フルスイング・マンドリン!

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-48の低危険度オブジェクト収容ロッカーに、一般的な‎マンドリンケースにしまわれた状態で収容されなければなりません。ケース内部には小型のカメラを設置し、収容状態を確認してください。実験時以外でSCP-XXXX-JPを肉眼で視認しないでください。

説明: SCP-XXXX-JPは全長63cmのマンドリンです。材質に異常性は認められませんが、非常に強固な外部からの破壊に対する耐性を持ちます。製作した楽器メーカーには特異な点は認められませんでした。

SCP-XXXX-JPは極めて優れた楽器破壊能力を持ちます。SCP-XXXX-JPを視認した人間(以後SCP-XXXX-JP-1)は強い楽器破壊衝動を抱き、オブジェクトを手に取り積極的に周囲の楽器を探し始めます。種類・大きさ・場所に関わらず楽器を確認したSCP-XXXX-JP-1は、SCP-XXXX-JPを両手で強く握りこみ、大きな振りかぶりからもたらされる鋭い打撃をもって対象の楽器を破壊します。SCP-XXXX-JPを用いた楽器破壊はSCP-XXXX-JP-1の腕力や対象の材質から計算される規模を大幅に上回り、時に爆発や轟音を伴いますが、これによるSCP-XXXX-JP及びSCP-XXXX-JP-1への影響はありません。

実験記録 - 日付20██/██/██

SCP-XXXX-JP-1 : ヤマハ YRA-38BIII アルトリコーダー (1980円)

対象: D-4855(27件の特殊詐欺の犯人)

監督 新原博士

<記録開始>

新原博士: D-4855、実験室に入り、中の楽器ケースに入っているものを取り出してください。

D-4855: はい、わかりました。えっと…これ、なんでしたっけ。

新原博士: それはマンドリンです。

D-4855: ああ、そうでしたね。かわいらしい楽器だ。

新原博士: D-4855、横にリコーダーがあるのが見えますね。

D-4855: はい。小学校で使うような、きれいなリコーダーです。うん、はい、きれいな楽器ですね。

新原博士: D-4855、どうかしましたか?

D-4855: あの、先生、妙なことを言っているとは思うんですが、ちょっとこのマンドリンでリコーダーをたたいてみてもいいですか?

新原博士: いいですよ。

D-4855: ありがとうございます。では…

(D-4855は体を大きくねじりながら両手で持ったSCP-XXXX-JPを振りかぶり、リコーダーを殴打した。大きな爆発音や閃光とともに、実験室の強化ガラスに亀裂が走る。計器は爆発がTNT火薬1キログラム1相当のものであることを示している。)

D-4855: わぁ、これ、すごいですね。またやってみたいです。ほかに楽器はないんですか?

新原博士: 本日の実験はこれで終了です。お疲れさまでした。

D-4855:ちえっ。

<記録終了>

後書:実験後、D-4485は楽器破壊への軽度の執着を見せた。これは24時間後には見られなかった。

補遺: 20██/██/██、新原博士監督のもと、SCP-XXXX-JPを用いておよそ30万円相当のコントラバスを殴打する実験が行われました。結果として爆発の規模はTNT火薬5キロトンに相当し、小規模のキノコ雲が発生しました。新原博士および三名の研究員が爆発に巻き込まれ死亡し、SCP-XXXX-1であったD-4485も爆発の影響で収容違反したオブジェクトによって殺害されました。調査の結果、新原博士の私室のすべての楽器類が破壊されていることが判明しました。これを受け、オブジェクトクラスが現在のものに変更されました。

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