降ろしてしまったから。私、またあの子と一緒にいてあげられなかった。

[対象は嗚咽し始める]

<インタビュー記録終了>

終了報告書: 精神的な混乱は残ったものの、D-8157は肉体的には健康な状態を維持していました。SCP-3000-JPの影響は限定的であり、D-8157は記憶処理の後に所定の隔離機関を経て通常業務へ戻されました。なお、D-8157は独身であり、妊娠した経験や養子を得た経験はないことに留意してください。


付与予定タグ: ここに付与する予定のタグ


ページコンソール

批評ステータス

カテゴリ

SCP-JP

本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

GoIF-JP

本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

Tale-JP

本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

翻訳

翻訳作品の下書きが該当します。

その他

他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。

コンテンツマーカー

ジョーク

本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。

アダルト

本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。

既存記事改稿

本投稿済みの下書きが該当します。

イベント

イベント参加予定の下書きが該当します。

フィーチャー

短編

構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。

中編

短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。

長編

構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。

事前知識不要

特定の事前知識を求めない下書きが該当します。

フォーマットスクリュー

SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。


シリーズ-JP所属

JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。

シリーズ-Other所属

JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。

世界観用語-JP登場

JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

世界観用語-Other登場

JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

ジャンル

アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史

任意

任意A任意B任意C

ERROR

The dr_toraya's portal does not exist.


エラー: dr_torayaのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:1869219 (19 Jul 2018 03:42)
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License