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アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは民間人の曝露を避けるために周囲を金網により封鎖され、SCP-XXX-JPの内部は遮光シートにより民間人の視認が防がれます。民間にはカバーストーリー「不景気による倒産」が流布されます。SCP-XXX-JPには民間人の侵入を防ぐために2名以上の財団職員が常時配備されます。SCP-XXX-JPの影響下に置かれた人間は確認でき次第クラスC記憶処理、カウンセリングを施してください。
説明: SCP-XXX-JPは██県██市に存在するファミリーマートに酷似した販売店です。SCP-XXX-JPの外見には一般的なファミリーマートとの差異は確認されていません。SCP-XXX-JPの内部には現在32体の店員を模倣したヒト型実体(SCP-XXX-JP-1~32)が活動しており、一般的な店員と同様の行動を取ることが可能ですが、全ての実体において生体反応がありません。SCP-XXX-JP内の全ての商品が購入後に想定される行動以外による形状の変化を有していません。SCP-XXX-JPに関して、株式会社ファミリーマートは一切の関与を否定しています。
SCP-XXX-JPにて商品を購入した場合、購入した商品の成分が即座に内部の成分と形状が類似した人間の成分に置き換わります1。置換後の人間の成分は購入者の家族で構成されており、対象となる家族の生死は問いません。この異常性は、SCP-XXX-JP内の飲食可能な商品だけに適用され、SCP-XXX-JPによる置換時の外見の変化は確認されていません。稀に商品が形状の変化を有していないにも関わらず、置換後の商品の質が悪化している場合があります2。購入後、出荷等が行われていないにも拘らずSCP-XXX-JP内には新品の商品が追加されます。
SCP-XXX-JPにて商品を購入後、購入者はSCP-XXX-JPにて働くことを強く願望するようになります(以下、曝露者と呼称)。この状態の曝露者はあらゆる手段を行使しSCP-XXX-JPに向かいます。曝露者はクラスC記憶処理によってSCP-XXX-JPの影響下から脱することは可能ですが、強い鬱状態に陥ります。この鬱状態は家族の喪失からきていると推測されていますSCP-XXX-JPで労働できなかったことから来ているようです。
SCP-XXX-JPは20██年3月21日、入社希望に人間が異常なほど急増したファミリーマートとして話題になっていた所を財団が調査し、発見、収容に至りました。収容後、民間にはSCP-XXX-JPを「当該ファミリーマートの店長の人員の買収」として公表することで事態を収束しました。
以下はSCP-XXX-JPを使用した実験です。SCP-XXX-JPの実験に使用されるD-クラス職員は、家族が全員死亡していることを条件とし、実験後にはクラスC記憶処理が施されます。| 対象 | 購入商品 | 結果 |
|---|---|---|
| D-17602 | 焼き鳥3本 | 鶏肉が筋肉の成分に、串が骨の成分に置き換わった。 |
| D-19871 | 缶ビール3本 | 缶が骨の成分に、ビールが血液の成分に置き換わった。 |
| D-17224 | 種類の違うスナック菓子3袋 | 袋が皮膚の成分に、スナック菓子が体毛の成分に置き換わった。 |
| D-15672 | 肉うどん3杯(購入時に、店員に温めることを伝えるように指示) | 肉が筋肉の成分に、ネギが体毛の成分に、天かすが爪の成分に、麺が[編集済]の成分に置き換わった。置換後の商品は温まっていなかった。 |
以下はSCP-XXX-JPの店長と称しているSCP-XXX-JP-1へのインタビューの記録です。
インタビュー記録XXX-JP-A
対象: SCP-XXX-JP-1
インタビュアー: ██研究員
<録音開始>
██研究員: SCP-XXX-JP-1、今からあなたに幾つか質問をします。宜しくお願いします。
SCP-XXX-JP-1: 宜しくお願いします。
██研究員: 先ずは、あなた達の活動の意味を教えてください。
SCP-XXX-JP-1: 私は、彼らの救世主になりたいと思っているのです。██研究員: 救世主、とは？
SCP-XXX-JP-1: 私達は██前から、この世の中は実に腐っているなと思ったのです。最近の人間は家族に感謝をせず、自分の好きな事ばかりをして疎遠になっていることが多いと感じたのです。私達はこんな世の中ではいけないと考え、私達が彼らの新しい家族になろうと決めたのです。
██研究員: しかし、あなた達が行っているのは家族の排除ではありませんか？
SCP-XXX-JP-1: あなたの意見も正しいですが、しかしながら家族を邪魔者扱いしている人間も沢山いるのです。私達は彼らに家族を大切にしてほしいが為に行っているのです。家族の排除は家族の品種改良、と言えるでしょう。実際に、私たちの家族になった人間達は毎日交流を深め、楽しんでいます。
SCP-XXX-JP-1: 「お客さまとフランチャイズ加盟店、本部とが家族的なお付き合いをしながら、共に発展してゆきたい」。これはファミリーマートの名前の由来です。家族という幸せな物が崩れつつある今、私達が代わりに幸せな家族を作り上げる必要があるのです。そこら辺のコンビニやスーパーとは違うのです。お客様を家族のように接する私達ファミリーマートだからこそ出来るのです。██研究員: では、購入者の家族を加工する理由は？
SCP-XXX-JP-1: これも、世の中を変えるためです。家族を大切にしない人間たちは、もう後戻りできないほどまでに最低な性格になってしまいました。彼らを変えるためには、古いものを新しいものに変える必要があります。あなた達もするでしょう？破損したスマホを買い替えたり、壊れたおもちゃを捨てたり。
SCP-XXX-JP-1: しかし、家族を捨てるというのは家族を扱う私達も苦しいものです。だから、彼らに会わせるのです。勿論、そのままであれば彼らは憤慨するでしょうから、加工して会わせるのです。そうすれば彼らはそれに感謝して食べるでしょう。それを食べると彼らは家族の思い出を思い出し、自分達の行いを反省します。これについては私達が家族の[編集済]を商品に入れているためです。家族が大切なものであると知った彼らは、新しい家族を欲しがるでしょう。そこで私達の出番です。彼らを幸せにする術を、私達は知っていますから。SCP-XXX-JP-1: 「あなたと、コンビに。」私達は、未来を幸せな皆さんと暮らしたいのです。
<録音終了>