ネズミたちからの紹介状

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP自体はその性質上収容不可能です。内陸を震源とする気象庁マグニチュード7以上の地震が発生次第、ドローンまたはヘリコプターを派遣し、震央付近を調査してください。生物の出現が確認された場合、現地に機動部隊る-5("ノストラダムス")を編成し出動させてください。生物の情報がSNS上に流出した場合はカバーストーリー「悪質なデマ」を、報道機関により報じられた場合はカバーストーリー「悪質な悪戯」を適用してください。生物による直接的な被害には適宜カバーストーリーを適用してください。

SCP-XXXX-JPにより発生したと思われる生物はサイト-8102をはじめとする最寄りの生物収容サイトに暫定的に収容し、必要があれば状況に応じて別のサイトへ移送してください。SCP-XXXX-JP-5の指示は多くの場合で生物の収容に有用であることが確かめられているため、収容の参考にしてください。

説明: SCP-XXXX-JPはモーメント・マグニチュード7前後以上の地震と連動して生じる時空間異常現象です。地震が発生すると、低確率でSCP-XXXX-JPが発生します。20██年█月現在、SCP-XXXX-JPは北海道本島・本州島・九州島で生じた地震においてのみ確認されています。

SCP-XXXX-JPが発生すると、震央またはその近傍に未知の生物が出現します。出現する生物の特徴は既知の生物種と完全には一致しませんが、過去の例はいずれもある程度の共通性を示しています。生物はその出現以外において異常性を認められておらず、既知の生物種に見られない特徴は既存の生物学に従って説明可能です。SCP-XXXX-JPにより出現したと考えられる生物は全て脊椎動物であり、そのうち1頭を除いて全てが哺乳類あるいは鳥類に分類されます。

出現事例XXXX-1

日付: 2000/10/06

震央: 鳥取県西部

生物: 頭頂部までの高さが約3mに達する、二足歩行の地上性鳥類。全体的なボディプランはフォルスラコス科[[Footnote]]主に南アメリカ大陸に生息した動物食性の地上性鳥類。鋭い嘴と長い脚を持ち、当時の哺乳類を襲っていたとされる[[/Footnote]]に類似するが、頭部がより大型で、嘴が内外側に広い。褐色で斑模様の羽毛に全身が覆われている。樹木の幹に対する高度な擬態能力を有し、接近する獲物を待ち伏せして捕食する生態を持つと予想される。ゲノムはヨタカ(Caprimulgus indicus)との一致性が高い。

事案: 財団が検出した最初のSCP-XXXX-JP事案。██市内の公立小学校で児童█名、職員█名が重軽傷を負い、警察への通報を傍受した財団により検知された。機動部隊る-4("飼育員")が派遣され、給食室を襲う鳥類実体と遭遇。擬態能力による撹乱を受けて2名が負傷したが確保に成功した。

付記: 当初は現象と鳥類実体が纏めてSCP-XXXX-JPに分類されていたが、後述のSCP-XXXX-JP-2の出現により、鳥類実体はSCP-XXXX-JP-1に再分類された。

出現事例XXXX-2

日付: 2008/06/14

震央: 岩手県南部

生物: 体長2mに達する大型猛獣。暗褐色の体毛に覆われる。高い敏捷性を持ち、巨体にも関わらず木登りをはじめ高所や不安定な場所での活動に長けている。ゲノムはテン(Martes melampus)との一致性が高い。

事案: 農村部の民家で飼育されていた犬が立て続けに被害を受け、当初はツキノワグマ(Ursus thibetanus)による被害と考えられていたが、食痕や爪痕がツキノワグマのものと一致しないことから未知の生物によるものと判断された。機動部隊る-4("飼育員")と陸上自衛隊による山林での捕獲作戦が展開され、7日を要して作戦を完了した。地元住民の死傷者は█名に上った。

付記: SCP-XXXX-JP-2に指定。

出現事例XXXX-3

日付: 2011/04/11

震央: 福島県浜通り

生物: 体長3.3mに達する四足歩行の大型植物食性哺乳類。尾と耳は極端に小さく、また四肢も短い。灰褐色の体毛に覆われており、皮下脂肪が卓越している。ゲノムはキタナキウサギ(Ochotona hyperborea)との一致性が高い。

事案: 「巨大なカピバラが脱走している」という通報を受けた新潟県警により██駅前で保護。県警に潜入していたエージェントを介して財団に確保された。対応した警察官には記憶処理を施し、地元住民にはカピバラの脱走がカバーストーリーとして機能すると判断された。

付記: SCP-XXXX-JP-3に指定。

出現事例XXXX-4

日付: 2013/02/02

震央: 北海道十勝地方南部

生物: 翼開長8mに達する大型の飛翔性の哺乳類。茶褐色の体毛で覆われ、翼は皮膜により構成されている。魚類や陸上の小型動物などを捕食する。飛翔の際の羽ばたきは少なく、翼を広げて長時間滞空するような飛行様式を取る。ゲノムはコキクガシラコウモリ(Rhinolophus cornutus)との一致性が高い。

事案: 地震発生直後に大型飛翔生物の群れの情報がSNS上で拡散し、海上自衛隊および海上保安庁による協力を受けて機動部隊る-4("飼育員")が全7頭の確保に成功した。SNS上の投稿は削除され、カバーストーリー「悪質なデマ」が適用された。

付記: SCP-XXXX-JP-4に指定。

出現事例XXXX-5

日付: 2016/04/16

震央: 熊本県熊本地方

生物: 体長100cm程度の四足歩行の知的生命体。関節部分に可動性を持たせた緻密な布を何重にも纏った状態で発見された。姿勢はニホンザル(Macaca fuscata)に似る。ヒトと比較して吻部が突出しており、門歯が発達する。前肢の第1指が消失しており、代わりに第5指が対向性を獲得している。ゲノムはアカネズミ(Apodemus speciosus)との一致性が高い。

事案: 地震の混乱が収まらない状況下で熊本県警に確保されていた不審者3名が県警に潜入していたエージェントにより異常存在と判断され、財団に保護された。警察からはネズミの被り物を被った密入国者と解釈されていた。

付記: SCP-XXXX-JP-5に指定。SCP-XXXX-JP-5は高度なリアルタイム翻訳機器を有しており、人間との会話が可能である。

以下はSCP-XXXX-JP-5へのインタビュー記録です。

対象: SCP-XXXX-JP-5

インタビュアー: 外原主席研究員

付記: SCP-XXXX-JP-5の発言は翻訳機器に表示された文章を採択しています。また、SCP-XXXX-JP-5の各個体をSCP-XXXX-JP-5-1、SCP-XXXX-JP-5-2、SCP-XXXX-JP-5-3と表記します。

<録音開始>

外原主席研究員: こんにちは、SCP-XXXX-JP-5。

SCP-XXXX-JP-5-1: おお、来た来た。首は何ともなさそうだな。腰も。平然と動いてるぞ。

SCP-XXXX-JP-5-2: 素晴らしい、また会えるなんて。ああ、同一個体ではなさそうだけれど。……本当に頭の上にしか体毛が生えてないのね。復元画で見慣れたつもりだったけど、実物を見るとやっぱり変わってるわね。

SCP-XXXX-JP-5-1: ああ、非常にエキゾチックだな。

SCP-XXXX-JP-5-3: (苛立った様子で) 現物を見れたのは確かに嬉しいが……どうするだろうな、我々を。

外原主席研究員: 質問してもよろしいですか?SCP-XXXX-JP-5。

SCP-XXXX-JP-5-1: (興奮した様子で) おお、質問だと。我々に何か聞きたいことがあるのか。どうしよう、心臓バクバクしてきた。

SCP-XXXX-JP-5-3: (声を荒げて) 落ち着かんか、殺されるかもしれないのだぞ。

SCP-XXXX-JP-5-2: あなたこそ落ち着きなさいよ。困ってるじゃないの。ええと、人間さん、あー、この言葉は通じているのかしら?

外原主任研究員: ええ、「人間さん」と表示されています。問題ありません、私たちの種族を指す言葉ですよね。

SCP-XXXX-JP-5-2: ああ良かった!この翻訳機、あくまで私たちを想定したプログラムだから、異種族語を訳せるか分からないのよ。ほら、脳の構造次第で言語体系だって違うかもしれないじゃない?実際最初にあなたたちに遭遇した時は翻訳が間に合わなくて、その、警備員かしら、彼らに捕まってしまったもの。

外原主任研究員: 警察ですね。しかし、きちんと通じますね。言語に関しては専門外ですが、凄い装置だと思います。

SCP-XXXX-JP-5-2: あらまあ、人間に褒めてもらえるなんて……この上なく嬉しいわ。ありがとう。開発チームにも伝えておくわ、彼ら泣いて喜ぶと思う。

外原主任研究員: 開発チーム、ですか。お聞きしたいのですが、やはりあなた方は何かしらの文明を持つ種族なのでしょうか?ご出身は?

SCP-XXXX-JP-5-2: そうね、そうそう……ええと、あなたたちの時代からざっと6000万年ほど後の時代の者よ。

外原主任研究員: ……未来から来たと?

SCP-XXXX-JP-5-3: (窘めるように) おい、何も馬鹿正直に言わんでも。

SCP-XXXX-JP-5-2: 彼の服装を良く見なさい。白い繊維を身に着けているでしょう?汚れが付着しても良いように、既に着ている布の上に羽織っている。白色だから汚れが付けばすぐに気付けるでしょうね、例えば薬品とか。おそらくあれは我々の着る白衣と同じ機能の服飾だと思う。我々と同じ研究者よ。研究者同士、誠意を持って答えたいの。

外原主任研究員: ……すると、皆さんも研究者ですか?未来の。

SCP-XXXX-JP-5-1: (SCP-XXXX-JP-5-2の発言を遮って) そうさ。おお、ついに口を交わしてしまったぞ。……もっとも、我々は白衣なんか着ないがね。化学系や生物系の研究者ならともかく、我々は古生物学者だ。

外原主任研究員: ……なるほど。私は違いますが、私の助手にもいましたよ。となると皆さんは、ここには調査に来られたのですか?それとも偶然で?

SCP-XXXX-JP-5-1: 事故さ。数年前に我々の種族は時空操作技術を開発したんだ。そして何度か実験を行っていたんだが、我々が使おうとしたときに事故が起きた。部屋が突如眩い光に飲み込まれて、飼育していた動物たちが次々に姿を消した。過去へ飛ばされたんだろうな。気付けば私たちも激しい振動と共にこの時代に辿り着いた。もうこうなってはもう仕方ないから、6000万年前の世界の有人観察をすることにしたんだ。

SCP-XXXX-JP-5-3: 最初は悲嘆に暮れていたがな。絶望なんてもんじゃない。

SCP-XXXX-JP-5-1: うん……まあ、ちょうど研究対象だからね。文字通り骨を埋めるつもりでやろうと──ああ、我々からすると、君らの時代って結構謎だらけなんだ。まさか直接話せるなんて願ってもなかったが、この際だし尋ねておこう。一体何をしてるんだい?

外原主任研究員: ……何を、とは?

SCP-XXXX-JP-5-1: 何か知的生命体がいたのだろうとは予想できた。例えばアフロユーラシア大陸の南西部には、ああ、この時代ではまだアフリカ大陸なのかな。そこには、石で出来た四角錘の建築物があるだろう?あとはそうだなあ、ヨーロッパ大陸とか、アジア大陸とか、北アメリカ大陸にも、人工的に整えられたとしか思えない金属の塊が埋蔵してるな。あれは君らの文明だろ?

外原主任研究員: そう、ですね。

SCP-XXXX-JP-5-1: 我々の祖先が資源として使ってしまったこともあるが、なかなかあの地層は希少でね。君たちがどうなのかは知らないが、我々の時代では、古生物研究は恐竜と君たちが人気ツートップだよ。……いや、流石に恐竜には及ばないか、ちょっと盛った。

SCP-XXXX-JP-5-3: あとは太平洋に有機化合物層があるな。あれもこの時代の堆積物だろう。

SCP-XXXX-JP-5-1: ああそうそう。あれも君たちだろう?教えてくれ、海に高分子化合物を沈めたのは何故なんだ?君らにとってのメリットが分からないんだ。

外原主任研究員: 機会があれば、お教えしましょう。ええと、それよりも今すぐに聞いておきたいことが一つ。(声が裏返る) 我々の──つまり人間の時代の地層の上には、一般にどんな特徴があるのですか?岩層でも、化石でも、何でも構いません。お願いします。

SCP-XXXX-JP-5-3: そうだな、黒色泥岩層だ。

外原主任研究員: 黒色泥岩、ですか?

SCP-XXXX-JP-5-1: ああ。莫大な量の有機物が堆積したんだろう。それに、君たちを単純化したような、こう、前足を合わせた、無毛の像があった。君たちの滅びた後で何故人工物が産出するのか、皆目見当もつかんがね。

外原主任研究員: ……。

SCP-XXXX-JP-5-3: ……肌の色が変わったな。どうした?

SCP-XXXX-JP-5-1: (興奮した様子で) 血流量が減少したんだろう。体毛が無いと分かりやすいな、凄いぞこれは。

SCP-XXXX-JP-5-2: (怒ったように) ちょっと。彼、いや、彼女かも知れないけど、どっちにしろ絶滅の原因を聞かされているのよ。彼の身にもなってみなさい。

SCP-XXXX-JP-5-1: (怯んだ様子で) ああ、確かに。(様子を伺いながら) 申し訳ない、人間くん。本当に済まない。でも、予想は出来たんじゃないかと思うんだ。絶滅から逃れ切ることのできた種なんて、地球上に1種たりともいないさ。頼む、分かってくれ。我々は君たちが大好きだ。君たちを研究して、君たちの分まで生きていくから、我々に任せてくれ。

外原主任研究員: (嗚咽)

<録音終了>

終了報告書: 外原主任研究員は精神的な不調と体調不良から回復した後、将来的なNK-クラス:世界終焉シナリオ発生の可能性を日本支部理事会に提言しました。




その後、SCP-XXXX-JP-5は解放を要求しました。要求が棄却されると、SCP-XXXX-JP-5はSCP-XXXX-JPにより出現した他の生物の収容方法を教えると発言しました。実際にSCP-XXXX-JP-5の提言は他の生物の収容の効率化に寄与しています。見返りとしてサイト内でのSCP-XXXX-JP-5の限定的な行動制限解除と、ラジオ・テレビ・雑誌などのメディアの支給が検討されています。

なお、SCP-XXXX-JP-5にSCP-XXXX-JP事象の詳細を伝えると、SCP-XXXX-JP-5は目に見えて萎縮し、財団に対して謝罪を行いました。SCP-XXXX-JP-5は時空移動の原理を把握しておらず、SCP-XXXX-JPを現代における災害の要因として認識していなかったことが強く示唆されます。

追記1: SCP-XXXX-JP-5にはテレビが支給されました。画面上で動く人間の姿を興味深く観察する様子が見られます。特に、首や腰を捻る動作に対して仰け反るような反応を示しています。また、人間による物体の投擲があまり見られないことを疑問視しており、全国高等学校野球選手権大会や2012年ロンドンオリンピックやり投げのビデオを視聴させると興奮した様子で「これだこれ!」「興味深い文化だ」などと発言します。

出現事例XXXX-6

日付: 20██/██/██

震央: ██████

生物: 全長8mに達する大型爬虫類。1mにおよぶ大型の頭骨と鋭利な歯を有する。脊柱は神経弓が極度に発達して皮膜が張り、高さ1mにおよぶ帆を形成する。寛骨弓が貫通した発達した骨盤を有し、高い機動力を持つ。四肢の末節骨は蹄状に変化している。ゲノムはニホントカゲ(Plestiodon japonicus)との一致性が高い。

事案: モーメント・マグニチュード9.0の巨大地震に対応する事例。地震を受けて演奏が中止されたコンサートホールにSCP-XXXX-JP-6が侵入。来場者█名が捕食され、██名が重軽傷を負った。機動部隊る-4("飼育員")が突入。捕獲作戦を展開したが、自切された尾の暴走により一度は完成した包囲網を突破され、最終的に█名の犠牲を払って捕獲に成功した。

付記: SCP-XXXX-JP-5はSCP-XXXX-JP-6について困惑した様子で「そのような生物は知らない」という旨の返答をした。

追記2: SCP-XXXX-JP-6に関して後日インタビューを実施すると、SCP-XXXX-JP-5-3は「我々も理解した。今の君たちと同じなんだ」とコメントしました。

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