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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Keter
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの発生・消失の時期を予測・制御する方法は現時点で発見されていないため、SCP-XXXX-JPは今現在収容されていません。そのため、SCP-XXXX-JPの発生及びそれによる被害が確認された場合、直ちに担当職員はSCP-XXXX-JPが発生した住宅を封鎖し、カバーストーリー「欠陥住宅」を流布して下さい。被害者が生存している場合は被害状況に応じて記憶処理を行い、精神状態が回復するまで定期的なカウンセリングを行って下さい。
実験を計画する場合、SCP-XXXX-JP消失までに実験を行えるよう素早い行動が求められています。
説明: SCP-XXXX-JPは、日本国内の住宅に発生する、扉とその向こう側にある空間です。
空間はおよそ幅24m、奥行13m、高さ3.5m程の広さであり、壁や床、天井は破壊が不可能です。内部には持ち込まれたと思われる物が置かれており、これらに異常性はない事が調査により判明しています。
SCP-XXXX-JPは人の住んでいる住宅のみに発生し、一度に2つ以上のSCP-XXXX-JPが存在する事象は今現在確認されていません。また、全てのSCP-XXXX-JP内部は共通しており、SCP-XXXX-JPが消失する際には扉だけが消失し内部は保存されます。SCP-XXXX-JPには人をおびき寄せる性質があると考えられており、特別収容プロトコルにも記載されている通り、SCP-XXXX-JPの発生・消失の時期は不明であり収容が困難なため、現在Keterクラスに分類されています。
補遺: SCP-XXXX-JPが発見される以前、速水博士から「自宅に謎の部屋が出現した、新たなSCPの可能性があるため至急職員を呼んで欲しい」という旨の連絡がありました。その後数名の職員が博士宅に向かいましたが、SCP-XXXX-JPは既に消失しており、速水博士は行方不明となっていました。
数日後、再びSCP-XXXX-JPと思われる連絡があり、その際SCP-XXXX-JP内部から速水博士は他の生存者と共に救出されました。当時速水博士は他の生存者より比較的精神状態は良好でしたが、飢餓や混乱、過度の疲労などが見受けられたため、2ヶ月の療養期間の後、インタビューを受けました。
以下は、そのインタビューの記録です。
対象:速水博士
インタビュアー:エージェント・████
<録音開始>
エージェント・████:これからインタビューを始めます。
速水博士:はい。
エージェント・████:ええと…まずSCP-XXXX-JPをあなたが発見した後、何があったんですか?
速水博士:あの時…あの時連絡を入れた後、懐中電灯を持ってあの中に入ったんです。部隊が来るまで危険な行為はするなと言われましたが…何故かじっとしてはいられなかったんです。
エージェント・████:なるほど。
速水博士:それで…思ったより中は広くて、しばらく進んでいたら、人の声が聞こえてきたんです。そっちの方に向かったら、何人か人がいて…皆酷く痩せていて、目も虚ろでした。中にはもう亡くなっている人もいました。そして生きている人のうちの一人が、ずっとここに閉じ込められているって言ったんです。
エージェント・████:それで、どうされたんですか?
速水博士:すぐにこの人たちを外に出さなきゃって思って、元来た方に走っていったんです。だけど、そこにはもう扉も何もなくって…それで自分も閉じ込められたって解って、頭の中が一瞬真っ白になりました。私が戻って来ても、皆は特に驚いていなかったので、同じような事が何度か起こっていたのだと思います。
エージェント・████:なるほど…
速水博士:取り敢えず、辺りを探索しました。思いの外広いとは言っても、そこまで広大という訳でもなくて、ものの数分で一回りしました。壁以外には何も無くて、ただただ真っ暗な空間でした。探索し終わった後は何もすることができず、他の人たちみたいに寄り集まって励まし合うことしかできませんでした。
エージェント・████:救出されるまでそのようにしていたんですか?
速水博士:ええ…幸い私の後にあそこに入ってきてしまった人はいませんでしたが、水も食料も無い中救出を待つのは困難でした。
エージェント・████:そうですか…とにかくあなたが生きていて良かったです。
速水博士:ありがとうございます。一刻も早く収容方法が確立するといいのですが…
<録音終了>
終了報告書:生存者が一定数いることから、SCP-XXXX-JPの出現頻度はかなり高いと考えられる。そして何より気になるのは、止められていたにも関わらずSCP-XXXX-JP内部に進入した事だ。もしかすると、SCP-XXXX-JPには人をおびき寄せる性質があるのかもしれない。
インタビューにより立てられた仮説から、SCP-XXXX-JPに人をおびき寄せる効力があるかの実験が行われました。以下は、その実験記録です。
実験記録XXXX-1 - 日付████/11/27
対象:D-28923
実施方法:対象をSCP-XXXX-JPが出現している住宅に住まわせ、SCP-XXXX-JPへの反応を調査する。
結果:実験開始後、対象は住宅の扉を順々に開き、中を調べた。
SCP-XXXX-JPにたどり着くと、対象は驚き、内部へ入っていった。その後職員に呼び戻されSCP-XXXX-JP内部から出た2時間後、SCP-XXXX-JPは消失した。
分析:あんな変な部屋があったら、誰だって入りたくなるだろう。ある程度警戒をさせた後に実験をした方が良いと考えられる。ただ、呼び戻されて帰ってくる所を見ると、そこまで強力な効果はないのかもしれない。-エージェント・████
実験記録XXXX-2 - 日付████/7/13
対象:D-31192
実施方法:対象に「住宅内のどこかにSCPの部屋がある」と伝えた後、SCP-XXXX-JPが出現している住宅に住まわせる。
結果:対象は住宅内を探索することに躊躇したが、それぞれの扉を少しだけ開け中を覗き込んだ。 SCP-XXXX-JP内部を見ると対象は「ここがSCP部屋だな…」と言い、扉を閉じた。その後はSCP-XXXX-JPに接触せず一日を過ごしたが、翌日の昼頃再びSCP-XXXX-JPの扉を開け、内部を探索し始めた。職員に呼ばれた後も十数分間探索を続け、戻ってきた後には「隅から隅まで探し回ったけど、何も無かった」と話した。実験を終了した20分後、SCP-XXXX-JPは消失した。
分析:警戒をしていても進入してしまうのは好奇心が故かもしれないが、もしSCP-XXXX-JPのおびき寄せる力の強さが警戒心に比例するのであれば、かなりタチが悪い。-エージェント・████
以上のことを踏まえ、SCP-XXXX-JPが人をおびき寄せる性質を持っていると考えられることが報告書に書き加えられました。
人間をおびき寄せ、何も無い空間に何日も捕らえるという悪質なSCPかもしれないが、1番怖いのは人間が好奇心で自ら進入している可能性を捨てきれない事だ。人間の好奇心は時に良い結果をもたらすが、破滅を導く事もある。-速水博士