tale

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つまらない人生だった───何度もそう思う。


なんの変哲もない一般家庭。貧しいわけでも裕福なわけでもない。
父も母も普通。とりわけ厳しかったわけでもなく、甘やかしていたわけでもない。
学校の成績も可もなく不可もなし。あっ、でも音楽の成績は少し良かった。


そう、音楽だ。音楽が僕の人生だった。


確か、中学3年生の時だっけ?高校見学の時だったかな?
軽音楽部の発表を見て、それで音楽に憧れたんだ。
ステージに立って、自分たちの思いを音楽に乗せてぶつける───
その時は演奏していた人たちがとても眩しく見えた。


だから自分も───単純すぎかもしれないけど───音楽の道に進もうって決めたんだっけ。


結局その高校には行かなかったけど、僕は音楽を猛勉強した。
いつか曲を作って、発表して、売れて、有名になって、また曲を作って、発表して、売れてを繰り返す。
今思うと高すぎた理想だと反省させられる。それでも、あの時の僕にとって音楽は夢だったんだ。


まあ、当然かのようにうまくいかないわけだ。


オーディションの結果を知らされて、僕は「わかりました」としか返さなかった。
「どうすれば?」よりも「だろうな」という気持ちが強かった。
仲間に結果を伝えた時の、冷たい眼差しが瞼に浮かぶ。


何が夢だ。


夢を追い求め、聞く人たちにその情熱を与える───
そうやって夢を受け継がせていくのがバンドの仕事だと、何かの本で読んだ。
受け継がせるどころか、継いですらいないじゃないか。
結局あの時間は何だったのだろう。
はっきり言って、無駄だった。

「……ここまで。」

震えた声で僕は呟く。
これで何回目だろう、僕の振り返り人生は。
何度も何度も振り出しから考えてしまう。
「困ったな……。」
このまま身を投げてしまおう───
僕は頭を抱えて悩む。


ここはある高層ビルの屋上だ。都内有数というだけあってかなり高い。
まあ、夢消えたらやりたいこと無いよな。仲間ももういないし。
じゃあさっさと飛び降りろよって自分でツッコむ。


どうする?やっぱり止めとくか?

死にたくない。

まただ。迷いが生じる。
心に引っ掛かるのは僕らが作ったあのCDだ。
既に捨てておいたはずだ。なんで今になって……
大した曲でもなかった。何の思い入れもない。

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