【Xコン・嘘】語られざる黄金郷(実在しないとは言ってない)

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPはサイト-██の高危険度物品収容ロッカーに収容します。SCP-XXX-JPの搬出にはサイト管理官の許可が必要です。実験体のDクラス職員以外の人間はSCP-XXX-JPに接触しないで下さい。SCP-XXX-JPに接触した人間はSCP-XXX-JPと同様の手順で収容します。

説明: SCP-XXX-JPは全長約1.6mの純金製の彫像です。シャツとズボンを着用した老年男性を象っており、驚愕あるいは恐怖と表現される表情を浮かべ、自身の右手を凝視するようなポーズを取っています。

SCP-XXX-JPに接触した人間とその着用品は、接触箇所を始点に徐々に純金に変化していきます。この変化は不可逆であり、SCP-XXX-JPから離れても停止しません。全身の純金化に要する時間は、接触した人間の体格に比例します。例として平均的な成人男性では約30秒です。

純金化した人間にはSCP-XXX-JPと同様の異常性が備わります。削り取った破片でも異常性は失われないことから、資産や資材としての利用は不可能と判断されています。

補遺: SCP-XXX-JPは1980/█/█、█████共和国███島の海岸に放置されているところを、現地住民たちが発見しました。通報を受けたエージェント・ロレダン(駐在警官に偽装中)が速やかに現場を封鎖したため、現地住民の被害は発生しませんでした。

現地住民からの情報収集の結果、SCP-XXX-JPの容貌が漁師のヨアキム・ボボ氏(当時65歳)に酷似していること、同氏がSCP-XXX-JPの発見前日から行方不明になっていることが判明しました。また、ボボ氏の弟子であったイーサン・リゴー氏(当時18歳)からは、以下のような証言が得られました。

SCP-XXX-JPインタビューログ: 原文はスペイン語

日時: 1980/█/█
場所: ███島公民館
担当: エージェント・ロレダン
対象: イーサン・リゴー氏


〈前略〉

リゴー氏: あ、あの像は師匠だって! 間違いないよ、お巡りさん!

エージェント・ロレダン: まあ、確かによく似ているな。しかし、人間が黄金に変わるというのは、少し突飛な発想じゃないか?

リゴー氏: [怯えた表情で]あ、あの腕輪のせいだ。師匠はウトゥンキの腕輪に触っちまったんだ。

エージェント・ロレダン: ウトゥ…何だって?

リゴー氏: 黄金の島だよ。師匠から聞いたんだ。

エージェント・ロレダン: 分かった分かった、最初から頼む。

リゴー氏: 昨日、師匠と漁に行ったら、浜辺に光る物が落ちていたんだ。何だろうと近付いてみたら、びっくり仰天だよ。黄金の腕輪だったんだ! インカ帝国の皇帝が身に付けていそうな奴さ!

エージェント・ロレダン: へえ、確かにあの浜辺には、色々な物が流れ着くそうだが…で、君は拾おうと?

リゴー氏: 勿論、そのつもりだった。でも、師匠に止められたんだ。「そいつはウトゥンキの腕輪だ、触っちゃなんねえ」って。師匠の話じゃ、ずっと昔、スペインの艦隊が来るよりも前、ウトゥンキという島があったらしい。そこには、黄金を作る研究をしている錬金術師が住んでいたんだって。

エージェント・ロレダン: 錬金術師ねえ。

リゴー氏: 錬金術師は研究に励んで、ついに鉛の腕輪を黄金に変えることに成功した。けれど、それを身に付けた錬金術師は、たちまち体が黄金になっちまった。錬金術師の召使いがそれを見つけて、慌てて主人の肩を掴んだ。そしたら、召使いも黄金になっちまった。次は、召使いの女房が旦那を助けようとして…という具合に被害が連鎖して、ついにはウトゥンキ中の人間が黄金になっちまったらしい。

エージェント・ロレダン: [小声で]途中で気付くだろ、触ったら危ないって。

リゴー氏: 何だって?

エージェント・ロレダン: いや、こっちの話だ。続けてくれ。

リゴー氏: そして、ウトゥンキは黄金になった島民たちの重みで、海に沈んじまった。それがどこなのかは、もう誰も知らないそうだ。

エージェント・ロレダン: [小声で]その島、スポンジ製だったのか?

リゴー氏: これで分かっただろ。あの腕輪こそ、ウトゥンキを滅ぼした元凶なんだ。指一本でも触れたら、お前も黄金になっちまうぞって…あんな恐ろしげな師匠の顔、初めて見たよ。

エージェント・ロレダン: つまり、君もボボ氏も、腕輪を拾うのは諦めたんだな?

リゴー氏: 当たり前じゃないか。

エージェント・ロレダン: じゃあ、どうしてボボ氏はあんなことに? 君と別れた後、一人で浜辺に引き返して、腕輪に触った訳だろう? 君には触るなと言っておきながら。

リゴー氏: 優しい師匠のことだ。きっと、誰かが触ったら大変だと思って、海に捨てに行ったんだろう。その時、うっかり腕輪に触れちまって[大声で泣く]。

エージェント・ロレダン: [小声で]あの欲張りジジイ、さては独り占めする気だったな。

〈後略〉


付記: 関係者には適切な記憶処理が実施され、ボボ氏の失踪に関してはカバーストーリー「海難事故死」が適用された。

ウトゥンキに関しては神話・民俗学部門が調査中ですが、███島および周辺地域のいかなる伝承にも登場しない点、ウトゥンキという名称が███島の古語1で「存在しない」を意味する「アトゥ・ナキ」に発音が近い点等から、ボボ氏の創作であるという説が有力です。

ログ中でリゴー氏が発見したと主張している腕輪は、現在も発見されていません。

  • scp
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  • xコン23
  • _イベント2
  • _イベント3
  • 神話・民俗学部門
  • 金属
  • 変容

◆ネタバレ

ボボ氏は弟子に腕輪を拾うことを諦めさせるため、咄嗟にウトゥンキの話をでっち上げました。その後、こっそり浜辺に戻って腕輪を拾ったら、本当に黄金になってしまいました。SCP-XXX-JPが「驚愕あるいは恐怖」の表情を浮かべていたのは、自分のホラ話が現実になったからです。

一応、真相としては、ボボ氏が無自覚の内に「ホラ話を現実にする現実改変能力」、あるいは「ホラ話のつもりで真実を言い当ててしまう確率操作能力」を発揮していた等を想定しているのですが(後者だった場合はウトゥンキも実在したことになります)、あくまで裏設定(という名のこじつけ)なので、そこまでは到達してくれなくてもいいと思っています。

◆心配な点

1. 面白いでしょうか? 「な~んだ、作り話かぁ…あれ? じゃあ、何で本当に黄金化しちゃったの???」となって頂ければ成功なのですが…。

2. 分かりやすいでしょうか? とりあえず「強欲爺さんが自分のホラ話で自滅」まで伝われば構わないのですが…。

3. ネタかぶりはないでしょうか? あったらスッパリ諦めます(少しは粘れ)。

4. リゴー君がおバカすぎないでしょうか? 「南の島の純朴な青年」「師匠を盲信している」という点を強調して、何とか説得力を持たせているつもりなのですが…。

[追加項目]5. ウトゥンキの話が一読でホラ話だと分かるでしょうか? 分かりやすいよう、エージェント・ロレダンに何度もツッコミを入れさせているのですが…。

[追加項目]6. エージェント・ロレダンの最後のセリフを、もう少しぼかした方がいいでしょうか? 例えば「あの爺さん、ギャンブルで借金が嵩んでるとか言ってたなぁ」とか?

その他、お気になる点ございましたら、遠慮なくご指摘下さい。可能であれば、代案もご提示頂けると助かります。

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