SCP下書き「このゆびとまれ」

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在、中型非生物収容室に収容されています。月に1回行われるSCP-XXX-JPの清掃の際には必ず皮膚の露出しない手袋を装着して行ってください。SCP-XXX-JPを用いた実験をする場合は、レベル3以上の職員許可を得てください。 現在、SCP-XXX-JPを用いた実験は禁止されています。週に1回SCP-XXX-JPの存在を知らないDクラス職員による探索実験を行ってください。

説明: SCP-XXX-JPは高さ207cm、重さ約600kgの人差し指を立てた右手首を象った像です。材質はブロンズであり、手の甲部分の左下に「しもや まりとゆうま」と彫られています。SCP-XXX-JPは「公園のオブジェの周りに死体がある」という一般市民の通報により岡山県██町にある公園内で発見されました。発見後、周辺市民にカバーストーリー「児童の事故による撤去」を流布した後SCP-XXX-JPの回収を行いました。

SCP-XXX-JPの半径3mの範囲内に人物(以下、対象者)が侵入した時に範囲内の対象者に「[外遊びの名称]1するものこのゆびとまれ」と言う男性の声が聞こえるようになります。声を聞いた対象者はSCP-XXX-JPの人差し指の部分に接触しようとします。接触すると対象者はその場から消失します。接触する際に手袋の装着などで皮膚が直接触れてない場合は消失することはありません。消失してから3〜24時間後にSCP-XXX-JPの周囲に額に大きな穴が開いたうえ脳を完全に喪失した対象者の死体が出現します。出現してから10分以内に何者かにより接触しされなかった場合、自然消滅します。

補遺:
探索記録XXX-A 日付20██/██/█

探索者: D-12099

付記: D-12099にはカメラと通信機をつけています。

<記録開始>

D-12099: あー、急に飛ばされたぞ。どこだここ。

深見博士: D-12099、カメラを起動してください。映像が届いてません。

D-12099: え?行く前に電源つけたんだがな……うーん?……おかしいな。

深見博士: どうしましたか?

D-12099: 壊れたのかわからんが、うんともすんとも言わねえんだ。

深見博士: ……仕方ありません。通信機は壊れてないようなので周囲の状況を報告してください。

D-12099: へいへい。なんか家の中みたいだぞ。畳だし古い家みたいだ。あ、後なんか臭うな。

深見博士: どんな臭いですか?

D-12099: なんかが腐ってるような臭いだ。気持ち悪い。

不明な声: あ、きた。

D-12099: うお、びっくりした。後ろから急に声かけんなよ。――[短く息を吸う音]

深見博士: D-12099、そこに誰がいるのですか?

D-12099: おまえ、なんだ。

不明な声: じゃあ、あたしかぞえるからかくれてね。ろくじゅうまでかぞえるからね。

D-12099: ――くそっ!

[この後6秒間走る音が続いた]

深見博士: 何があったのですか。

D-12099: [息切れ音]おい、あいつなんなんだよ!

深見博士: 落ち着いてください。あいつとはなんですか?

D-12099: 俺の後ろに子供がいたんだ!こども……いや、子供じゃねえのか?分からねえ!

深見博士: 分からない?どういうことですか?

D-12099: 顔が、ババアだったんだよ!気味の悪い笑顔でこっちをみてたんだ!でも、声は子供だった……

不明な声: にじゅろく、にじゅしち、にじゅく、あれ?はち?どっちだっけ?

D-12099: くそ、時間がねえ!隠れねえと![引き戸を開ける音]

D-12099: ……なんだこの部屋。ここだけ暗い。この山は……。[6秒沈黙]

深見博士: D-12099?

D-12099: 人が山になってる。俺の背より高え。でもおかしいんだ。頭がねえ。どこにもねえんだ。

深見博士: D-12099、大丈夫ですか?

D-12099: 大丈夫じゃねえよ。なんか聞こえるんだ。

深見博士: なんですか?

D-12099: 聞こえねえのか?ぺちゃぺちゃぺちゃぺちゃ聞こえるだろ。なんか部屋の奥からしているようだぞ。

深見博士: 奥に進んでみてください。

D-12099: ああ、[この時点から咀嚼音が聞こえてきた。]その必要はない。向こうから来てくれた。

深見博士: どういうことですか?

不明な声: ろくじゅう。じゃあさがしにいきまあす。

D-12099: [開き戸を開けて閉める音]おい、聞こえてるか。

深見博士: はい。聞こえてます。

D-12099: よく聞いてくれ。部屋の奥に赤ちゃんがいた。手が6本で足が2本、背中に耳がいっぱいついてた。さっきの音はあいつが食ってた音なんだ。ピンクと灰色のスライムみたいなもんが口周りにべったりついてた。多分俺らはあいつのごはんだ。捕まったら食べられる。

不明な声: あ、ゆうまくんつまみぐいしちゃだめでしょ!

D-12099: おい、おまえらこれ以上こっちに来るな、あいつにごはんをあげるな。

不明な声: [開き戸の開く音]あ、みいつけた。

D-12099: お、おい、やめろ、助けてくれ、助けてくれ、助けてくれ……[以降、助けてくれと発言し続けていた。]

不明な声: ほら、ゆうまくんこっちきて。ごはんのあいさつするよ。

不明な声: かみさまと、ざいだんさんにかんしゃをこめて、いただきます。

<記録終了>

終了報告書: 実験開始から2時間13分後、D-12099の頭部がSCP-XXX-JPの周囲に出現しました。この探索実験の後、SCP-XXX-JPを用いた実験が規制されました。

補遺2: 事案-XXX-JP-1
20██/█/██、SCP-XXX-JPの収容室の半径50m内にいる職員が消失しました。 消失から18時間27分後、SCP-XXX-JPの周囲に消失した職員の頭部██個と頭部のない死体が███体出現しました。それと共に子どもにより書かれたと思われる文書が発見されました。

ざいだんさまへ
さいきんごはんのきようきゆうがたりずこまてましたわたしは
なのでしようしようだまてもらいましたごはん
でもいけないとおもたのでいままでのあまりといしよにおへんきやくします
いたみやすいのでおはやめにおたべください
つぎからはちやんとごはんください
しもや まり

ぴいえす ざいだんさんのおかげでうちのゆうまにあしがさんぼんはえてきましたのでうれしいです

この事案の発生後、SCP-XXX-JPの実験の規制変更とEuclidへのオブジェクトクラス変更が行われました。


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  1. portal:4711359 (17 Dec 2018 08:06)
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