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よろしくお願いいたします。
以下の文章には、一部日本語として不適切、あるいは意味不明な表現が含まれています。文章中の「」は意図的なものであり、本報告書執筆時の誤記ではない事に留意して下さい。
— 瀬戸博士 誤伝達部門日本支部
アイテム番号: SCP-XXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 小泉純一郎氏の周囲には秘書やハウスキーパー、運転手などに偽装した最低3名以上の財団エージェントを配置し、SCP-XXX-JPの異常性が大衆に露見しないよう24時間体制で監視を行ってください。異常性が露見した場合には関係者に記憶処理を施し、必要に応じてカバーストーリーが流布されます。また小泉純一郎氏がSCP-XXX-JPの異常性と財団の理念を理解し収容に協力的な事から、小泉純一郎氏には上述した監視体制とあらゆる方法による「小泉純一郎氏」の使用を禁止するという条件の下、日常生活が許可されています。
また新たなSCP-XXX-JPの発生を確認した場合、関係者に記憶処理と適切なカバーストーリーを流布しSCP-XXX-JPの発生元の人物を収容してください。その後、必要なカウンセリングを実施し、SCP-XXX-JPの発生の抑制が確認され次第、記憶処理を施し当該人物を解放して下さい。
説明: SCP-XXX-JPは小泉純一郎氏が「小泉純一郎氏」を「小泉純一郎氏」として認識した際に、認識された「小泉純一郎氏」が小泉純一郎氏として認識される現象です。
SCP-XXX-JPは小泉純一郎氏本人と、小泉純一郎氏が「小泉純一郎氏」を認識した様子を観測した人物は例外無く暴露し、以降はその際に認識された「小泉純一郎氏」は小泉純一郎氏としてしか認識できなくなります。これは暴露以降に限らず、暴露以前の映像や記憶も含まれます。小泉純一郎氏本人はこれによる異常な状態に違和感を感じませんが、第三者から指摘される事で認知する事が可能です。
またSCP-XXX-JPに暴露したか否かに関わらず、本現象について記録された文章、画像、映像、音声、その他確認されたあらゆる表現方法は「小泉純一郎氏」という概念を小泉純一郎氏としてしか表現できません。詳しくは後述する実験記録を参照して下さい。
また上記の異常性は記憶補強薬の服用や記憶処理では対抗出来ず、不可逆なものであると考えられています。
SCP-XXX-JPは首相官邸内の総理執務室にて全裸で四つん這いの状態の小泉純一郎氏を総理秘書官として首相官邸に潜入していたエージェント中川が目撃した事によって発見されました。この時エージェント中川には「小泉純一郎氏」が全裸の小泉純一郎氏に見えており、また「小泉純一郎氏」を「小泉純一郎氏」と表現出来なかったにも関わらず、同じ室内に居た小泉純一郎氏はエージェント中川から指摘を受けるまで違和感を認識していなかったことから異常事態だと判断されました。またそれ以前にSCP-XXX-JPの異常性が確認されていないことから、SCP-XXX-JPはエージェント中川によって発見される直前に発生したと推察されていますが、なぜ発生したのかについては不明です。
また上記のSCP-XXX-JP発見の後、2006年█月██日、カバーストーリー「政界引退」を流布し、小泉純一郎氏をサイト81██へと収容しました。
以下はサイト81██への小泉純一郎氏の移送後に行われたインタビューの記録です。
インタビューログ XXX-JP
インタビュアー: Agt.中川
対象: 小泉純一郎氏
<再生開始>
Agt.中川: それではインタビューを始めます。
小泉純一郎氏: うむ。しかし、君が財団の職員だったとはな。他にも政府に潜入しているエージェントはいるのかな?
Agt.中川: 申し訳ありませんがその質問には答えかねます。すみません。騙していたつもりはないのですが……。
小泉純一郎氏: いやただの世間話のつもりだったんだ。それに身分を偽っていたのは仕方ないよ。それが君たちの仕事じゃないか。
Agt.中川: ご理解頂き感謝します。早速ですが、この異常事態に何か心当たりはありますか?
小泉純一郎氏: 心当たりか。といってもあの時、首相官邸の執務室で君に指摘を受けるまで私もまったく気付かなかったんだ。これも君たちの言う異常性…というやつなのか?
Agt.中川: 実験によって異常性質を解明していかないことにはなんとも言えませんが、おそらくは。そのためにもどんな些細な違和感でも構いません。何か変わったことなどありませんでしたか?
[小泉純一郎氏がしばらくの間考え込むように俯く]
小泉純一郎氏: そういえば…変わったことというか、違和感というか、これは完全に私の勘なんだが。
Agt.中川: はい。なんでしょう?
小泉純一郎氏: あの執務室の「私」を見た時、私はこれがもう1人の私のような気がしたんだ。
Agt.中川: もう1人の総理…ですか?
小泉純一郎氏: いや私にもよくわからないがなんとなくね。君たちにここへ連れて来られている道中、ふとなんとなしに私の人生を思い返していてね。
Agt.中川: 人生…幼少期などに特異な経験が?
小泉純一郎氏: ああいや、議員人生をだよ。思えば私の議員人生色々あったと思ってね。郵政民営化…道路公団民営化…医療制度の改革…この国の為に私に出来る事をとがむしゃらにやってきたつもりだったが、その終着がこんな形とは…とね。確かに多くの国民が私を支持してくれた結果、三代に渡って私の政権が続いた。しかし、私を支持する声と同じだけ非難する声も多かった……。与野党限らず自民党内部からもね……。
Agt.中川: すみません総理。一体なんの話を―
小泉純一郎氏: まあいいから。これは公にはしていないがね、実は私は殺されそうになった事もあるんだよ。自民党総裁選で終戦の日に靖国参拝をすると公約発表した翌日だ。幸い誰も怪我はしなかったが私を襲ったヒットマンは確保しようと追い詰められた末に自害してね……。箝口令がしかれたんだ。
Agt.中川: そういえば総理は靖国参拝は終戦の日を避けていましたね。表向きには国内外への配慮とされてましたが、そんな事が……。
小泉純一郎氏: 国内外への配慮…それだって嘘じゃないさ。ただあれ以来、私の議員生活の間、あのヒットマンの顔が頭から離れないんだ。彼は何を思って私を襲ったのか、何を思って死んだのか、はたまた誰かの手足に過ぎなかったのか……。
小泉純一郎氏: 私の任期の間に出来るだけの事をと色々な事に幅広く手を出して頑張ってきたつもりだが…今度はそれがかえって細部の詰めが甘いなどと揶揄される事もあってね。私への批判の声を聞くたびに彼の事を思い出し、私のやっている事は果たして正しいのかと迷うこともあった。自宅の自室で人知れず暴れたり時には涙を流したり……。
小泉純一郎氏: 今思えば、私の心は知らず知らずの内に磨り減っていたのかも知れない。執務室に居た私、あんなものを生み出してしまう程に。
Agt.中川: どういう事ですか?
小泉純一郎氏: 私にはあれが、誰か変わって欲しい、助けてくれ、どうして私がこんな目に……そんな私の弱い心が生み出したもう一人の私なんじゃないかって思うんだ。君に指摘されて異常に気が付く前、あの日の朝、執務室で「私」を見た時に正直に言えばもう嫌になっていたんだ。ああ、また仕事が始まる。今すぐこの「私」を叩き壊して逃げ出せたらどんなにいいか……なんてね。情けないな…辛いのは私だけじゃない。政治家は…いや国民は皆誰もが少なからず苦悩している。そんな皆の負担を少しでも取り除くのが我々の役目の一つのはずなのに。私は政治家失格かもしれないな。
Agt.中川: そんなこと…総理は今まで―
小泉純一郎氏: いいんだ中川君。だが私はまだ内閣総理大臣だ。今は私が日本の政治を牽引している。私に出来る事ならなんでもする。議員になったあの日から覚悟は出来ている。人知れず戦う君達の覚悟程ではないかも知れないけどね。
Agt.中川: [10秒間の沈黙]では…総理はこれが極度のストレスによるものだと?
小泉純一郎氏: ハハハ! それを解明するのは君たちの仕事じゃないか。
Agt.中川: ごもっともです…。それでは一先ずインタビューを終了します。
小泉純一郎氏: この状況は、君たち風に言うなら収容…ってやつだろう? なら私の議員人生もここまでかな…。とはいえ私の気持ちは変わらない。日本国のために私に出来ることをするさ。なに実を言うとね、こんなフィクションのような体験は滅多に出来るものじゃないからワクワクもしてるんだよ。ハハハハ!
Agt.中川: 総理…。
小泉純一郎氏: そんな顔をするな。これからもよろしくな、中川くん。
<再生終了>
以下はSCP-XXX-JPの実験記録です。
実験記録-XXX-JP-1
対象: 小泉純一郎氏
方法: 小泉純一郎氏に「小泉純一郎氏」の上に立つように指示。
結果: 「小泉純一郎氏」は小泉純一郎氏として認識されるようになった。
日向博士の分析: 「小泉純一郎氏」を使用する事が異常性のトリガーだろうか。
実験記録-XXX-JP-2
対象: 小泉純一郎氏
方法: 数種類の「小泉純一郎氏」を用意し、小泉純一郎氏に「小泉純一郎氏」の前に立つように指示する。
結果: 種類を問わず全ての「小泉純一郎氏」が小泉純一郎氏として認識された。
日向博士による分析: ここまでは概ね予想通りだ。これでSCP-XXX-JPの異常性は「小泉純一郎氏」にあるのではなく、小泉純一郎氏自身にある、もしくは小泉純一郎氏を取り巻く現象であることがわかった。気になる点としては、今回は小泉純一郎氏が「小泉純一郎氏」を使用した訳ではないにも関わらず異常性が発現している点だ。使用する云々はトリガーではないのか?
実験記録-XXX-JP-3
対象: 小泉純一郎氏
方法: 小泉純一郎氏に「小泉純一郎氏」を掴んで振り回す、床や壁に叩きつけるように指示。
結果: 小泉純一郎氏は「小泉純一郎氏」の腰にあたる部分を掴み振り回した後壁に叩きつけた。
日向博士の分析: 本来の「小泉純一郎氏」の使い方ではなくとも異常性が発現した。追加検証は必要だが、おそらく使い方に関わらず「小泉純一郎氏」を使用する意志があればそれが異常性発現の条件なのだろう。
実験記録-XXX-JP-4
対象: SCP-XXX-JP
方法: 「小泉純一郎氏」を別の言葉に置き換えて表現可能か確認する。
結果: ''「小泉純一郎氏」屋等で購入可能な「小泉純一郎氏」''や''「小泉純一郎氏」上の空論''といったように「小泉純一郎氏」という単語を別の単語に置き換えたり、「小泉純一郎氏」が含まれる慣用句によって表現することは不可能だった。
日向博士の分析: おそらく言葉ではなく「小泉純一郎氏」という概念を小泉純一郎氏としてしか表現出来なくなるんだろう。また、実験外において…つまりは小泉純一郎氏が絡まない状況では上記のような表現が問題なく出来る事が確認されている。まあそこまで影響されるなら今頃世界中パニックだろうがな。
実験記録-XXX-JP-5
対象: SCP-XXX-JPの影響を受けた「小泉純一郎氏」
方法: 「小泉純一郎氏」を焼却処分する。
結果: 問題なく焼却されたが、生成された灰からは人由来の成分が確認された。これが実際に人由来の成分が含まれているのかSCP-XXX-JPの異常性によるものかは不明。
日向博士の分析: 異常性によりそう認識しているだけかは不明だが、少なくとも処分した後も「小泉純一郎氏」としては認識できない。おそらく不可逆なものであろうことがわかった。影響を受けた「小泉純一郎氏」は全て収容する必要があるな。
実験記録-XXX-JP-6
対象: 小泉純一郎氏、「小泉純一郎氏」
方法: 「小泉純一郎氏」を四つん這いにし、小泉純一郎氏にその上で書類を整理させる。
結果: 実験に参加した「小泉純一郎氏」は外見が小泉純一郎氏に変化した。特筆すべき点として、これまでの実例は全て全裸の小泉純一郎氏として認識されていたのに対して、本実験においては財団が支給している標準的なDクラス職員のつなぎを着用している姿で認識された。また経過観察の結果、実験に参加した「小泉純一郎氏」は外見からは加齢の兆候が見られず、実験時点での小泉純一郎氏の見た目を維持している。
日向博士の分析: 今回は明らかに「小泉純一郎氏」で無いにも関わらず小泉純一郎氏として認識されるようになった。おそらくは小泉純一郎氏がそれを「小泉純一郎氏」として認識するか否かがトリガーになるのだろう。また、Dクラスのつなぎを着用したままだったのは注目すべき点だ。服装は小泉純一郎氏を指し示す要素ではない。全裸だろうが服を着ていようが小泉純一郎氏は小泉純一郎氏という訳だ。これは報告書に記述する際、対抗手段のヒントになるかもしれない。
上記のインタビュー記録および実験中の様子から、小泉純一郎氏が財団の活動および自身の収容に非常に協力的である事を鑑みて、また小泉純一郎氏の肉体的および精神的な健康も考慮し、複数名のエージェントによる監視体制と「小泉純一郎氏」の使用を制限する事を条件に財団サイト内での収容状態は解除され日常生活が許可されました。
補遺: 2007年█月██日、慶応義塾大学病院内の病室の「小泉純一郎氏」の上に置かれていた「安部晋三氏」が安部晋三氏に変化しているのが確認されました。これにより安部晋三氏に起因するSCP-XXX-JPと判断され、カバーストーリー「体調不良による退陣」を流布し安部晋三氏を収容しました。特質すべき点として上記の状況の発見時には室内の「小泉純一郎氏」には異常が見られず、また小泉純一郎氏は関与していなかったにも関わらず、本件の報告、および報告書内に記述する際に「小泉純一郎氏」を小泉純一郎氏としてしか表現出来なくなりました。これによりSCP-XXX-JP現象について言及する際には、言及した人物の記憶に基づく過去のSCP-XXX-JP現象が反映される事が判明しました。
またその後、安部晋三氏の体調管理と精神的なカウンセリングを実施した結果、SCP-XXX-JPの発生が抑制されました。以降も安部晋三氏に起因するSCP-XXX-JPは確認されなかった事と安部晋三氏本人の強い希望により、記憶処理を施し解放しました。なお小泉純一郎氏に対しても同様のカウンセリング処置は施されていたものの、小泉純一郎氏を起因とするSCP-XXX-JPの発生の抑制には成功しておらず、その理由も不明です。
また、安部晋三氏に起因するSCP-XXX-JPの発生を受けて、SCP-XXX-JPが小泉純一郎氏固有の現象でないとして、日本内閣内部の監視体制の強化が検討されています。
補遺2: 20██年██月██日、サイト81██の日向博士のオフィス内において、日向博士が「小泉純一郎氏」の上に正座した全裸の日向博士と向かい合い、その日向博士の膝を指で叩いているという異常な様子が確認されました。これは日向博士に起因するSCP-XXX-JP現象であるとして日向博士への心理カウンセリングが実施されました。現在は日向博士に起因するSCP-XXX-JPの発生は抑制されており、日向博士は職務へ復帰しています。
上記のSCP-XXX-JPの発生を受けて、SCP-XXX-JPが政治家に限定されるものではないとして全世界を対象に、過去に発生したSCP-XXX-JPに関する調査および情報の収集が指示されました。なぜ小泉純一郎氏の事案以前のSCP-XXX-JPが確認されなかったのかは本補遺執筆時点において未だに不明であり、上記の点と共に調査中です。
また上記3名の事案から、SCP-XXX-JPの発生条件に強いストレスが関係していると推察されました。以下に資料として、事案発生後に日向博士に対して行われたインタビューの中から日向博士が事案発生時に強いストレスを感じていた根拠と判断された部分を抜粋したものを添付します。
いや、あの時は忙しい中やっとの思いで報告書を書き上げたのに「私」がエラー吐いて、以前のリビジョンに戻されたせいで発狂しそうになりながら書き直してた最中だったんだよ…。
それにしても、全裸の私を発見したのが同性のAgt.繰谷で良かった…。
サイト81██ 主任研究員 日向 陽向
上記事案に関するインタビュー中の発言より抜粋
これによりSCP-XXX-JPの発生が危惧される範囲の広さから実質、完全な収容は不可能であるとして、SCP-XXX-JPのオブジェクトクラスのKeterへの変更が議論されています。
本オブジェクトは強いストレスを抱え込み続けた場合、現実逃避や無意識の内に身代わりを求めて発生します。
対象はストレスの象徴…というよりはその人が見た時にストレス原因を想起するものというのが正しく、人の数だけ対象になる物品が存在します。
答えは難しくはしなかったつもりですが答え合わせを。
まず、小泉純一郎氏が対象にしたものは「机」あるいは「テーブル」などそれに準ずるものです。執務室の机について毎日毎日公務に当たっていた訳です。机が対象になった理由はインタビューでの小泉首相の考察通りです。
次に安倍晋三氏が対象としたのは、病室の机…の上に置かれた書類の束です。体調崩す程仕事でストレスを抱えて入院した訳ですが、彼は総理大臣。入院中に持ち込まれた会議資料や議事録、嘆願書や意見書を見て限界を迎えたのでしょう。
最後に日向博士ですが、これはパソコンです。
皆さんも財活中に同じような経験があれば日向博士の気持ちがわかるのでは?
そして日向博士の事例からわかることは、財団はまだ確認出来ていませんが、一般人にも発生し得るということです。
なぜ今まで確認されなかったのか…これは皆様のご想像にお任せします。
文章中の「小泉純一郎氏」等に付いている「」は、対象となった''物質''を小泉純一郎氏という''人間''としてしか記述出来ずそのままでは意味不明な文章になってしまうことから、''物質としての小泉純一郎氏''と''人間としての小泉純一郎氏''を区別するべく、誤伝達部門の職員が異常性の抜け穴として付けたものです。