嘘コン下書き みんなみんなうそつき

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - みんなみんなうそつき
著者: ©︎akkaman
作成年: 2020

SCP-XXXX-JPと██氏。

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは低脅威物品収容庫に保管されます。また、月に一度SCP-XXXX-JPの定期検査を行ってください。

説明: SCP-XXXX-JPは██家から発見されたテディベアです。SCP-XXXX-JPは市販されている██████社製のテディベアと同一の外見を有していますが、本来製造社等が記載されている部分には「朱に交われば赤くなる。」と記載されいました。また、現在劣化の兆候を見せておらず、異常な耐久性を有しています。なお、SCP-XXXX-JPの入手経路は一般的な物と判明しましたが、SCP-XXXX-JPが異常性を獲得した経緯は現在判明していません。

SCP-XXXX-JPに抱擁を行った人物(以降SCP-XXXX-JP-1と呼称)は以降、他人の行動、言動を全て嘘であると認識するようになります。また、これによって発生する矛盾をSCP-XXXX-JP-1は認識できず、SCP-XXXX-JP-1自身の発言、行動であっても他人を介した場合嘘であると認識されます。なお、これらの異常性はAクラス記憶処理で取り除くことが出来ます。

補遺: 20██/█/██に[削除済]警察署に「子供が誰かに暴行された」という通報が入り、[削除済]警察署に潜入していた財団エージェントが通報内容に異常を感じ財団に報告しました。その後、当該エージェントが通報者である██氏へのインタビューを行った結果、SCP-XXXX-JPの発見に至りました。以下はその記録です。

+ インタビューログ-XXXX:

対象: ██氏

インタビュアー: エージェント・██

付記: エージェント・██が警察官を装い、暴行事件の聴取という名目で行われました。なお、██氏は被害に会った███氏の母親でした。

<録音開始, [20██/█/██]>

エージェント・██: こんばんは、██さん。

██氏: [青木氏は俯いている]

エージェント・██: 大丈夫ですか？お気持ちは非常に理解出来ます。辛いようでしたら、また後日行いましょう。

██氏: いや、大丈夫です。話します……

エージェント・██: ご協力ありがとうございます。まずは、あなたが通報時に話していた「███がおかしくなった」とおっしゃっていた事についてお聞かせください。

██氏: ああ、それは……いや、それも話します。忘れもしません、誕生日の翌日に、学校から帰ってきたあの子が突然、「みんなが私に嘘をついてくる」って言ったんです。あまりに急だったのでびっくりしました。最初は誰かに変な事でも吹き込まれたか、学校で嫌な事でもあったのかとか、そんなに深刻だと思ってなかったんです。でも、それからあの子がどんどんおかしくなっていって……

エージェント・██: 続けてください。

██氏: この前、あの子が皿を割ったんです。あの子は必死に謝っていたけど、安物だし、特に思い入れも無かったので「気にしなくて良いよ」って言ったんです。でもあの子はごめんなさい、ごめんなさいってひたすら謝っていたんです。そして、「ママ、本当は怒ってるんでしょ？」って。そんな事ないんですよ、本当に。でも、夕食の時もずっと私に対して怯えていて、クマのぬいぐるみをずっと抱きしめて、部屋の隅で小さくなっていたんです。そんな事が何回も続いて、その間も何度も原因を突き止めようとしたんですけど、結局原因は分かりませんでした。あの子にも聞いてみたんですけど、あの子は私を責め続けるだけでした。「本当は私の事なんとも思ってないんでしょ？」とか、「私なんて産まれてこなければ良かった」って。

██氏: それで、自分が何かをしたせいでみんなが嘘つきになったんだと言って、あの子はすっかりふさぎ込んでしまいました。いつもニコニコしてたあの子は、口を結んで、おもちゃの影に隠れていました。それに、私と一緒に居たくないのか、家にいない時が増えていきました。最近、不審者の情報なんかも出回っていて、とても心配だったのですが、私は父親を亡くしていて、かと言って誰かに相談する事も出来ずに、解決できないまま時間だけが過ぎて行きました。今日、このままじゃいけないと思って、もう一度、今度はもっと大きな病院でちゃんと検査して貰おうと思ったんです。それで連れて行こうとあの子が家に帰るのを待っていたのですが、彼女はいつまでたっても家に帰って来ませんでした。それで、必死に探したんですけど、結局夜になっても見つかりませんでした。それで、私はもう家に帰ってると思って家に帰りました。そうしたら、あの子が家の前に立っていたんです。でもあの子はあんな、あんな姿に……[すすり泣く]

エージェント・██: 分かりました。もう十分です。聴取を終了させて___

██氏: [エージェント・██の発言を遮る]違うんです。

エージェント・██: え？

██氏: [嗚咽]私が駆けつけた時、あの子は大声を上げていて、泣いているんだと思いました。でも、私が、ボロボロになったあの子の元に近づいたらあの子は。ずっとふさぎ込んでいたのに、私は、ずっと待ってた筈なのに、気味が悪かった。でも、だって、服も体も、あんな風にされたのに。

[顔を歪める]

██氏: あの子は、プレゼントを貰ったみたいに……[手で顔を覆う]

<録音終了>

終了報告書: 以上の内容を受けて██家を調査した結果、SCP-XXXX-JPを発見しました。その後、██氏と███氏にはAクラス記憶処理を行った上で解放しました。なお、███氏の受けた暴行は、不審者による非異常性の物であると確認されました。