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リサイクルコンテスト2021 アイデア個別ページ

投稿者: EnginepithecusEnginepithecus

種別: 塩漬け記事

タイトル: コオロギ女と腕

概要: 私の、最初期の下書きです。色々と迷走した結果元となるコンセプトが分かりにくくなってしまっていますが、この下書きは以下の2つの異なるコンセプトを内包するものです。(両方を使っていただいても大丈夫ですし、片方だけをピックアップして使っていただいても構いません。)


「役者によって演じられたキャラクターが独自の自我を持ち、演者がそのキャラクターの未練を晴らすために協力する」

「この着ぐるみはスーツ流用怪人であり、実は内側にもう1つ、流用前の別怪人の人格が潜んでいた」

※ 内容の長文さ加減から、双方共にその詳しい内容に関しましては詳細欄に記述を移行致しました。

詳細:

❪コンセプト詳細❫

「役者によって演じられたキャラクターが独自の自我を持ち、演者がそのキャラクターの未練を晴らすために協力する」

……当時の私の執筆技術故に、下書きの方を見ても読み取りにくいとは思います。が、この下書きは「演目の途中の事故で中止になってしまったヒーローショーのキャラクターである怪人の、着ぐるみがオブジェクト化して自分を倒してくれるヒーローを探し続ける」、「その着ぐるみの中に囚われた状態になったスーツアクター(演者)は、むしろ怪人(の着ぐるみのオブジェクト)の未練を晴らすためにその殺陣を演じてあげる」という流れがコンセプトとして含まれています。
尚、元々の下書きでは着ぐるみの怪人になっていますが、これは本質的な部分ではないため「役者が素面で演じるキャラクター」に変更していただいても大丈夫です。
最後にこちら、当時の私では描けなかった「演者とキャラクターの間の人間関係 (信頼でも、強制的な主従でも可です)」等がメインに据えられますと魅力的なものになるのでは……、と、私は考えるなどしています。


「この着ぐるみはスーツ流用怪人であり、実は内側にもう1つ、流用前の別怪人の人格が潜んでいた」

……こちら、少々前提知識として、特撮関連の知識が要るものとなってしまっております……ので、今になって考えますと、リサイクルで使用する際には「人形」など、もう少し分かりやすいものに置き換えた方が良いかもしれません。
以下、説明です。
まず、前提としまして、特撮やヒーローショーなどのキャラクターの着ぐるみは、1体作るだけでも莫大な費用がかかります。なのでこうしたキャラクター(特に怪人)の着ぐるみはしばしば、撮影やショーでの出番が終わった後、廃棄するのはあまりに勿体無いという事で、改造されて体の目立つパーツの形状を変えられたり、その上で全身のカラーリングを塗り替えられたりして「別の怪人」へと仕立て上げられ、再度撮影やショーに使用されます。つまり、「役目を終えた怪人Aが、リサイクルされて怪人Bに転生する」という事が頻繁にあるのです。
そしてこの下書きの2つ目のコンセプトは、「1つの着ぐるみに、表層人格となる怪人B(転生後)の人格と、内部に潜んだ怪人A(転生前)の人格の2つが同居していた」というものになります。
下書き中では「コオロギ女」として描写されているのが怪人B、「腕」として描写されているのが怪人Aです。当時の私は怪人Aを「危険な人格」と位置付けておりましたが、これはコンセプトの本質部分ではないため、むしろ(①と少々被りますが)「怪人Bと怪人Aの人格の間に存在する人間関係」等を描く、等の形に変更して頂いて大丈夫です。それこそ例えばですが上記の「怪人の着ぐるみではなく人形に変更」というのと合わせまして、「廃棄物を材料に作られたポップアートに芽生えた人格と、元は人形であったその廃棄物に宿った人格との間の人間模様」といったような形への大規模なアレンジ等も大歓迎です。



アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは現在収容されていませんサイト-81██の監視カメラを備えた小型物品収容庫に収容してください。SCP-XXX-JPの消失が確認された場合、機動部隊は-19(英雄演者)と連携してヴィラン・イベントの発生を追跡し、再収容を行ってください。(20██/12/19追記)現在、機動部隊は-19によるSCP-XXX-JP-Aの追跡が継続中です。

説明: SCP-XXX-JPは、焼け焦げたウレタン製のチョーカーです。帯幅4cmで、昆虫を模した紋様が描かれており、紋様部分は青く発光しています。当該オブジェクトはエンマコオロギ(Teleogryllus emma)の群体を伴って消失・転移を繰り返し、不定期にヴィラン・イベントと呼称される以下のプロセスを発生させます。

  • 日本国内にてバイクで走行中の人物(以下、被害対象)の元に転移する
  • エンマコオロギの群体がSCP-XXX-JPを中心に集合して人型のシルエットを形成する
  • 被害対象が腕を振り払うなどの動作を行うと、群体が炎を伴って爆発し、オブジェクトと群体の双方が消失する

被害対象にはフルフェイスヘルメットを着用した人物が優先的に選定される傾向があり、またヴィラン・イベントによって被害対象が死亡した事例はありません。被害対象へのインタビューでは、「群体が女性の声で「どこにいる」と発声した」、「群体は女性の叫び声を挙げながら爆発した」などの証言が得られています。

補遺1: 20██/7/30、SNSの書き込みから█ ██氏が同月2日よりSCP-XXX-JPを保有していることが判明し、オブジェクトは回収されました。█氏は20██年放映の特撮ドラマ█████████のメインライターであり、同作のノベライズ版の執筆中に本オブジェクトが出現したと証言しています。詳細は以下のインタビューログXXX-1を参照してください。

補遺2: インタビューログXXX-1から、本オブジェクトとAnomalousアイテム「スーツが脱げない仮死状態のスーツアクター」との関連性が指摘されました。
AO-███-JPは20██/5/4、██デパートの火災現場から発見され、着用しているスーツから当時ヒーローショーでテレグリラス███を演じていた██ ██氏であると推測されています。発見当時の生存者からは「怪人が本当に攻撃を放った」との証言が得られており、当初これらは火災によるパニックによるものとして処理されましたが、現在調査が再開されています。

またテレグリラス███のスーツを製作した██製作所についても調査が行われました。詳細は以下のインタビューログXXX-2を参照してください。

20██/12/19追記: SCP-XXX-JPの紋様部分の発光が停止し、同時刻にAO-███-JPのスーツの両腕前腕部が消失しました。
AO-███-JPはその後異常性を喪失し、仮死状態から覚醒しました。AO-███-JPに対して実施されたインタビューの詳細は以下のインタビューログXXX-9を参照してください。

本インタビューの後、AO-███-JPのスーツ前腕部はSCP-XXX-JP-Aと指定されました。SCP-XXX-JP-Aの追跡は継続されます。

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